VOL.2671問全力投球 渋谷教育学園幕張中学校

1問全力投球


受験生は最後の追い込みに入っていると思います。
VOL.265でも書きましたが、追い込みにはコツがあります。

絶えず意識すべきことは「点数」です。
いまやっていることが入試での何点アップに繋がるのかを少しで良いのでイメージしてみてください。
そして、点数が上がるような気がしないのであるならば、それをやらないという決断もアリだと思います。

今回は前回やったランキングで取り上げたテーマが、実際の入試問題でどのように取り入れられているのかを見てもらいたいと思います。
久々の「1問全力投球」です。
今回は「渋谷教育学園幕張」の2020年大問1を取り上げます。
まずは問題を見てください。

瞬間的に「継子立て」と気付いたことと思います。
(3)が知識で解けるので、一番手強いのが(2)ということになります。

〈解説〉

(1)42番目の奇数を聞いているのと同じです。

42×2-1=83 …答

(2)少しだけ面倒ですが丁寧に解いていきましょう。
1巡目 144÷2=72より
奇数72枚が除かれ偶数72枚が残る

2巡目 72÷2=36より
(4の倍数+2)の36枚が除かれ4の倍数36枚が残る

3巡目 36÷2=18より
(8の倍数+4)の18枚が除かれ8の倍数18枚が残る

4巡目 ここで(16の倍数+8)である数が除かれるが「72」はこれにあたるので、ここで除かれます。
72=8+16×4
なので、
4+1=5
より、4巡目の5枚目で除かれることがわかります。以上より
72+36+18+5=131(枚目) …答

(3)まずは出題者が意図したと思われる解法で解いてみます。
4巡目が終わって残っているのは
1×16,2×16…9×16
の9枚です。この9枚に対してもこの操作をおこなうことになるので1~9で考えます。
1,3,5,7,9が除かれ2,4,6,8が残る
さらに4,8,6と除かれるので最後に残るのは「2」です。
実際は16倍しなければいけませんから
2×16=32 …(答)

〈別解〉
前回取り上げた知識を使ってみましょう。2を何回かかけ合わせた数で144に近いのは
2×2×2×2×2×2×2=128
144-128=16
なので、16枚取り除いた直後に1番下に行ったカードが答です。
16×2=32…答
解答にかかる手間が大差であることを確認してください。できれば逃したくないですね。
また、9枚の時最後になるのは1枚取り除いた直後に1番下に行ったカードなので、それを使って
1×2×16=32
とやっても良いですね。

以上見たように、難関校での出題もありますので、知識の充実は非常に重要となります。
また、本問のように知識を使わずに解くことが可能な問題であっても、検算で使用することができますから、知識が邪魔になるということはほとんどないと思います。

ただし、知識を重視するあまり、自分の頭を使うことや、地道に調べることを放棄することの無いよう、しっかりとバランスを整えていただきたいと思います。
そのあたりの管理も我々指導者の重要な役割です。

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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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