VOL.131【合格へのシナリオ】 -受験生を本気にさせる

合格へのシナリオ平面図形立体図形

いよいよ受験直前期に入ってきました。

受験生の皆さんも本気モードに突入しているかと思います。

そして小学生が本当に伸びるのはまさにこれから。
大変身を遂げて志望校に合格した生徒さんを何人も見てきました。

今度は皆さんの番です。

最後まで諦めず全力を尽くしましょう。
それができれば結果にかかわらず満足感や自信を得ることができます。
そしてこれだけ頑張ったんだから結果は大きな問題ではないという精神状態になると、むしろ合格がついてくることが増えます。

このことは本人のみならず親御さんにも言えるので、試験当日は家族皆が笑顔で迎えられるように気持ちをもっていくことをお勧めします。

VOL.125で紹介した新井君とは、試験当日、最寄り駅から会場まで一緒に行きました。
その時ご両親もいたのですが、ピリピリした雰囲気など微塵もありませんでした。
本人も終始笑顔でしたし、ご両親もリラックスムードで、これから家族でどこかに遊びに行くかのようでした。

結果は見事合格。

逆にプレッシャーでガチガチの受験生も何人か見てきましたが、結果は芳しくないことがほとんどでした。

無理にヘラヘラしろとは言いませんが、やれることはやったんだという充実感から自然と笑みがこぼれるような状態が望ましいと思います。

さて、今回の合格へのシナリオは
「才能は抜群だがそれに胡坐をかいてあまり努力をしない」
という受験生を本気にさせるお話です。

糸原君(仮名)は誰もがその才能を認める優秀な生徒でした。

頭の回転の速さ、空間認識能力、発想の豊かさなど算数ができるようになる素養は十分でした。

ただ、よくあることなのですが、能力が高いゆえに地道な努力を嫌がるような面がいくらかあったようです。

別の講師が担当していたのですが、今ひとつ本気になれていないということで、私も少しお手伝いすることになりました。

担当してすぐに思ったのは「結果を出すのは大変かもしれない」ということでした。
良く言えばしっかりとした自分を持っているということになるのですが、人からのアドバイスを素直にきき入れて地道に努力をするといったことがどうにも苦手なようなのです。

別の先生から「大人の言うことは素直にききなさい」というようなことを言われていましたが、多分「言葉」では駄目で、行動で示すしかないように感じました。

私との授業では不思議とおとなしくしていました。
多分人をみていたのでしょうが、それもあまり良い傾向ではありません。
いよいよ、「世の中には上には上がいる。多少才能がある位では駄目で、しっかりと努力しなければならない」ということに気づいてもらわなければならないと決意しました。

そこで約50回の勝負をすることにしました。

やり方は簡単で、5分程度の小テストを競争して解くというものです。

ルールは

・よーいドンでスタート

・どちらかが解き終わったら一旦終了

・私が先に解き終わり、全問正解ならば私の勝ち
1問でも間違えていたら糸原君の勝ち

・糸原君が先に解き終わり、全問正解ならば糸原君の勝ち
間違えていればそれを直すまで勝負は延長

・私は基本的には暗算で答を出す
糸原君は自由

少し糸原君が有利な内容で行いました。

最初は糸原君も五分五分の勝負になると思っていたらしく、余裕がありましたが、「整数」「規則性」「場合の数」まで全敗を喫したあたりから目の色が変わってきました。

私の狙い通り、糸原君を「本気」にさせることに成功したのでもう緩めても良かったのですが、なぜか私の闘志にも火がついて、そのあとも「本気のバトル」は続きました。

どれぐらいのレベルの問題だったか、例を挙げます。

<例題1>
4桁の数で9倍すると数字の並びが逆になるものを求めよ。

<例題2>
身長が異なる人5人が左右1列に山型に並ぶような方法は何通りあるか。

この2題は難しい方ですが、大体10題程度を3分前後で解き切るということが続きました。

上の<例題1>は「灘1日目」、<例題2>は「武蔵」の過去問だったと思います。
答はそれぞれ

<答1> 1089

<答2> 14通り

です。

結局約50回の勝負のうち私が負けたのは2回でした。
当時は2度も負けてかなり悔しかったのですが、今冷静に考えてみればあの天才少年相手によく2敗で済んだものだと思います。

2敗は両方とも「平面図形」で、10問解くのに30秒前後だったと記憶しています。
そこまで瞬発力勝負になってしまうとオジサンには厳しいのですよ。
2回ともあと1問足りなかったです。

50回の勝負を終えた後は、信頼関係が強くなったことを感じました。
これで受験もうまくいくという手応えがありました。

結果は

栄光学園合格!

その後も50回勝負をやったことがありますが、糸原君ほど負けを心配をしたことはありません。

私と勝負したい受験生、いつでもかかってきなさい(笑)。
教室で待ってます!

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今週の1題図形

難易度★★★★☆

〈図1〉の直角三角形ABCと直角三角形ABDと三角形AGDは合同です。
また、点Eは頂点Dから辺ACに下した垂線と辺ACの交点で、
AC=28cm、BC=21cmです。

(1)〈図1〉のDEの長さを求めてください。

(2)三角形AGBを直線ACのまわりに1回転させたとき、三角形AGBが動いた範囲の体積を求めてください。
ただし、円周率は  22  7  とし、小数点以下を四捨五入して整数で答えてください。

クリックすると
解答が表示されます
<答>(1)26.88cm (2)66232cm
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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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