VOL.259受験で大きなミスを招く よくあるパターン4選
昔、何かの研修で「ヒヤリハット」というのを習いました。
「ヒヤリハット」とは、危なくてヒヤッとしたりハッとしたけれど、幸い大きな事故には至らなかった事を言うようです。
主にビジネス界で「職場での重大な災害や事故を防ぐために有効な小さなミスの発見」として、社員に徹底を呼び掛けたりしています。
個人的には「車の運転」の時に、この「ヒヤリハット」を思い出します。
良く言われるのに「ハインリッヒの法則」というのがあって、1つの大きな事故が起こる背後には29の軽い事故があり、さらにその背後には300のヒヤリハットがあるそうです。
ですから、急ブレーキで事なきを得たときなど、「こんなことが後300もあれば、そのうちの一つ位は大事故になるかもしれない」と気を引き締めたりしています。
さて、この「ヒヤリハット」を受験算数に当てはめるとどうなるでしょうか。
本人が「ヒヤリ」とすれば、その後に起きるかもしれなかったミスを防げるので、これは良いことだと思います。
一例を挙げると、「何か変だ」と思った時、それが「ヒヤリハット」に繋がります。
少し具体例をあげましょう。
・計算問題で分母が4桁になりそうだ。
・年齢算でお母さんの年齢が9歳かも。
・バスの時速が3kmなんだが。
これらは全て見直しをするべきな状況です。
ですから、なるべく「ヒヤリハットセンサー」が働くようにしておくことが受験生のたしなみと言えるでしょう。
さて、本人が「ヒヤリ」を察知してくれればよいのですが、現実にはそんなことはお構いなしに先を急ぐケースが見られます。
ここから先は我々から見れば十分に「ヒヤリ」なのに本人の自覚がないケースが多いものを挙げていきたいと思います。
①字が汚い(くせが強い)
これを指摘してもなかなか本人が直さないことが多いのですが、非常に危険です。
できる側の生徒さんに字が汚いケースが多かったりするのですが、少なくとも「数字がはっきりとわかるように書く」ことだけは徹底してください。
特に「0」と「6」や「1」と「7」の区別がつかない何て言うのは論外なので、今すぐ修正です。
自分で自分の字を読み間違えて×をもらうのは本当にアホらしいですよね。
②どこに何がかいてあるかわからなくなる
レイアウトの問題です。
上から左詰めが原則ですから、普通は問題ないことだと思うのですが…
なぜかど真ん中にかなり大きく書いて、その後端っこの方にチョコチョコ書くなんていうケースがそこそこ見受けられます。
そして、あっちこっちに書き散らかした末にどこに何を書いたかわからなくなるようです。
この症状は日頃の練習で解消できるので、指導者に直してもらうのがよいでしょう。
※ノートを使うのと、実際の入試問題を解くのとは若干違います。
ですから、白紙の余白を使う練習はやっておく必要があります。
③眠い
睡眠不足はパフォーマンスが低下するので、絶対に避けてください。
※試験当日は、緊張で眠れなくて睡眠不足ということも考えられますので、睡眠不足の時の対策は考えておく必要はあります。
例えば「眠気を醒ますツボを押してみる」といったことを準備しておくのは良いと思います。
本当に効くかどうかは私にはわかりませんが。
何時間寝るのが一高いパフォーマンスが発揮できるか、もうある程度はわかっていると思いますので、その時間はきっちり寝るようにしてください。
何か、不測の事態で睡眠が不足した状況で模試等を受ける場合は、睡眠不足時の練習と考えるようにしましょう。
④問題を読まない
本当に不思議なのですが、問題をきちんと読まずに答を書く受験生が後を絶ちません。
問題を自分勝手に作ったり改変したりしているのですから、×をもらっても文句は言えません。
そして一部の受験生は、苦い経験を経ても次もまた同じことを繰り返してしまうのです。
この現象は子供ならではということもなく、共通テストや資格試験等でも見られますから、人間である以上仕方がないことなのかもしれません。
これは前回書いたことに繋がってくるのですが、この手の間違いの元になっているのは「焦り」「不安」「急いた気持ち」等ですから、まず気持ちを落ち着かせることが肝心となります。
本当の落ち着きを得るためには「自信」が必要です。
そのためには「実力」を身に付け「成功体験」を経て「自信」を獲得する必要があるでしょう。
ここでも地道な努力がカギを握るのですね。
他にも「ヒヤリハット」事例は沢山あるとは思いますが、今回はこの辺にしたいと思います。
「ヒヤリハット」は最終的に事故が起こらなかった時のことですから、決して悪いことではありません。
結果として「ヒヤリハット」となるように、何か違和感を感じた時の立ち回り方を十分に練習しておきましょう。
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