VOL.290夏が終わるまでに基礎を固めて欲しい

時計算受験お役立ち情報

以前は本と言えば紙だったわけですが、最近はWeb上で読むことも多くなりました。

本来は紙で読むべきだと思いますし、勉強の際は紙の本を読み紙の上に書くことが絶対だと思っています。
理由はここでは触れませんが、このことに関しては多くの方に賛成してもらえると思います。
ちなみに、現在広く取り入れられているタブレットでの学習は一定数の落伍者を生み出すのではないかと危惧しています。

さて、Web上で文章を読むことにはメリットもあります。
その1つに検索がその場でできることが挙げられるでしょう。
わからない言葉が出てきた場合など、すぐ調べることができます。

先日も学習について色々と文章を読んでいたら「巨人の肩の上に立つ」という言葉を見つけました。
直感的にこれは中学受験にも通じると思い、少し調べてみました。
初出はかなり古く12世紀ということです。
さらに、1676年にアイザック・ニュートンがロバート・フックに宛てた書簡で用いた「私がかなたを見渡せたのだとしたら、それは巨人の肩の上に立っていたからです。 」という一節を通してよく知られるようになりました。

さて、この言葉の意味ですが、簡単に言えば「先人の積み重ねた発見の上に、新しい仕事をすること」 です。
この言葉は、学術分野、特に科学技術の分野で良く使われます。
科学技術の分野では「自分の業績は誰かの業績の上に成り立っていて、自分の成し遂げた事が、次の世代の礎になる」という考え方に繋がります。

では、中学受験算数ではどうでしょうか。
以下私なりに捉えてみることにします。
まずは巨人の肩の所まで登っていく努力が必要だという解釈が可能だと思います。
日々の努力が必要だという事ですね。

次に、肩の上に乗ってしまえばそれまでとは全く視界が異なり、地平線まで見渡すことができる、ということです。
頑張って、壁を乗り越えればレベルが上がり、一気に視界が広がるというイメージでしょうか。

ここで大切なのは「自ら巨人になる」訳ではないということです。
巨人の肩まで登る努力で巨人になったのと同じ効果を得る、このことがポイントです。

「つるかめ算」を例に少し考えてみましょう。

「つるかめ算」は模試の正答率を見る限り、基本的な問題ならばほとんどの受験生が正解します。
なぜ皆が正解できるのでしょうか?
それは解法が身についているからです。
ではその解法を自ら編み出しているのでしょうか?

答は多分NOでしょう。

私が小学生の時「つるかめ算」の解説を聞いた時の感動は今でも覚えています。
「もし全部鶴だったら」
この発想が思いつけません。
何の学習もしていない、素の状態の小学生も同様に自力で思いつくことはほぼ無理でしょう。

さらに、「現実との差は?」「鶴1輪羽と亀1匹を入れ替えたら足が2本増える」という発想も素晴らしいです。
その後「差集め算」的に解決する収束も見事です。
更に面積図による解法等も有りますが、これを自分だけの力で導くことはほぼ不可能だと思います。

このような一連の考え方を自ら思いつくのが「巨人」です。
そして受験生は自ら思いつく必要はありません。
むしろ基本が完成するまでは自ら編み出そうといった努力は封印すべきでしょう。
なぜなら巨人の肩の上に立てば巨人になったのと同じ効果が得られるからです。

受験では努力の方向が大切で、これを誤ると結果を出しにくくなることの例のひとつです。
時間的な制約があるので、効率を最優先に考えなければなりません。

また、中学受験における巨人は志望校によって大きさが異なると考えられると思います。
一般的に難関校はより遠くまで見渡す必要があるので、より大きな巨人の肩に立つ必要があります。
そして、夏休みが終わるまでには何とか肩までたどり着き、しっかりと立って欲しいのです。

私は散々巨人の肩まで登りましたから、自らが巨人のような体裁を整えることができるようになりました。
ですからトップクラスの受験生の皆さんに私の肩の上まで登ってきて欲しいのです(これはトップクラスの受験生は私ぐらいのサイズの巨人にチャレンジして欲しいという意味です)。

チャレンジすることにはエネルギーが必要で大変だとは思いますが、是非ぶつかって欲しいものです。
肩の上に立った時、今までとは違う景色に驚くと思いますよ。

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今週の1題時計算

難易度★★☆☆☆

液晶表示の時計があります。この時計は1°刻みに正しく角度を示す事ができます。
動き方が通常の時計とは異なっており長針は1分経つと6°回転します。これは1分経つと針が消えると同時に6°回転した先を示すということです。
短針は10分経つと5°回転するように設定されていますが この設定は変えることが出来ます。
このような動きをしても、1分単位ではいつも正しい時刻を読み取れます。

(1)1時ちょうどから12時間のあいだに、この時計の長針と短針が重なることは何回ありますか。

(2)短針の設定を(あ)分経つと(い)°回転するように変えたところ1時ちょうどから10時間のあいだにこの時計の長針と短針が重なることが10回ありました。
(あ)と(い)に入る整数の組を(□、□)の形で全て答えてください。

クリックすると
解答が表示されます
<答>(1)2回  (2)(12、6)、(60、30)
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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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