VOL.3131問全力解析 2024年度 浦和明の星中学校
今回の1問全力投球は浦和明の星女子2024年 第一回【4】です。
まずは問題を見てください。
解くための基本テーマは以下になります。
Ⅰ周回運動の基本知識
Ⅱ比を使う
Ⅲ対称性を考慮する
Ⅳシャドゥの設定
Ⅴグラフを描く
以上が考えられます。Ⅰ〜Ⅴそれぞれについて少しコメントします。
Ⅰ池の周りを反対方向に周回する場合、何回も出会うことになります。速さの比がA:Bの場合、出会う地点は(A+B)カ所になり、初めてスタート地点で出会うまでにAの方がA周、Bの方がB周します。(AとBは共に整数かつ互いに素)
Ⅱ旅人算で解こうとすると、距離と速さを適当な数値で設定する必要があるので、得策ではないかもしれません。比を使って解けばスンナリいきそうだという見通しを立てたいところです。
Ⅲ(2)と(3)は両方とも親切にも2回と教えてくれています。対称性を考えれば、行きと帰りで2回という結論にたどり着くでしょう。同時にAに着くということは逆にたどればスタート直後と線対称の動きになります。
Ⅳ(2)(3)は共にシャドゥを設定すると追い越しになります。スタート地点を変えることで両方とも解決します。
Ⅴシャドゥを設定して追い越しとなると「旅人算」で解くのが一般的でしょう。ここでは別の解法として「グラフ」を推奨したいと思います。答が2つということもすんなり解ります。ということは、「2つ」というヒントが無ければ「グラフ」が最善かもしれません。
以上を踏まえ問題を解いてみましょう。
〈解説〉
(1)速さの比が4:1なので同じ時間で進む道のりも4:1です。
360度を4:1に分けた1の方が答です。
360✕ 1 4+1 =72(度)…ア(答)
2点が出会う場所は
4+1=5(カ所)
で、その間Qは1周するので
(答)5回目 …イ
〈図1〉から明らかなように④と①の差である④-①=③が180°にあたるので
180× 1 3 =60(度)…(答)
これが行きだとすると帰りは
360-60=300(度)…(答)
Pの1周目では問題文の条件のようにはならないので2周目を考えます。〈図2〉
Pが1周分多く進んでいるので差は360°です。よって
360× 1 3 =120(度)…(答)
帰りは
360-120=240(度)…(答)
〈図3〉より、内部底辺が3倍で高さが同じですから
(答)1:3
〈別解〉
(2)グラフを描きます。Pと逆回りでスタート地点がBのSを設定します。横軸が∠AOQ、縦軸がAOとのなす角でQとSについて描きます。
〈グラフ1〉2本の線が交わったところが答ですが、180°のところはABと重なるので不可です。
グラフより
(答)60度、300度
(5)Pと逆回りのTを設定します。〈グラフ2〉
グラフより
(答)120度、240度
いかがでしたでしょうか。
様々なテクニックを使うことができた差がつく問題だったと思います。
新6年生はこれからの1年間で役立つ知識をしっかりと身に着け、ライバルに差をつけましょう!
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