VOL.333【指導方針】 ― 諦めずに頑張る ―

指導方針限界突破


先日、容器に入れていた粉をひっくり返しました。実はひっくり返したのは3回目で、結局置く場所を変えることにしました。

もともと20%ほど飛び出ていたのですが、まさか落とすことは無いだろうと高をくくっていました。最初は偶然手が当たってしまい、次は何かを引っ張ったときに巻き込まれて落としました。偶然はもう無いだろう、この位置がベストなんだと言い聞かせそのままにしておきましたが、翌日またやってしまい(何で落ちたのかは記憶がございません)、無念の位置変更となりました。

このことを冷静になった後に振り返ると、算数の「ミス」に似ていると思いました。
ミスが無くならない受験生は、私と同じように『もう次は大丈夫だろう』と思い込んでしまうのだと思います。とは言え私は3回で位置を変えました。
受験生はもっと大切な局面に立っているのですから、本当ならば1回のミスで改善し、次から必ず正解するという意識を持って欲しいのです。そしてミスは何回もあるはずですから、それを反省し改善するチャンスはいくらでもあるはずです。

実際は、懲りない人は何度ミスしても次はこんなことはないというイメージだけで、結局同じことを繰り返すことが多いように感じます。

もっとも悲観的で自己評価が低いとなかなか算数はできるようにならないことが多い気がします。楽観的でチャレンジ精神旺盛なタイプが算数には向いているのは確かだと思います。その楽観派に有りがちな弱点が上記のミスを反省しないという部分であり、それを差し引いても悲観派よりも楽観派に分が良いのが算数という科目です。

悲観派が厳しくなる理由は前々回に取り上げた自分自身に壁を設けてしまって伸びを欠いてしまう話で説明がつくでしょう。そうなってしまうと再生には金田のような人物が必要というお話もしました。
楽観派か悲観派かの違いで、算数ができるようになるための方法がかなり異なってくるのですね。
どちらにしても入試本番まで大切なのは努力を惜しまない事です。
目標を定めてそれに向けて淡々とやっていき、ラストスパートで全力を出し切る、これをやって欲しいのです。

そこで思い出すのは、昔先輩に言われた「限界なんて無い」という言葉です。

当時の私は「限界なんてあるに決まっている。無茶言わないで欲しい。」と逃げていました。ところが世の中は限界と言われていたものが続々と突破され、それがまだまだ続いています。
昔100m走のタイムの限界は9秒90と言われていました。
現在の世界記録は9秒58。
昔競泳100m自由形のタイムの限界は50秒と言われていました。
現在の世界記録は46秒80。
その当時、限界と言われていた壁はあっさりと突破されていますね。

限界突破という言葉も近年では頻繁に使われるようになり、主に「諦めずに頑張る」といった強い意志を実現するための挑戦を意味するようです。受験にピッタリな良い言葉ですね。
算数に関しては自分が勝手にイメージしている限界を越えれば良いのですから、突破に現実味があります。限界突破に関しては『突破した時点でそれは限界じゃ無かったのだからおかしい』、といった意見もあるようですが、過去のある時点で限界と思われていたこととすれば、不自然な感じはありません。
受験勉強を通じてどんどん「限界突破」していきましょう。

少し限界突破の具体例を考えてみます。

1.スピードの限界突破
反復練習で確実にスピードは上がりますから、挑戦初期は面白いように突破できるでしょう。そしてスピードアップの方法が計算の工夫や知識の充実あるいは解法の選択といった技術的なものに移行していき、ゆったりと解くのに結果的に速いところまでいけば、限界突破もひと段落と言えるでしょう。

2.記憶量の限界突破
覚えている事柄の量を増やす話ですからこれもそんなに難しい話ではありません。受験生の皆さんはまだまだ記憶の容量に余裕がありますから、毎日のように限界突破が可能でしょう。新たに記憶することも大切ですが、それをキープすることがもっと大切なので、思い出す回数を増やすようにして記憶の定着に務めましょう。

3.難問攻略の限界突破
これはそれなりに困難を伴います。難問を自分で解き切る必要があるからです。
難問を解くための前提となるものは「計算力」「知識の充実」「本質の理解」等ですから、まずはそれらの限界突破を実現し、自分の頭で考えることができる体制作りを急ぎましょう。
きちんと取り組めば、見たことがない難問を自力で解くことが可能となり、正解するごとに限界突破が実現します。

いくつか見てきましたが、大切なのは「やってやる」という強い意志と、それを実現する行動力です。当然自分自身に壁を設けてはいけませんし、無理をし過ぎて体調を崩すのもいけません。
日々、前の日の自分を越えるというイメージを持ち淡々と取り組むのが良さそうです。

受験の準備はまだまだ続きますから、焦らずじっくり取り組んでいきましょう。

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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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