VOL.211比を利用しよう(6)
比の問題の中で、基本とも言えるテクニックがあります。「比をそろえる」というやつです。
入試問題でも比をそろえるだけで解ける、点数を取らせてくれるかのような問題も結構多いです。
「麻布中」の問題をチェックしていたら、ほぼ比をそろえるだけで解ける問題を見つけました。
今回はその問題を紹介したいと思います。前々回取り上げた「水」の問題のひとつ前の問題、2015年の2です。
〈解説〉
未知数3つで手ごわそうです。ヒントが少ないように感じますが、「2桁の整数」ということから、意外とあっさり片付きます。
決め手は比をそろえることで、綺麗に決まります。
まずは線分図を描くのは定跡と言えましょう。
(条件1)
(条件2)
(条件1)の図と(条件2)の図で共通なのは2本の線分の「差」の部分です。
7-2=5
8-5=3
の「5」と「3」を最小公倍数の「15」に置けば、2組の線分図の比が揃います。それを踏まえ上と下の線分図を合体した線分図を描きます。
2×ウ=25―6
=19
ウ= 19 2
ア= 19 2 +6
= 31 2
イ= 31 2 +15
= 61 2
以上より、
アは「31の倍数」
イは「61の倍数」
ウは「19の倍数」
とわかります。
さらには、
ア:イ:ウ=31:61:19
です。
問題文にある通りア、イ、ウは「2桁の整数」なので、イは「61」に決まります。
よって
(答) ア=31,イ=61,ウ=19
※今回は説明の便宜上線分図を3組描きましたが、実際は最後の線分図が描ければ、それで大丈夫です。少し右に描いておいて、左に描き足すやり方ですね。
比をそろえれば終了という問題が「最難関校」と言われる本校で出題されていたのですが、全てが難問ではないということが再認識できましたね。麻布攻略のカギは、まずは普通の問題を正解することです。
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