VOL.19和差に関する問題
いよいよ夏休みです。
「夏を制するものが受験を制す」などといわれたりします。
夏が全てではありませんが、そこにチャンスがころがっているのは確かだと思います。
今まで順調にきていればそのペースを崩さずに、また、いまひとつ調子の波に乗れていなければ夏休みをきっかけに飛躍してもらえればと思います。
夏休みで特に重要なのは勉強時間の確保です。
量より質という話もよくききますが、それはその通りだと思います。
だらだらと長時間机の前に座っていても意味がありません。
私が言いたいのは「毎日質の高い時間をある程度確保しましょう」ということです。
では質の高い時間とは何でしょうか?
それはズバリ「自分に合った勉強」をする時間です。
自分に合っていれば集中力も増すでしょうし、やったことが無駄になることもありません。
大半の受験生にとってこの時期にやらなければいけないことは「復習」だと思います。
特に不得意分野の克服は急務でしょう。
夏休みを利用して計画的に復習し、不得意分野を無くしましょう。
今週のテーマは和差に関する問題です。
例によってワンポイント・アドバイスです。
平均 | 面積図を書くことが基本ですが、「 平均 = 総数 ÷ 個数 」を使うこともあります。上手に使い分けられるようにしましょう。 |
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つるかめ算 | 3段の場合は面積図が有力ですが、普通のつるかめ算では面積図は不要かもしれません。罰則付きつるかめ算は面積図が書きにくいです。問題を読んだだけではつるかめ算と見抜けないようなときは面積図を書くのも良いでしょう。 |
範囲を考える | ベン図は分類に適していて、線分図は簡易な上に動かしやすいというメリットがあります。なかには表がぴったりくる問題もあります。経験を積んで選択を誤らないようになりましょう。 |
2数の和 | 「 式をたてる ⇒ 奇偶に着目する ⇒ 文字をひとつずつ消去 」という流れになります。式ごと全部足すやり方はかなり有力です。 |
面積図で解く問題 | この分野の問題の中で、“○○算”という名前のついていないものは面積図が有力なことが多いです。まずは問題に書いてあることを自然なかたちであらわしてみましょう。面積図が完成すれば、解法の道筋が見えてきます。 |
文章題はやればできるようになると言われていますが、複雑な問題も多く、そんなに簡単ではありません。
パッと見ただけでは解けない問題は、問題文を良く読み、図、表などに置き換える必要があります。
この「置き換え」が重要で、これをすることによって「脳にスウィッチが入る」のではないかと私は考えています。
脳が働いてくれれば勝手に問題を解いてくれるので、とても楽です。
実はこの「勝手に問題を解いてくれる」という状態、これをつくり出すことが算数の極意です。
別の言い方をすれば「自分の脳の性能をフルに発揮できる状態」をつくり出すということです。
言葉で言うのは簡単ですが、この域に達するまでにはそれなりの修練が必要です。
その道は険しいかもしれませんが、目指す価値は十分にあります。
夏をきっかけにして「算数の極意」に挑戦してみませんか!
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題和差に関する問題
難易度★★★★☆
ある団体が夏休みを利用して水族館に行くことにしました。
この水族館の入場料は大人1人の大人券が670円、子供1人の子供券が330円です。
また、大人1人と子供1人で一組の親子券もあり、700円です。
ただし親子券は本当の親子でなければ使用することができません。
団体が1回目の予約を募ったところ多数の応募があり、入場券を前売りで購入しました。
本当の親子は親子券を買い、そこからもれた場合はそれぞれ大人券と子供券を買いました。
ところが、必要な大人券と子供券の枚数を逆にして買ってしまったため、親子券を買わずに人数分の大人券と子供券を買った場合の金額と同じだけかかってしまいました。
3種類の入場券の中に買わなかったものはなく、1回目に予約した人数は偶数でした。
(1)1回目の予約に応募したのは何人ですか。考えられる中で一番少ない人数を答えてください。
幸い、水族館に行くにはまだ日にちがあったので、2回目の予約を募りました。
実の親子を含め多数の応募があったため、誤って多く買った大人券も無駄にすることなく使い切ることができました。
後日、予約した人たちは全員水族館に行き、1人あたりの入場料の平均は425円になりました。
(2)2回目の予約に応募したのは何人ですか。考えられる中で一番少ない人数を答えてください。
解答が表示されます