VOL.130【受験お役立ち情報】 -「算数は暗記か?」

受験お役立ち情報


私は自分の記憶力にはあまり自信がありませんでした。
特に、丸暗記というものはからっきし駄目で、英語の単語や社会の年号を覚えるのは本当に苦痛でした。

半面、体験したことを映像のように記憶するのは得意で、未だに小学生の時に通っていた塾の授業風景を細かく思い出すことができます。
もちろん全て憶えているわけではなく断片的なものですが。

知人にも記憶の達人がいて、電話番号を片っ端から覚えてしまう人や、会話を全て再現できてしまう人など、驚かされることも多かったです。

得意な記憶の仕方というのは人それぞれで、それを生かせれば良いということにもっと早く気づけば違った人生を歩んでいたかもしれません。

今現在、私の記憶力を評価するならば、総合するとそんなに悪いというわけではない、と自分では思っています。

皆さんも自分の得意なスタイルを生かし、記憶をしっかりと固めてください。

さて、今回の【受験お役立ち情報】のテーマは「算数は暗記か?」です。

巷では色々言われているようで、結論も

①「暗記」

②「暗記ではない」

③「暗記も必要」

と様々です。正解があるかどうかわかりませんが、私なりの考え方をお伝えしたいと思います。

①「暗記」派の言い分

・「算数」はこれから学ぶ「数学」の基礎である。

・新しいことを発見するわけではなく基礎を学ぶのであるから、思考を巡らす必要はない。

・テストで出題されるのは公式・解法を知らなければ解けないものばかりだ。

・だから、公式・解法をきちんと暗記する必要がある。

・よって「算数」は暗記科目である。

②「暗記ではない」派の言い分

・「算数」は考える科目である。当然暗記よりも理解が大切。

・答や解法のテクニックに頼らず、どれだけチャレンジできたかで精神力に差がつく。
そしてこの差が本番の点数の差となる。

・難関校ほど思考力重視の問題を出す。

・よって「算数」は暗記科目ではなく「考える科目」である。

③「暗記も必要」派の言い分

・「算数」の本質は「考えること」にあるのは間違いないだろう。

・ただしこれが入試となると制限時間もあるので、点数を取るための「テクニック」も必要である。

・また、暗記を全て否定するには無理がある。そもそも「九九」は丸暗記だ。

・「考える力」をベースに、「考えるための素材」となりうるものは極力「暗記」しておく、これが最強の受験対策である。

どれも一理あるように思いますが、皆さんは①~③のどの考え方に賛成ですか?
このブログのスタンスは③に近いと思いますが、もし私個人が今受験生であるならば①の立場をとるかもしれません。

これについて少し説明します。

個人の資質や好みといったものは人それぞれです。
私の場合、「考える」ことが好きで、もともと「パズル」や「クイズ」が得意でした。
ですから、受験対策で一番必要なことは「暗記」ということになります。
ですから受験を成功に導きやすい考え方は①になるのです。

また、どの学校を受験するかによってとるべき立場も変わってくるでしょう。

毎年同じような問題が出題されるような学校では①が良いでしょうし、いわゆる「Bタイプ」の問題を出す学校に対しては②が良さそうです。

結局、①から③の考え方に絶対の正解があるわけではなく、本人のタイプや受験校によってとるべきスタンスが変わるとみてよいでしょう。
そして小学生の場合極端に走りやすいので、基本的には③の立場をとり、必要に応じてどちらかに寄せるというのが最も無難なのではないでしょうか。

そういった意味で、このブログではまず「記憶」、それを使って「考える」ということを繰り返し言ってきました。
ただし、「記憶」のところは「丸暗記」ではなく「理解を伴った記憶」でなければなりません、と主張してきましたので、②寄りの③ということになるでしょうか。

やはり私は「バランス」が大切だと思っています。

そしてこれからの時期は「暗記」の部分が受ける学校に対して足りているかどうかの判断が最も重要になるでしょう。ここが足りないと出題されたときのダメージが大き過ぎます。

例えば、「開成」の2018年の3番。
「連続する整数の和」がテーマでしたが、結論とも言える「1以外の奇数の約数に対応している」を知っていれば軽く完答できる問題でした。
逆にその場で1から考えていたら完答はまず無理だったのではないでしょうか。

難関校を受験するならば、このあたりのことまで知識にしておかなければならない良い例だったと思います。

また、これからの時期に記憶したことは試験当日に覚えている可能性が高いですから、記憶しておく価値が高いと言えます。
9月に入ってからの「今週の1題」もそのことを少し意識していて、オリジナリティーよりも類題が出題されたときの有利性を重視しています。

最後にまとめます。

・算数が暗記かどうかはわからないが、覚えなければならないことがあるのは確かである。

・これからの時期、覚えるべきことが頭に入っていなければまずそれを優先するべきであろう。

・最終的には本人の状態や志望校によって、何をどの程度まで記憶するかは変わってくるが、その判断が合否に多大な影響を与える可能性がある。

今まで「考える」ことをしっかりやってきて、最後の仕上げに重要なポイントを「暗記」というのは良い流れだと思います。
それに対して「暗記」に頼ってテストの点数を稼いできたが、それもそろそろ限界で、過去問にいたってはほとんど点数が取れていないというようなケースは、今が「脱暗記」のラストチャンスかもしれません。

皆さんが現状をしっかりと見極め、きちんと仕上げることができるよう、精一杯サポートしていきたいと思います。

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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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