VOL.3161問全力解析 2024年度 筑波大学附属駒場中学校
今回の1問全力解析は2024年筑波大附属駒場1です。
まずは問題を見てください。
基本テーマから見ていきましょう。
基本テーマ
①問題文の読み取り
②「対応」を見抜く
③どのような制約があるか
④後ろからたどる
⑤書き出し
この問題では以上のような基本テーマが潜んでいると考えられます。ひとつずつ見ていきます。
①問題文の読み取り
A、B、C、Dと文字が出てきますが、特に問題はないでしょう。ユークリッドの互除法に似ているようにも思いますが、今回はあまり関係ありませんでした。37→17→7と割る数が変化する(20ずつ小さくなっている)ことがどのような影響を与えるかに注目するところでしょう。
②「対応」を見抜く
(1)でB、C、Dが与えられ、最小のAも教えてくれています。「2番目に小さいものを見つけてね」というのが出題者の問いかけですから、それに応えてまずはやってみましょう。
ところが、Bが決まればCも決まり、Dも決まるので、ヒントが多すぎます。そしてBが決まってもAは1つには決まらないということを問題が示しています。
商が複数考えられるのでこうなる訳です。商が「0」から「1」になるとAがどうなるかはもうわかりますね。
※数学で習うのですがこのような対応を「多対一」と言います。
③どのような制約があるか
この問題の肝がここです。B~Dは「余り」なので「割る数」よりも小さくなければなりません。
Aはそういった制限はありませんが、(2)、(3)では2024以下という範囲が設定されています。
④後ろからたどる
ここまで来ると、後ろからたどるのは当然と言ってよいでしょう。
その際気をつけなければならないのは(2)と(3)の違いです。
(3)は「同じ」がダメな訳です。
⑤書き出し
本質が見抜けていれば、いちいち書き出さなくても良いことがありますが、本問の場合はきちんと書き出した方が良いでしょう。
③の制約がチョコチョコと顔を出すので、書かないと危険です。
その際、いつものように樹形図がお勧めとなります。
ただし、Aは具体的に書くのではなく個数を求めるのが良く、事前に計算しておくとスッキリ答が出ました。
以上を踏まえて問題を解いてみましょう。
(1)最小は商が「0」の時です。2番目に小さいのは商が「1」の時ですから37増えます。
26+37=63・・・(答)
(2)Bが決まるとAの個数が決まります。
2024÷37=54あまり26
なので、Bが0~26ならAは55個、27~33なら54個です。
樹形図で後ろから書き出します。
その際、Aだけは個数を書いておきます。
また、Bは37未満、Cは17未満、Dは7未満であることに注意しましょう。
以上より求める個数は
55×7-2=385-2=383(個)・・・(答)
(3)B、C、Dがすべて異なることに注意して、(2)と同じ要領で書き出します。
以上より求める個数は
54×10+3=543(個)・・・(答)
いかがでしたでしょうか。
制約がそこそこ多いので、間違えた受験生もいたと思います。
差がついた可能性もあったでしょう。
きちんとした書き出しが要求された問題だったと思います。
普段から絶対に間違えないという強い気持ちで、正解力を養いましょう。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題場合の数
難易度★★☆☆☆
次のような約束で計算を行うことにします。
[A]③=A×A×A
[B]⑤=B×B×B×B×B
例えば[2]②は2×2=4、[3]④は3×3×3×3=81です。
いま
[1250]⑩×[168]⑧×[[2]④×[3]②]⑥ …(あ)
について考えます。
(1)(あ)を計算しその結果を一の位からみると連続して何個0が並びますか。
(2)(あ)を一の位からみていった時、最初に現れる0以外の数字はいくつですか。
解答が表示されます