VOL.210受験生 9月の過ごし方
この時期、よく質問されるのが「過去問」についてです。
このブログでも何回も取り上げている受験における最重要テーマですね。
過去に取り上げた「過去問」の記述を読めるようにVOL.165にリンクを貼っておきます。まずは目を通してみてください。
今回は大切なポイントをサッとまとめたいと思います。以下第一志望の学校の過去問に対する記述です。
1.なるべく古い年度からやる。
2.早い時期に1回やってみることは悪いことではない。
3.合格最低ラインの半分とれるかどうかが継続のライン。そこに届かない場合は一旦力を貯める必要があると思われる。
4.1,2回分は直前までとっておくのがお勧め。できれば全科目によるシミュレーションに使いたい。
5.点数は必ず表にまとめ、できれば見えるところに貼っておく。
簡単に解説します。
1.第一志望は途中で挫折するということはないはずですから、古いものからやることのデメリットはほとんどないでしょう。逆にメリットは合格可能性判定の精度が近い年度になるほど上がることが考えられえます。
2.過去問をやることによって今の自分に足りないもの等を知り、普段の学習に生かせれば、それは理想的です。
メリットだけを言えば、過去問を通して今の自分の立ち位置を知ることは、受験においてはとても大切なことになります。
デメリットは、実力がかなり足りなかったために1回分の過去問を無駄に使ってしまった、なんてことにもなりかねないことです。
このデメリットも古いものをやることで、特に問題ないとみることができます。
3.過去問演習は意外なほど時間がかかるので、計画的に消化していく必要があります。ということはある程度スケジュールを決めておかなければ都合が悪いことになります。
しかし、実力不足の状態でほとんど白紙では過去問に取り組むこと自体に意味があまりなくなってしまうかもしれません。
ですから、そのラインを合格最低点の半分に設定し、そこに届かなければ一旦力を貯める勇気を持つことも必要です。
判断がつかない場合はやはり我々専門家に相談してほしいところです。
4.過去問演習の主な効果を3つ挙げます。
①難易度・出題傾向・出題形式等を知ることができる。
②事前に用意した対策等を試すことができる。
③合否判定の判断材料にすることができる。
そして、③の精度をより上げるには全教科を本番に近い形でやってみるのが一番です。直前にやればさらに精度があがりますね。
5.点数を表に書き込んでいくと、まだ済んでいないところが一目瞭然になります。少しずつ埋まることによってモチベーションが高まっていく受験生を何人も見てきました。
必ず表は作るようにしてください。そして、これをいつも目に入るようなところに置いておくことも大切で、意外なほど効果があります。
具体的には、途中で挫折することを防いだり、場合によっては得点アップの効果も期待できます。
いかがでしたでしょうか。ただ漠然と取り組むのではなく、上記のようなことをしっかり意識しながらやることで結果的に大差がつく可能性があります。
まずは、第二志望以下の学校で、練習してみてください。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題図形
難易度 ★★★★☆
〈図1〉の三角形ABCは∠C=90°、AB=20cm、BC=16cm、CA=12cmの直角三角形です。
〈図2〉は底面が正方形でその対角線が6cm、高さが11cmの正四角すいPです。
今、〈図3〉のように直角三角形ABCの頂点Aと正四角すいPの底面の対角線の交点Oが重なっています。
この状態から図の矢印の方向にSTとBCが平行な方向を保ちながら正四角すいPが、Oが三角形ABCの辺上を通るようにして1周し元の位置に戻ります。
(1)直角三角形ABCの内部で正四角すいPが通らない面積は何cmですか。
(2) 正四角すいPが通った範囲の体積は何cm3ですか。
解答が表示されます