VOL.46書き出し
前々回、前回と「計算」について書きましたがいかがでしたでしょうか。
「計算」の重要性をわかっていただけましたか。
「計算」に不安がある場合は早めに手を打つことをおすすめします。
今回は「書き出し」について考えてみたいと思います。
主に「規則性」や「場合の数」の分野の問題を解く際に「書き出し」が行われます。
ただ書くだけなので軽視されがちですが、実力最上位の受験生はまず間違いなく「書き出し」がしっかりしています。
首都圏最難関男子校の筑駒の入試においても、書き出しが重要であることは以前述べました。
また、あまり算数が得意でない層の受験生も書き出しを駆使して点数を稼ぐケースが見られます。
「規則性」は勿論のこと、「年齢算」や「つるかめ算」等も全て書き出して解いてしまうのです。
本来はこのやり方ではすぐに限界がきてしまうので、あまりおすすめできませんが、現時点で点数を稼ぐ方法としては有力かもしれません。
「書き出し」は点数を増やす武器としてかなり有力なのは間違いありません。
今のうちにしっかりと基本を押さえておきましょう。
<基本1> 普段の勉強をなるべく本番と同じ環境にする
試験本番は紙に鉛筆で書くのですが、その用紙と筆記用具は普段から本番に近いものにしておくのが良いでしょう。
ノートには掛線や方眼が入っているので、「書き出し」の練習という観点からは少しぬるい気がします。
まっすぐ書いたり、等分したりするのは意外と難しいものです。
できれば「ガイド」がない状態でも見やすく書けるようにしたいですね。
ただし、レベルが低いうちは方眼等の助けを借りてコツをつかむ必要があります。
実際の試験は学校により異なりますがA4サイズの白紙が片側にあるというケースが多いので、A4白紙に書く練習は効果的だと思います。
「書き出し」の場合どのような大きさで用紙のどこに書くかが重要なので、ノートよりも白紙で練習したいのです。
また、筆記用具を何にするかという問題もあります。
おすすめは鉛筆ですが、鉛筆で長時間書いていると指が痛くなってしまうこともあるので、ラバー等で保護しておくのがよいかもしれません。
また、色は濃いほうが良いので2Bよりも濃いものにしてください。
<基本2> 定規は使わない
「フリーハンド」が基本です。
表を作成する場合でも定規は使いません。
図形やグラフを書く時も同様で、極力「フリーハンド」でいけるようにしてください。
定規を使わずに書くこと自体が「脳」を鍛えることになります。
1年の積み重ねが大きな差になります。
それと<基本1>とも関連しますが、定規を使える学校と使えない学校があるので、定規を使わなくても書けるようにしておく必要があるのです。
<基本3> 縦と横を使い分ける
書き出しは基本的に「横書き」ですが、「縦書き」にすることもあります。
途中で改行して縦横を利用するケースもあります。
これらの選択を誤らないように指導者にアドバイスをもらうと良いでしょう。
目安となるのは「見やすさ」、「わかりやすさ」です。
<基本4> 見やすく、しかも手早く書く
見やすく書くにはある程度の丁寧さが必要なので、スピードが鈍ってしまう可能性があります。
この相反するテーマを両立させるためには、沢山の量をこなす必要があるでしょう。
このテーマは「計算」にも当てはまりますが、練習量をこなし「スピード」を意識しなくても良い状態にまで持っていくようにしてください。
以上、「書き出しの基本」について書きました。
私もそうだったのですが、小学生の場合、狭いところにごちゃごちゃと書く癖があったりします。
「スペースをいかに利用するか」ということが大切なので、適正サイズで見やすく書くことを第一に考えるようにして、練習を積み重ねてください。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題数列
難易度★★★☆☆
次のような数列があるとき、以下の問に答えてください。
1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377,・・・
(1)
この数列の25番目の数を9で割ったときのあまりはいくつですか。
(2)
この数列の1番目から2018番目までの整数の全てを、その数を9で割ったときのあまりに置き換えます。置き換えた後の1番目から2018番目までの和はいくつですか。
解答が表示されます