VOL.3141問全力解析 2024年度 栄東中学校(東大特待)

1問全力解析過去問栄東中学校規則性

今回の1問全力解析は2024年栄東(東大特待Ⅰ(1月12日))です。
まずは問題を見てください。

基本テーマ
①「知っている」の範囲の確認
②普段からなぜそうなるのかを意識する
③知らない時は誘導に乗る
④素因数分解の利用
⑤素数に反応する

この問題では以上のような基本テーマが潜んでいると考えられます。ひとつずつ見ていきます。

①実は私のブログでは当たり前のように(2)までは扱っています。VOL.75VOL.197
知っていれば実質(3)だけの問題になります。

②授業ではなぜこの式でN番目までの三角数の総和が求めれられるのかを扱っています。教材に載っていることは少ないですが、考え方が面白いので説明することが多いです。普段からなぜそうなるのかを考えていると良いことがあるかもしれません。

③(1)は常識ですが、(2)に関しては、受験生の多くはこの考え方を知らなかったと思います。その場合は問題文を丁寧に読み、出題者の狙いを汲み取らなければなりません。素直に読めば当たり前のことなので、正解できたのではないでしょうか。

④(3)も難しくないのですが、方針を誤ると苦労したかもしれません。仮に結果として皆が正解する問題だった場合、かけた時間で差がつく可能性があったので、なるべくスンナリ正解したかったところです。
素因数分解を上手く使えれば意外なほどあっさりと解決したことでしょう。

⑤あっさりと解決するためには「11」と「23」という素数に着目する必要があったでしょう。「7」が無いことから、連続する3数がすぐに見つかります。

以上を踏まえて問題を解いてみましょう。

〈解説〉

(1)同じものを用意して逆さにして足すやり方は天才数学者ガウスが子供の頃思いついた解法として有名ですね。筆算がわかりやすいです。

1+10に10を掛けたものの半分なのでアは10…(答)です。

〈別解〉
等差数列の和の公式(1番目からN番目までの総和)は
(初項+第N項)×N÷2です。
1番目が「1」でNと第N項が「10」ですから

  (1+10)×10  2  

となります。

よってアは10…(答)

続いて

1+5+1=7
1+4+2=7
2+4+1=7

全て7になっています。よってイは7…(答)

(2)三角形に書かれている数字の数は1~10までの和なので

  (1+10)×10  2  =55です。また、3枚重ねたときの1か所の数字の合計は

1+1+10=12…(答)ウ

1枚に書かれた数字の合計を求めたいので

55×12×  1  3  =220…(答)エ

いままでの話から1番目からN番目の三角数までの総和は
  {N×(N+1)×(N+2)}  6  

とあらわすことができます。それが2024になるようなNを求めればよいわけです。
連続する3数の積が2024×6なっているということなので、2024を素因数分解します。

2024=2×2×2×11×23
よって、

2024×6=22×23×24と分かります。

以上より(答)22

いかがでしたでしょうか。知っている受験生にとっては「待ってました」の問題だったと思います。初見の受験生にとっても会話が丁寧だったので、正解は難しくなかったでしょう。

このレベルの内容をしっかり消化して自分のものにしていけば、ライバルに差をつけることができるでしょう。

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今週の1題平方数・立方数の総和

難易度★★★☆☆

(1)同じ大きさの正方形を何枚か並べて正方形をつくります。
1番目 1×1 1枚
2番目 2×2 4枚
3番目 3×3 9枚
4番目 4×4 16枚



N番目 N×N N×N枚

1番目から4番目までの合計は30枚です。

1番目からN番目までの合計が100の倍数だとするとNはいくつですか。考えられるもののうち2番目に小さいものを求めてください。

(2)同じ大きさの立方体を何個か並べて立方体をつくります。
1番目 1×1×1 1個
2番目 2×2×2 8個
3番目 3×3×3 27個
4番目 4×4×4 64個



N番目 N×N×N N×N×N個

1番目から4番目までの合計は100個です。

1番目からN番目までの合計が10000の倍数だとするとNはいくつですか。考えられるもののうち2番目に小さいものを求めてください。

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解答が表示されます
〈答〉(1)87 (2)175
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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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