VOL.303お勧めの限界速度で解く練習法!
前回と前々回に書いたことはかなり重要です。
あのやり方をマスターすると、得点力が劇的にアップするので、偏差値のギャップが10以上あった逆転合格も何度も見てきました。
ただし、成功するための条件も存在します。
その中で特に重要なのは「スピード」です。
これが無ければ「半分の時間で半分正解」が無理筋となってしまいます。
「スピード」というと速く走るようなイメージを抱くかと思いますが、受験算数においては「時間の短縮」に置き換えてもらった方がよいかもしれません。
小学生がとにかく速く解こうとして頑張っても危なっかしいだけで、成果はほとんど出ないかもしれません。
実はほとんどの受験生が空白の時間を作ってしまっています。
これを無くせば時間不足は考えにくいのです。
「時間の短縮」では、無駄な時間を無くすことが最も効果的なので、急ぐことは厳禁となります。なぜならば、急いでミスをしてしまうとそのリカバーに時間が必要となり本末転倒となってしまうからです。
「スピード」を上げる前提として、「まずミスをしない」ということになるのです。
そのためにはミスをしないような速度を自覚する必要があります。
これは普段の学習でギリギリの速度で攻める必要があるでしょう。
1日1回はミスを承知で速度を上げる練習をしてみてください。
その後適正速度に落とした時の安定度が増すと思います。
今回は、お勧めの限界速度で解く練習法を紹介します。
使うのは過去問です。
色々な学校が収録されているタイプのものを使うとよいでしょう。
解くのは自分の志望校と比べて明らかに難易度が低いと思われる学校が良いでしょう。
女子校は数が多いので、これらの学校を解けば十分な回数をこなせます。
基本的にはわからない問題は無いはずなので前から順番に解いていきます。
もちろん、少しでも引っかかりそうな問題に出くわしたら、即飛ばします。
因みに以前この練習を授業でやっていたときは、制限時間は10分でやっていました。
正規の制限時間が40分というものが多かったですが、10分で打ち切ります。
難関校を目指す受験生は10分でも8割~9割得点することが多かったです。
もちろん、この時間で解く場合は途中式等を丁寧に書くことはできませんから、メモや暗算を駆使して、とにかく素早く答を出します。
実は私も良くこのトレーニングをやっていました。
10分だとやや厳しいのですが15分あれば大抵満点が取れていました。
(千葉のトップ校で15分で満点を達成したことは秘密です。)
スピード養成のはずが、算数の実力そのものもが上がる可能性がある、非常に優れたトレーニングだと思います。
デメリットの話も少ししておきます。
やはり、どの問題をやるのかの判断が難しいということはあるでしょう。
基本的には指導者に選んでもらうのが無難です。
ただ、女子校は無理のない良質な問題が多いので、解いて損はない可能性が高いです。
できれば偏差値表の下のほうから選んでもらいたいと思います。
また、問題集によっては解説が無いことがあるので、解説が欲しいときは指導者に頼る必要があるかもしれません。
もちろん、解説があるものを選べば特に大きな問題はありません。
※赤本等の解説はあまりお勧めできませんが、できて当然のような問題の場合は正解することで終わりにしても良いので、解説はおまけのような存在でしょう。
時間もそれほどかかりませんから、デメリットが少ないやり方と言えるかと思います。
この練習には発展バージョンがありまして、それはある程度量をこなしたら(スピードが十分となったら)難易度を少しずつ上げていくというものです。
難易度が上がれば制限時間もその分延長します。
それでも20分位に抑えたいですが…
最初の頃は「スピード」に特化した練習なのですが、難易度が上がれば算数の総合力の育成が可能となります。
特に解答順や取捨選択の力を付けないと点数がまとまらないですから、試験特有の技術を磨くのに適しています。
このやり方の実例はVOL.125にあるので参照してください。
ポイントは、始めは女子校の易しめの問題から始めたということです。
ここが非常に重要だと考えています。
十分に「スピード」を養成した後、総合力を身につけていけば実戦に強い体質が身につく可能性が高いです。
時間が不足して困っていたり、偏差値的に厳しいと感じている受験生の場合特にこのやり方を試してみる価値が高いと思います。
夢の第一志望合格に向けて一緒に頑張っていきましょう。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。