VOL.3191問全力解析 2024年度 麻布中学校
今回の1問全力解析は麻布中2024年5をとりあげます。
まずは問題を見ていただきましょう。
基本テーマ
①周回運動の基本
②18回目の出会い→2人合せて何周しているか
③B君が何周したかを考える(可能性)
④整数での絞り込み
⑤道のり・速さ・時間の関係
この問題では以上のような基本テーマが潜んでいると考えられます。ひとつずつ見ていきます。
①周回運動の基本
反対方向に進めば1周の出会いを延々と繰り返すことになります。本問はまずそこのイメージ作りが大切だったと思います。
②18回目の出会い→2人合せて何周しているか
18回目にすれ違うということは、18回の出会いがあったということです。①で書いたように1回の出会いは1周分(本問の場合は1km)を2人で進むわけですから、18回目の出会いまでに2人で18周分(18km)進んでいます。
この発想があれば(2)まで、かなりスムーズにいけたのではないでしょうか。
③B君が何周したかを考える(可能性)
(2)ではA君のことについて尋ねているのですが、ポイントはまずB君を決めることでした。意外と可能性が狭かったので、解答欄は余り気味となりました。
④整数での絞り込み
設定が巧みなので、上の③のB君の道のりは不等式の範囲の中の整数に決まるということが、少し見えにくかったかもしれません。
本校の場合、整数という条件から絞り込めるという仕掛けは頻出なので、しっかりと味わっておきましょう。
⑤道のり・速さ・時間の関係
本問は最後まで速さは不明のままです。
ただ、「比」が与えられているので、あまり気にしなくてもよかったでしょう。速さの比は同じ時間で進む道のりの比に等しいので、その感覚があればそんなに苦労しなかったと思います。
以上を踏まえて問題を解いてみましょう。
〈解説〉
(1)2人合せて18周(18km)進んでいますから比例配分でよいでしょう。
18× 9 9+4 =12 6 13 (km)…(答)
(2)①
(1)の時B君が進んだ道のりは18-12 6 13 =5 7 13 (km)
A君が最初から2倍だとB君が進んだ道のりは18× 4 9×2+4 =3 3 11 (km)
P地点ですれ違ったことを考慮するとB君が進んだ道のりは5周か4周とわかります。よってA君が進んだ道のりは
18-5=13(周)…(答)
18-4=14(周)…(答)
②
ⅰ)B君が5周→A君が13km進む
B君が5周する間、Aくんがずっと最初の速度のままだと5× 9 4 = 45 4 (km)進むので、後13- 45 4 = 7 4 (km)多く進まなければなりません。速さが倍になれば距離も倍なので 45 4 kmのうちの 7 4 kmを倍の速さにすればA君は13km進むことができます。
よって
45 4 - 7 4 =9.5(km)…(答)
ⅱ)B君が4周 → Aくんが14km進む
ⅰ)と同様に考えて4× 9 4 =9(km)
14-9=5(km)
9-5=4(km)…(答)
いかがでしたでしょうか。
分かってしまえば意外とあっさり答えが出たと思いますが、皆さんはどうでしたか?
麻布では差がつきそうな速さの問題が出ることが多いので、できれば正解する側に回ってほしいです。
麻布を志望するのであれば、日ごろからそのような意識で取り組むことが求められるでしょう。
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