VOL.248もし算数の勉強方法をカラオケに例えたら・・・

図形もしもシリーズ

最近、何回かカラオケを歌う機会があったのですが、以前よりも盛り上がっているように感じました。
もちろん、受験生はそんなことをやっている場合ではないのですが、受験が終わったらみんなでカラオケで盛り上がるなんてこともあって良いと思います。
ということで、今回は「カラオケ」をテーマに受験算数を考えてみたいと思います。

皆さんはおぼえていらっしゃらないかもしれませんが、このブログで年頭に目標をいくつか掲げました。
そのうちの一つに「カラオケで96点以上出す」というのがありました。
じつは1年半ほど前に既に96.057点を出していました。
そんなことはすっかり忘れて上の点数を目標にしていました。
ですから今年の目標を
「カラオケで97点以上出す」
に訂正させて頂きたいと思います。
あと半年で達成可能なのか、自信はありませんが…

さて、テレビのカラオケ採点番組では99点台は当たり前、100点なんかも出ていますが、正直、あそこで歌っている人の歌を“上手い”と思ったことはあまりありません。
96点のやつが何を言っているんだと思うかもしれませんが、私と同じような感覚を持っている人は相当数いるはずです。

これはどういうことかと言うと、点数が高い人は基本的に点数が出やすい曲を点数が出るように歌っているということです。
機械が採点しているので、「味がある」とか「声が心地よい」といった人間ならではの要素より、「音程やリズムが正確」や「抑揚、ロングトーンがある」といった分かりやすいものが重視されていると考えられます。
点数を出すためには「機械に減点されず、加点される」ような歌い方をするのが良さそうです。

これは受験算数にも当てはまり、とにかく「点数になる」ことを常日頃から意識しなければなりません。
これも2方向からのアプローチが考えられます。
①加点を増やす
②失点しない
一般的には①よりも②が大切とされているようですが、それは既に点数が足りている人にとっての話です。
点数が足りなければ①を重視し、解ける問題の範囲を広げなければなりません。
私の授業でもできるだけ①を伸ばし、場合によっては②は最後の最後ということもあります。
カラオケは、点数は低くとも聴いてくれる人の心を揺さぶるような歌を歌いたいと思う金田なのでありました。

ここからは盛り上がるカラオケについて考えてみたいと思います。
カラオケでの2大人気ジャンルは
①ノリの良いアップテンポの曲
②しっとりとしたバラード
だと思います。
とりあえず、上記に該当する1曲ずつの計2曲をレパートリーとして持っておけば、どのような状況でも外すことはないと考えられます。

トップバッターなら①を歌い一気に場の空気をアツくする、適度に落ち着いてきたら②をじっくりと聴かせる、というのがありがちなパターンですね。
このように選曲は重要で、聴いてくれる人達の気持ちを読むことがカラオケがうまくいくための第一歩かもしれません。
私はどちらかというとKY気味ですが、歌のパワーで中央突破してしまうことが多いので、選曲にはあまり気をつかってません。
今後はもう少し周りの空気を読みニーズに応えられる選曲を心がけたいと思います。
実は子供の頃の自分の算数も全く同じでした。
あまり細かいことは考えず「他の人ができない問題ができれば多少ミスがあっても大丈夫!」と考えていました。
今冷静に考えれば本当に無茶苦茶でしたが、今の自分の戦略が当時の自分に加われば最強だったように思います。

さて、場にふさわしい曲をチョイスして、いざ披露となるのですが、勝負は既についていると考えられます。
カラオケは歌うその時よりもその前の準備が大切なのですね。
私が良く言うのが「カラオケは記憶が9割」です。誰かが言っていたのではなく、私のオリジナルです。

なぜそう思うかというと、やはり原曲があってこそのカラオケだと考えているからです。
聴く人の頭の中には原曲のイメージが存在し、そこに別の人間の歌が加わったとき、どのような化学変が起こるか、ということがカラオケの本質だと思うわけです。

個人的にはなるべく原曲と一致した方が聞く人にとっては心地よいと考えています。
全然違うと音痴のレッテルを貼られてしまうかもしれません。
所々個人の特徴を入れることによって印象付けることは評価アップにつながると思います。
音符通りにフラットに歌うだけでは面白味に欠けてしまいますよね。

このあたりの事情は算数の方が個人の自由度は高いと思います。
新しい解法等を習ったときは、とりあえずその通りにやってみる。
それがしっくりきたのならば良いのですが、そうでない場合は自分流が良い可能性もあります。
ただ、小学生の場合、最初に習ったものから抜け出すことはなかなか困難なので、指導者が種々の要素を考慮して、最も良い方向に導いてあげることが必要だと思います。

自分はどちらかと言うと新しい解法にどんどんチャレンジしてもらうことが多いです。
新しい解法を学ぶ過程で「算数の地力」をつけてもらえれば、柔軟に対応できる可能性が上がります。

いままで見てきたように「カラオケ」も「勉強」も基本が大切なことについては変わりありません。
そこにプラスαとして、個々の特徴を加味することができればさらに良くなるというところも一緒でした。
勉強ができるようになれば、カラオケも上手くなるはずですね。

最後に、VOL.88で紹介した吉田さんは試験当日の朝1曲歌ってから出発したそうです。
たまにストレス発散で歌うのはアリだと思いますよ!

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今週の1題図形

難易度★★★★☆

〈図1〉

〈図1〉の体積が14400cmの正八面体ABCDEFを立体Kと呼ぶことにします。立体Kの辺上に点PQRSTがあり、
AP:PB=AQ:QC=3:1
DR:RC=AS:SD=AT:TE=2:1
です。
今、3点PQRを通る平面Lで立体Kを切断しました。

(1)切断後の小さい方の立体の体積を求めてください。

(2)さらに3点CSTを通る平面Mで立体Kを切断しました。切断後のAを含む立体の体積を求めてください。

クリックすると
解答が表示されます
<答>(1)5025cm    (2)3523cm
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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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