VOL.49約束記号
そろそろ2月も終わりになりますが、私も何校か今年の入試問題を解きました。
今回は男子校(昨年末本ブログで取り上げた学校)について、私が感じたことを書きたいと思います。
まず目に付いたのは出題傾向の変化です。
大問数の変化はいくつかの学校でありました。
その中でもびっくりしたのは「開成」で、1番が小問集合(しかも7問)になり、難易度も下がりました。
学校側の狙いはわかりませんが、受験生はうまく対応できたようで、
合格者平均点が73.9/85点(86.9%)と久しぶりの高得点勝負となりました。
ここで学ばなければいけないのは、「出題の内容(大問数・解答の用紙のスタイル・難易度など)はふたをあけてみないとわからないので、柔軟に対応できるように準備しておく」ということでしょう。
もともと「開成」はばらつきの多い学校だったので、受験生にとっては想定内だったのかもしれません。
ちなみに大問3は「整数問題」だったのですが、基本的な問題でした。
ほぼ同内容・同レベルの問題を本ブログのVol.20「今週の復習3題」で取り上げていました。
夏休み時点での復習という位置づけなので完全に基本レベルですね。
やはりどこまで行っても基本が大切ということを痛感させられました。
※
ここで言う「基本レベル」というのはあくまで「開成志望者」を基準としたものであり、「 基本 = 簡単 」というわけではありません。受験算数における基本とは『志望校合格に必要な「知識」とそれを運用する「力」』であると私は考えています。受験勉強の当面の目標はこの「基本」の完成であり、「基本」が完成すれば実力的には「合格レベル」に近い所にいると思います。
次に解いていて「おやっ」と思ったのが、似た問題が別々の学校で出題されていたケース(麻布と駒場東邦・栄光学園と聖光学院)があったことです。
これはあくまで偶然なのでしょうが、場合によっては来年以降、他の学校で出題されるということも考えられますので要チェックだと思います。
後ろにある「今週の1題」はそれらと似た問題なのでチャレンジしてみてください。
続いて、「調べ上げる問題」に高い精度が要求されていることを感じました。
「調べ上げ」の問題の最高峰は「筑波大附駒場」という認識でしたが、他校でも同等の精度を要求しているように感じました。
このことは、入試問題は長い目で見れば難しくなっていることを示す例だと思います。
「栄光学園」の大問1のような問題で「1つ抜けてしまった」というようなことがないように普段からしっかり練習しておきたいですね。
ちなみに「栄光学園」は大問4もきちんと調べなければならず、当日の出来が勝負を分けたような気がします。
ちなみに私はその4番をグラフを書いて調べましたが、受験生の皆さんはどのように調べたのでしょうか。気になるところです。
最後に、問題文の長文化を挙げておきます。
今年は「灘2日目」で顕著でしたが、いわゆる男子トップ校では比較的問題文が長い傾向にあります。
そもそも何を言っているのかよくわからなかったり、長すぎてまともに読む気すら起きないと感じる受験生もいたかもしれません。
私も「駒場東邦」の大問2(3)は何回も読み直しました。
また、「灘2日目」は4問中2問が2ページに跨るという圧巻のボリュームでした。
ただ、その内容は非常に丁寧な誘導で、むしろ解きやすく感じました。
「長文はヒントが豊富」と前向きにとらえ、積極的に取り組むと良いと思います。
現5年生には「習うより慣れろ」の精神で、長文を克服してもらいたいですね。
以上、今年の入試問題を解いた私の感想(男子校編)でした。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題約束記号
難易度★★★★☆
3をA回かけ合わせた数の下3桁の数字で新たな整数を作り、それを
〈A〉
とあらわすことにします。例をあげると
〈1〉=3
〈3〉=27
〈5〉=243
〈7〉=187
〈10〉=49
となります。
また整数BとCの和の下3桁の数字で新たな整数を作り、それを 《B+C》 とあらわすことにします。
(1)
〈A〉=1となるAの中でもっとも小さいものを求めてください。
(2)
《〈B〉+〈C〉》の値が最大となるとき、その値はいくつですか。また、BとCがそれぞれ100以下の整数であるとき、その最大の値をとるBとCの組は何組ありますか。
解答が表示されます