VOL.146【入試問題を解いての感想】 -(3)渋谷教育学園幕張-
新型コロナの影響が大きくなってきました。
学校が休みということになると、受験対策にも当然変化が生じます。
この分だと夏休みに匹敵するまとまった休みが6年生に上がる前に取れることになります。
図らずも、喉から手が出るほど欲しかった基礎固めの時間が手に入ることになったのです。
やる人とやらない人がいるでしょうから、差が開くかもしれません。
今回の休みを利用して学習量を増やしたかったら、個別指導を利用するのが一番だと思うのです。
もちろん自宅での自習が中心ですが、それを効果的にサポートできるのはやはり個別指導ですよね。
何をやれば良いか、以下にお勧めを挙げておきます。
①苦手分野の克服
これまでに習ったところで、理解や定着が不十分なところを補強するとよいでしょう。
特に「分数」「割合」「速さ」「図形」といった躓きやすい分野はこの機会にしっかりと学習しておきたいところです。
②全体の復習
塾によってはすでにほとんどの分野を学習済だと思います。
今後は全体の底上げを図っていくわけですが、そのやり方として有効なのが全体の復習です。
何回も繰り返すことで定着率が上がり、これから学ぶ「応用問題」に対応しやすくなります。
③先取り
算数を得意にしており、得点源にしたいと考えているならば、なるべく早く「過去問」に取り掛かれるだけの実力を身に着けたいですね。
そのために「塾」のカリキュラムの先のことをやることも考えられます。
その際は指導者にみてもらう必要があるでしょう。
当然、①~③すべてをこなすことも考えられますし、①を徹底するのもよいでしょう。
この時期に一番大切なのは「基礎固め」なので、そのことを念頭に置いた学習を心がけてください。
さて、ここからは「入試問題を解いての感想」を書きたいと思います。
今回取り上げるのは「渋谷教育学園幕張」です。
今や首都圏の共学校の中では最難関といっても良い本校ですが、開校は1983年と、比較的新しい学校です。
算数の入試問題は昔から「難しめ」の問題を出してきました。
入試問題のレベルを高くキープしていたら、入学する生徒のレベルもそれに追いついて、遂に一番上まで上り詰めたという印象があります。
また、10年前と最近では傾向が多少異なり、以前の方が典型的な問題が多かったように思います。
今年は一体どんな問題だったのでしょうか。
正直、少しびっくりしました。
1と2が典型問題で3も平易な問題だったからです。
これでは6割からスタートのようなことになり、あまり差がつかない入試になったかな、と個人的に思ったのですが、合格者平均点はその6割に近い点数でした。
本校に合格するような受験生でも「難問」には歯が立たないのが今の受験界の姿なのかもしれません。
我々にとってはチャンスと思える状況ではありますが・・・
◎渋谷教育学園幕張
1「継子立て」でほとんどひねりがない問題。
これは「知っている」で片付けるしかないでしょう。
その場で考えなければならなかった受験生は相当大変だったと思います。
2の累乗がポイントになります。
2「連続する整数の和」であらわす問題
これも「知っている」で片付けなければ厳しい問題。
VOL.130で書いたことがそのまま当てはまる問題だったと思います。
このブログを読んでいてくれれば完答できたはずです。
3「水」+「グラフ」のよくある問題
一見複雑で難しそうですが、そうでもありません。
グラフの形からストーリーが見えたかどうか。
可能性がそんなに多くないので、ひとつに絞るのは楽だったはずです。
もしかしたらこの問題が合否を分ける問題になったのかもしれません。
ここまでの3題全て正解でほぼ合格者平均点ですから、少し拍子抜けではあります。
4平面図形「相似・面積比」がテーマの意欲作
本校の特徴がよくあらわれた問題。
(1)(2)が誘導になっているかどうか、微妙な問題でした。
(1)(2)は本校の受験生なら正解したい問題で、(3)も答だけ記入で、「もし書くならこれ」というのが実際に正解の数字なので、完答できても不思議ではない問題でした。
5立体図形 様々なパターンが現れ計算も厳しい問題
これは厳しい。
(1)と(2)①まではなんとかなっても、②はなかなか数字が合わなかったのではないでしょうか。
合格者最高点の94点を取った受験生は、この②ができなかった可能性が高いです。
ただ、私が解いていて楽しいのはこのような問題で、考え方自体は難しくありませんでした。
全体的な印象は、前半は取らせてくれていて後半勝負だったのですが、合格者の平均像は3まで全問正解というものだったのかもしれません。
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