VOL.258本番の試験でミスをする確率を減らす方法
私は学生時代、テニスをやっていました。
自分のプレースタイルはかなり攻撃的だったと記憶していますが、悩みの種は「ミスが多いこと」でした。
特にフォアハンドのグランドストロークがガンで、今振り返ってみると、いわゆる「イップス」の状態に陥っていたのだと思います。
当時は毎日のように練習していましたが、いくら練習しても試合になると打てなくなってしまうということの繰り返しでした。
おかげで、他の技術(ボレー、バックハンド等)は向上しましたが、試合で勝てそうな気はあまり湧かなかったように記憶しています。
実は数年前まで、たまにテニスはやっていました。
フォアハンド病は年齢を重ねるとともに自然と解消されていました。
サーブの衰えが一番酷く、バックハンドも片手から両手に変わりましたが、攻撃的なところはあまり変わらず、楽しくプレーできていました。
何が言いたいかというと、「ミスは年をとると減る」ということです。
さて、話を「受験生のミス」に移しましょう。
ほとんどの受験生が「ミス」に悩んでいると思います。
「ミス」の改善策の筆頭が「年をとること」だとすると頭が痛くなることでしょう。
今回は受験生が本番の試験でミスをする確率を減らす方法について考えてみたいと思います。
まず最初に言っておきたいことがあります。
少し厳しいようですが、大抵の受験生は実力不足なだけです。
「ミス」と似たような言葉に「エラー」があります。
「エラー」が多い野球選手は「エラーだからしょうがない」とはなりません。
単なる下手くそです。
私はこれは「受験算数」でも同じだと思うのです。
「ミス」を「本当はわかっていた(できるはずだった)にもかかわらず、本人が予見できないようなことが原因で失点してしまう」ことだとしましょう。
そうすると、本人が「ミス」と主張していることもほとんどの場合、本当は「ミス」に当てはまらないと考えられるのです。
例えば、「字が汚くてバツ」というのは本人に原因があり、失点の可能性ぐらい認識できているはずですから「ミス」とは言えないですよね。
丁寧に書くように指導しても「時間が足りなくなるから」という返答が多いです。
ただ、時間不足になるということはイコール実力不足です。
ここで負のスパイラルが見えてきます。
実力不足→自信がない→時間切迫の恐怖→あせり
⇒・問題文を読み飛ばす(聞かれたことに答えない、自分勝手な設定をする)
・計算がやっつけになる
・字が汚くなる
・転記の誤り
・数字が抜ける、数え間違い
・試験中の戦略の失敗
⇒模試等で結果がでない(「点数が悪いことを叱られる」が加わると最悪)
⇒さらに自信がなくなる→時間切迫の恐怖→あせり…
典型的な負けパターンの出来上がりです。
このスパイラルを断ち切ることができれば、本人が「ミス」と証している現象が減らせると思います。
解消法は単純で、実力をつければ良いのです。
そしてそれが自信につながれば、針は逆回転を始めます。
※個々の対策についてはVOL.99、VOL.170を参考にしてください。
それと、試験後のケアも大切で、そのことについてはこのブログで何回も書いてきました。
簡単に言えば「プラスの声掛け」が肝心です。
何か、あっさりと話が終わってしまいましたが、上記が原因ではない「ミス」について少し書きます。
優秀な生徒さんに多いのが、「頭が回転しすぎること」が原因と考えられる「ミス」です。
これはあくまで私の持論なのですが、人間の脳は超高性能であり、本来の実力を発揮できればほとんど全ての問題をあっという間に解いてしまうと考えられます。
そこに本人の意識が入ると脳のスピードについていけず、ギャップが生じてしまうことがあり、それがミスに繋がる、というのが前述のミスの原因だと思うのです。
ですから、このミスが出たときは内心で「これは良い傾向だ」、とほくそ笑んでいる金田なのでした。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題場合の数
難易度★★★☆☆
ABCDEという5桁の整数について考えます。Aには1~9、B、C、D、Eには0~9の数字が入ります。
一番大きな数字が1つだけあり、それがCに入るものについて、以下の問いに答えてください。
(1)ABCDEが全て異なるような5桁の整数はいくつありますか。
(2)C以外は同じ数字でも良いとき、条件を満たす5桁の整数はいくつありますか。
解答が表示されます