VOL.47数の性質
前回まで「計算」と「書き出し」について書いてきました。
かなり重要なのでおさらいをしておきます。
◎計算
- 「計算」はできて当たり前。できないと「算数」が苦手科目になる可能性大。
- 「正確性」と「スピード」の両立が求められる。自分にとっての限界のスピードを把握しておくためにも毎日の計算練習は必須。
- 「正しいやり方」を身に着けていないと「練習」の大部分が無駄になってしまう。なるべく早い時期に「正しいやり方」を習得しなければならない。
- 「正しいやり方」を習う機会が意外と少ない。指導者から個別に教わるのが最も効率が良いと思われる。
◎書き出し
- 「算数」の問題には「書き出す」だけで正解できるものも少なくない。また、その場で調べるタイプの問題はまず「書き出す」ことが重要。
- 「書き出す」際は見やすく、わかりやすく書くようにする。フリーハンドが基本。
- 「書き出し」のコツはスペースを上手に使うこと。縦と横を有効に活用できるように。
- できれば本番と同じ「白紙」に書く練習をするのが良い。
以上「算数」の根幹に関わる部分なので、対策は念入りにしたほうが良いと思います。
今回は「数の性質」について取り上げます。
「数の性質」は難問が出題されやすい分野です。
入試で差がつきやすい分野と言えるでしょう。
ただし、「知識」である程度カバーできるので、やればやるほどできるようになる可能性があります。
「数の性質」で学ぶ内容は「約数」「倍数」「素因数分解」などです。
今の時期に重要なのは「素因数分解」の結果と「数の構造」を結びつけることです。
そこが理解できれば、「約数」と「倍数」がなぜ「すだれ算」で求めることができるかわかるでしょう。
ワンポイントアドバイスです。
約数 | 書き出す際はペアにしましょう。 「約数の個数」は計算で求められるようにしておきます。 さらに「約数の総和」も計算で求めることができます。 「商」と「あまり」の問題は、「あまり」を除けば「商」は「約数」になります。 「公約数は最大公約数の約数」はかなり重要です。 |
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倍数 | 当たり前ですが、倍数は無限にあります。 範囲が決まれば個数を求めることができますが、1ずれないように注意しましょう。 「倍数」の書き出しは「表」のイメージがあると良いですね。 「公倍数は最小公倍数の倍数」です。 |
素因数分解 | 「素数」とは何かがわかっていないといけません。 素数とは1より大きい自然数で、正の約数が 1 と自分自身のみであるもののことです(「自然数 」と「正」という言葉は小学生では習いませんが、無視しても大丈夫です)。 100以下の素数は25個ありますが、しっかり頭に入れておきましょう。 ちなみに明白な規則性はありませんが、2桁以上の素数は「6の倍数±1」になっています(120までならば、「6の倍数±1」を7の倍数かどうかチェックすれば素数かどうか判断できます)。 「整数」を「素数の積」であらわす」ことによって、その「整数」の構造が見えてくると思います。 |
「数の性質」はある程度「知識」にしておかないとその場での対処は厳しいかもしれません。
基本からしっかり学習しておきましょう。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題数の性質
難易度★★★★☆
A君とB君が次のようなゲームをしました。
〈ルール〉
0が使われていない3桁の数字「111~999」がひとつずつ書かれたカード729枚が裏返してあり、この中から1枚を引き、以下の計算方法で得点を決める。
・カードに書かれた各位の数字をかけ、そこから1を引いたものが素数かどうかを調べる。
・素数ならばその数字が得点となり、素数でなければ0点となる。
例えばカードに書かれた数字が「569」ならば
5×6×9-1=269
269は素数なので得点は269点となります。
また「567」ならば
5×6×7-1=209
209=11×19
素数ではないので得点は0点です。
A君が先にカードを引き素数ができたので点数が入りました。
次にB君がカードを引くと素数ができず0点でした。
2回目にA君がカードを引くとまた素数ができ、点数が入りました。
B君も素数ができて、結局1回目と2回目の点数の合計は二人とも同じになりました。
また、2回目に引いたカードの各位の数字はA君とB君合わせて6個ありますが、その全てが異なる数字だったといいます。
(1)
このゲームの1回での最高得点は何点ですか。
(2)
B君が2回目に引いたカードに書かれた数字は平方数でした。その数字はいくつですか。
解答が表示されます