VOL.63文章題
ネガティブな感情はポジティブな感情に比べて感染率が高いというようなことを聞いたことがあります。
このことに関しては何となく思い当たるふしがありまして、私も注意するようにしています。
前回も「プラスの声掛け」が大切と書きました。
それに加え、「マイナス」の感情は相手に大きなダメージを与えるということを知っておいたほうが良いでしょう。
言葉に出さなくても思うだけで相手に影響を与える可能性があるようなので、本当に注意が必要です。
さて、今回は以前お母さんが来てくれた双子のお兄さん、I君に登場してもらいます。
金田まずはお兄さんに来てもらいました。よろしくお願いします。
I君兄と言っても20分早く出てきただけです。今日は色々教えてください。
金田はい、任せてください。
ところで最近調子はどうですか。
I君この間の模試ではかなり成績がアップしました。算数に対する自信がわいてきました。
金田それは素晴らしい。
I君自身は良い点数が取れた原因は何だと考えますか。
I君春から全体の復習に取り組んできたのですが、それが固まってきたのが大きかったと思いま
す。
あと、当日は前半でミスが無かったのが良かったです。
金田どうやら基本が完成しつつあるようですね。ミスをしないのは実力の証です。
I君ありがとうございます。
金田今後気をつけることとしては、復習を継続することだと思います。
I君わかりました。復習は毎日欠かさずやろうと思います。
金田そうですね。その「毎日欠かさず」の姿勢が大切です。
頑張って取り組んでください。
I君はい、頑張ります。
金田I君は今の成績に満足していますか。
I君いいえ、志望校にはまだ足りない位なのでもっと成績を良くしたいです。
金田おお、その意気です。
では、さらに上を目指す際の課題は何だと思いますか。
I君文章題の問題文の読み取りに課題があると感じています。
金田もう少し具体的に何が課題なのか話してもらえますか。
I君ちょっと複雑になると問題文が何をいっているかわからないことが多いです。
そこで手が止まってしまい時間が不足するということがよくあります。
金田なるほど、複雑な問題に対して固まってしまうようなところがあるのですね。
I君は線分図などの図は描いていますか。
I君描けるときは描いてますが、そもそもよくわからない問題の時は図も描けないことがほとんどです。
金田そうですか。わかりました。
ここでひとつ質問です。I君はなぜ図を描くのですか。
I君それは問題を解くためです。
金田ではなぜ図を描くと問題が解けるのですか。
I君えっとー、図を描ければ問題を解くパターンに当てはめることができるからかなぁ。
金田たしかにそういうこともありますが、パターンから外れた問題に関しては当てはまりませ
ん。
私は、図を描く理由は「問題文が何を言っているのか認識するため」だと考えています。
私自身がそうなのですが、文章を見ただけではさっぱり頭に入ってこないのです。
それが線分図や表などに置き換えれば、解ける解けないは別として、少なくとも「何を言っているのか」はわかるようになります。
このことが文章題を解く上で最大のポイントだと思います。
文章のままだとまだスタートラインに立っていないのです。
図などに置き換えて自分のフィールドに引っ張り込んでからが勝負です。
I君なるほど、そういうことか。
金田ですから、最初は問題文に書いてあることを素直に図にすれば良いのです。
後の解き方を意識する必要はあまりないわけです。
描いたあとは自分の「算数の力」を発揮して、正解にたどりつけるよう頑張りましょう。
I君わかりました。早速帰って練習します。今日はありがとうございました。
―――I君は風のように去っていった。
金田もっと話すことあったんだけど…(独り言)
<ポイント>
- 復習の継続が実力アップの決め手。
- 文章題は典型問題以外は図等(線分図・面積図・表・グラフ・ベン図)を描く必要がある。
- これらを描く理由は問題文が何を言っているのかを認識するためであり、そこから先は自分の「算数の力」を頼りに解決すべきである。
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今週の1題和と差の問題
和と差の問題はVOL.13、VOL.19にもあります。
難易度★★★★☆
ある日、名門君は家族で回転寿司を食べに行きました。
名門君の家族は父、母、妹、本人の4人です。
お店の価格表は次のようになっていました。
白皿 | 100円 |
---|---|
赤皿 | 160円 |
青皿 | 230円 |
黒皿 | 320円 |
金皿 | 440円 |
また、このお店では5皿たまると1回くじが引けて景品が当たるサービスをやっていました。
以下のことがわかっています。
- 父は5種類の皿全てを食べた。
- 母は中トロ(黒皿)が好物なので、5皿食べた。
- みんなで一本穴子(金皿)を1皿ずつ食べた。
- 赤皿は4人とも同じ枚数だった。
- 白皿の枚数は他の3種類の皿の合計と等しかった。
- 終わり間近に皿を数えると父と母の合計は名門君と妹の合計の2倍だった。
あと2皿でもう1回くじが引けるので、名門君が2皿食べた。
その結果、父と妹の皿の合計と母と名門君の皿の合計が等しくなった。
また、母は名門君よりも多くの皿を食べた。 - 会計をすると1万円ちょうどだった。
※消費税については考えないものとします。
(1)名門君は何皿食べましたか。考えられるものの中で一番大きな数を答えてください。
(2)家族全員で青皿を何皿食べましたか。考えられるものをすべて答えてください。
解答が表示されます