VOL.65速さ(5)

速さ


最近、物理や天体の動画を見たりして少し勉強しています。
中学受験の「理科」にも関係していますが、どちらかというと個人的な趣味です。
動画を見ることが果たして勉強になるのかという疑問もありますが、ほんの少し知識は増えました。
いろいろ見ていて思ったのは、動画のメリットの一つは、かなり難しいことにもとりあえず入っていけるということです。
科学の雑誌にあるイラストと同じような効果ですね。
不思議なことに、難しいこともわかってしまえば物足りなくなります。
そして、もっと難しいいものを見たくなるのです。
実際はきりがないので、適当なところでテーマを変えて楽しんでいます。

算数もこのように自分の意志で難しい問題にチャレンジできるようになると良いですね。
「今週の1題」があなたを待っています。
ぜひチャレンジしてみてください。

今回の相談者は久しぶりの登場のBさんです。
Bさんとはネット上のやりとりなので、どんな人なのかはわかっていません。

金田よろしくお願いします。

Bさんこちらこそ。
ところで「速さ」の問題はなんであんなに難しいのですか。

金田いきなり深刻な問題ですね。
「難しさ」にもいろいろあって、まずは、「その人にとっての難しさ」という観点があります。
同じ問題でもある人にとっては「簡単」である人にとっては「難しい」ということが起きるのが通常です。
ですからBさんにとって「速さ」が「難しい」のであるならば、Bさん自身が力をつければそれが解消される可能性が高いということです。あれ、
Bさんは受験生でしたっけ。

Bさんノーコメントでお願いします。

金田わかりました。
今は個人情報の管理には注意をはらわなければいけない時代ですからね。
ちなみに「名門会」では個人情報の管理は徹底しており、私も生徒さんの情報は必要最低限しか知りません。
Bさん個人ではなく一般的なお話をしていきましょう。

Bさんそれでお願いします。

金田「難しい」問題かどうかの判断を客観的にする方法は「正答率」をみることが一般的でしょう。
「正答率」が10%以下ならば「難問」と言って良いと思います。
ちなみにごく稀に0%という時がありますが、これはだれも正解できなかった問題なので、「やらなかった」のが得策になってしまいます。
あまり良い問題とは言えないかもしれません。
話を「速さ」に戻します。
Bさんの主張は、
『「速さ」の問題は比較的正答率の低い問題が多いのではないか。そうだとしたらその理由を知りたい』
ということでしょうか。

Bさんはい、そんな感じです。

金田統計を取ったことがないので「速さ」の問題の正答率が低いかどうかは正確にはわかりませんが、感覚的には「正答率」が低めということはあります。
その理由についてはVOL.43でも取り上げましたが
Ⅰ.速さの中でも「旅人算」、「流水算」などがあるように、範囲が広い。
Ⅱ.設定が複雑なことが多い。
Ⅲ.何をどう書いたら良いかすぐにはわからない。
Ⅳ.計算が面倒になることがある。
が考えられます。それぞれの対策についてはVOL.43を参考にしてください。
また、Ⅰ~Ⅳ以前の問題として「速さ」そのものがイメージしにくいということはVOL.51に書きました。
いくつか理由をあげましたが、Bさんにとってしっくりくるものはありましたか。

Bさんはい、「Ⅲ」がなるほどと思いました。

金田そうですか。
では今回は難問攻略がテーマでもあるので「グラフ」についてお話したいと思います。
まず「グラフ」を描く際注意しなければならないのは「位置」と「サイズ」です。
実際の試験は問題用紙の余白を使うケースが多いので、どこに描くかは大きな問題です。
後から付け足す可能性等も考慮して適切な位置に原点を持ってこなければいけません。
また「サイズ」も紙の範囲内に収まり、かつ見やすい大きさでなければなりません。
さらに必要な情報が書き込めるスペースがあることも大切です。
これらの判断を一瞬でおこなうにはそれなりの練習量が必要であることは言うまでもないでしょう。

Bさん結構大変なんですね。

金田確かにある程度の努力は必要です。
ただ、グラフを描くのが得意になると、解ける範囲が劇的にひろがりますよ。
グラフを描くのが良さそうなものを列記しておきます。
① 定期運行タイプ
② 登場人物が多い
③ 途中で休憩する・向きが変わる
④ 速さの範囲を求める
⑤ 流水算の複雑なもの
上に挙げたものは絶対ではありませんが、「グラフ」が助けになる確率はかなり高いと思います。
なるべく意識的に「グラフ」を描くようにしてみてください。

Bさんなんだかスッキリしました。今日はこれで失礼します。
ありがとうございました。

金田ぜひまた相談してください。
謎が深まってしまった・・・(独り言)

<ポイント>

  • 「速さ」は難しい問題が出る可能性が高いかもしれないが、対策をしっかりすることによって対応できる。
  • 難問攻略のカギは「グラフ」。日頃の練習が大切である。
  • なんでもかんでも「グラフ」では効率が悪い。
    「グラフ」が得策となるテーマはある程度決まっているので、そこを意識しておくと良い。

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今週の1題速さ

割合の問題はVOL.15VOL.30VOL.34VOL.43VOL.51にもあります。


難易度★★★☆☆

4地点A、B、C、Dがこの順番に1本の道路上にあります。
AとDは37km離れています。
AB間とCD間は平地ですが、BからCまでは上り坂になっています。
バスがAD間を16分間隔で往復しています。
始発はそれぞれ午前9時です。
Aから出た始発のバスは午前10時24分にDに到着し、同じくDから出た始発のバスは午前10時14分にAに到着します。
BとCには停留所があり、バスはそれぞれ2分間停車します。
バスの上り坂での速度は分速400m、下り坂での速度は分速600mで一定であり、平地での速度も一定であるものとして以下の問に答えてください。

(1)バスを16分間隔で運行するためには最低でも何台のバスが必要ですか。 またA、Dそれぞれの停車時間を求めてください。

(2)A、Dそれぞれを最終のバスが出発するのは午後5時です。 Aから出発したバスが1往復してAに戻ってくるまでに、反対方向から来たバスと18回すれ違いました。 このバスが出発した時刻として考えられるものを全て求めてください。

(3)AとDを同時に出発した2題のバスが、Aから17.2kmの所ですれ違いました。 AB間の距離を求めてください。

クリックすると
解答が表示されます
<解答>(1)11台 A:6分間 D:12分間
    (2)午前9時32分、午後2時52分 (3)10km
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プロフィール

プロフィール

執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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