VOL.139【合格へのシナリオ】 -「メンタルを強くする」-
来年は東京でオリンピックが開催されます。
前回は丁度私が生まれた年の開催だったので、当然何の記憶もありません。
では、とても楽しみにしているかと言うとそうでもなく、多分授業に追われオリンピックどころではないんだろうなぁ、と半ば諦めています。
なぜこのタイミングでオリンピックの話題を出したかというと、
「受験を乗り切り、思いっきりオリンピックを楽しみましょう」
ということと、
「オリンピックに出場するようなアスリートのメンタルの強さを学びたい」
という意味を込めました。
いつも感心するのは、日本の多くの選手が自己ベストを更新することです。
中にはプレッシャーに押しつぶされてしまうケースもありますが、近年は女子選手を中心としてメンタルの強さが目立っているように思います。
いったいどうすればメンタルが強くなるのか、わからないことも多いですが、何となく二つの系統に分かれているように思います。
一つが、普段は徹底的に厳しいトレーニングを課し、そこから解放されることによって力を発揮できるようなパターンです。
女子の団体競技で強い種目はこれなのかなと思います。
もう一つはとにかく試合を「楽しむ」というパターン。
昔は外国人の特権のようでしたが、今は日本人もそのような選手がでてきたように思います。
さて、これらを受験本番にどのように生かせばよいか、考えてみましょう。
まず、2つのパターンのうち、後ろの方の「楽しむ」というのはあまり前面に出さない方が無難だと思います。
算数的には面白い問題に出会い、時間がたつのも忘れ夢中で手を動かしていた、といったものが最高に「楽しんだ」状態だと思います。
なかなか意図することは難しいでしょう。
ただ、あまりにも硬いのもまずいので、少しリラックスするために「楽しもう」と自分に言い聞かせるのは効果的だと思います。
緊張をほぐすのに意識的に笑顔をつくるのも良いですね。
やはり本命は「徹底的なトレーニング」のほうです。
受験前日まで、オーバーワークにならない程度に勉強漬けの日々を送ってください。
効果は色々と考えられます。
やはり一番大きいのは「自信」がつくことでしょう。
そして
「これだけやったんだから悔いはない」
といった晴れやかな気持ちになれることもプラス材料です。
また、勉強漬けのメリットには余計なことを考えなくて済むということもあります。
「恐れ・不安」がストレスになって調子を崩す受験生もいますが、そんな余地がないというのは大きいです。
逆に言えば、直前に緩めるのは危険が大きいということです。
私も過去に、前哨戦で好成績をあげ、そこで緩んでしまい、転落してしまったという悲しい例を何回かみてきました。
一度緩めてしまうと、元に戻すのは本当に大変なので、絶対に油断しないでください。
体調管理に細心の注意を払い、勉強漬けの日々を送れたならば、学習面のみならずメンタル面でも良い状態に仕上がっているはずです。
そうなると、あとは当日だけです。
当日は思い切ってやるだけなので、あまり細かいことは考えない方が良いかもしれません。
普段通りやるというのが基本ですし、今までそのようなトレーニングをしてきたはずです。
どうしても不安があるような場合はまとめノートのようなものを会場まで持っていってもよいかもしれませんが、あまりジタバタしてもしょうがないので私はあまりお勧めしていません。
このあたりのことは人によって意見が分かれるので、何が最善なのかわかりませんが、意外と長丁場になるのが近年の受験なので、あまり消耗しないやり方を選択するのが無難だと思います。
できればこのブログのVOL.40とVOL.41に「直前対策」がありますので参考にしてください。
現6年生向けの内容はこれで終わりにさせていただきます。
今年度もお付き合いいただきまして、どうもありがとうございました。
受験生の皆さんが思う存分力を発揮できる様子を目に浮かべながら、筆を置きたいと思います。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題整数問題
難易度★★★★★
整数Nを「7、9、11、13、37」の5数でそれぞれ割ると、
どれも割り切れず、小数第百位の数字が5つとも同じになりました。
(1)7で割ると小数第百位の数字が5になるのはどのような整数ですか。
(2)Nとして考えられる整数の中で最も小さいものを求めてください。
解答が表示されます