VOL.331【指導方針】―脱エレファントシンドローム―
最近ある講演を聞く機会がありました。
そこではリーダーとして、どのように振る舞えば良いかという話をしていました。色々な例え話を交え、分かりやすく説明してくれたのですんなり頭に入ってきました。私は「指導に活かす」という観点で聞いていたのですが、色々と参考になりました。
今回はその時聞いた話を皆さんにもお伝えしたいと思います。
まずはサーカスの象の話から。
サーカスの象は鎖で繋がれています。鎖の先は小さな杭なので、象の力があれば簡単に抜いて逃げることも可能なようですが、象は決して逃げることはないと言います。実は小象のまだ力もあまり無いときに杭に繋がれると、逃げたくても逃げられないのです。そして、そのような体験をした象はすっかリ諦めてしまい、大人になってからも逃げることを放棄してしまうのだそうです。
このようなことを「エレファントシンドローム」と呼ぶそうです。
人間の子どもにもそのまま当てはまる話かもしれませんね。
あまりこういうことは言いたくないのですが、通塾の危険性を示唆しているように感じました。成績が良好なら良いのですが、不本意な点数を取り続けていると、自分自身で限界を作ってしまうのでは…
また、気を引き締めて欲しいという意味で「あなたは才能が無いんだから人一倍努力しなきゃ駄目」といった叱咤激励も、危ういかもしれません。この話を聞き、生徒さんが自分自身で限界を設けてしまうようにはならないように、注意をしなければならないと強く感じました。
次にノミの話をします。
これも象の話と似ています。類似したものにカマスの話というものもあるようです。
ノミの体長は2〜2.5mmほどだそうです。そのジャンプ力は驚異的で最大で垂直方向に20cm跳ぶことができます。同じ割合だと人間が100m以上跳び上がることになります。本当に凄いですね。
そのノミをコップの中に入れてフタをするとどうなるでしょうか?
飛び跳ねるとフタに当たってしまい、それを繰り返しているうちにフタを開けてもコップの高さを越えられなくなるそうです。
ここまでの話は象の話と同じですね。人間も過去の経験や自分の思い込みで行動することを諦めてしまうという例え話です。
ノミの話には「つづき」があります。
実は跳べなくなったノミを再生することが可能です。
どうすれば良いかというと、跳べるノミと一緒にすれば良いそうです。そうするとまた元のように跳べるノミに戻るとのこと!
これは勉強も同じなのではないでしょうか。すぐ隣で問題をドンドン解く人間がいればなんとなく自分も解けるような気になるということです。
このことは思い当たるフシがありまして、私が目の前で問題を解いてみせることによって、生徒さんがどんどんできるようになる事が過去に何度もありました。教えるというよりも、「私が解けるんだから君も解けるよね」というようなメッセージを投げかける、そんなイメージです。
そのために私が心掛けているのは、その場で頭をフル回転させることです。そのような姿勢は生徒さんにも伝わりますから、大抵は良い方向に進んでいきます。これからも生徒さんの良き見本となれるよう、頑張っていきたいと思います。
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