VOL.2811問全力解析 2023開成中学校
今回の1問全力解析は2023年開成中4です。
まずは問題を見てください。
基本テーマ
①調べる
②どこまで調べれば良いか
③別のものに置き換える→グラフ
④規則性の利用
この問題では以上のような基本テーマが潜んでいると考えられます。
ひとつずつ見ていきます。
①調べる
まずは2秒後はどうなるかを描き、次いで3秒後、4秒後…6秒後まではやってみるのが普通でしょう。
6秒後がPをR、QをP、RをQに入れ替えた(120°反時計回りに回転)状態であることに気付けば正解が見えてくると思います。
②どこまで調べれば良いか
①のところで書いた120°回転に気付けば、描くのはそこまでで良いかもしれません。
(2)には対応できますし、(3)も4秒後をうまく使えれば大丈夫でしょう。
(4)がPとRの出会いがどこで起こったかを調べなければいけないので少し厄介です。
まあなんとかなる範囲だと思われます。
ただ、最初と同じになる18秒後まで調べた方がむしろ煩雑さを軽減できているかもしれません。
③別のものに置き換える→グラフ
算数の場合、別のものに置き換えることができれば、それは有力な手法である可能性が高いです。
本問の場合はグラフに置き換えることがかなり有力だと思います。
この後の解説はグラフを使ったものを採用します。
④規則性の利用
(3)以降は周期性を利用しなければ量が多すぎます。
出題者の「規則性を見つけてね」というメッセージに反応しなければなりません。
入試問題は人間が作っている限り「人と人との対話」になるのです。
相手の呼びかけに応えられることを目指しましょう。
以上を踏まえて問題を解いてみましょう。
〈解説〉
今回はグラフを描いてみます。
それぞれ1秒でお隣りの点に移動するので描きやすいと思います。
18秒で最初の位置とその後に進む方向まで一致したので、以下はその繰り返しということがわかります。
これを利用して(4)まで解いていきましょう。
(1)
グラフの6秒後のところを見ればよいです。
…(答)
(2)
グラフより
18秒後…(答)
(3)
18秒で1つの周期ですから100秒後は
100÷18=5あまり10
より、10秒後と同じです。よって
…(答)
(4)
18秒間で点Pと点Rの出会いは4回(4,8,13,17秒後)あります。
よって99回目は
99÷4=24あまり3
より、18秒が24回繰り返された後、3回目の出会いということが分かります。
以上より
18×24+13=445(秒後)…(答)
いかがですか。
グラフさえ描いてしまえば簡単な問題だったと思います。
ただし、本番でグラフを描いた受験生は少数派だったかもしれません。
(1)の調べに引っ張られた可能性が高いです。
その場合は6秒で120°回転だからあと2回で元に戻ることに気付けたかどうかで差がついたと考えられます。
ただ、根性で18回描いて正解というのも立派です。
実際の入試では何が起こるのかはわからないので、スマートな解法も泥臭い解法もどちらもいけるように準備しておくのが得策だと感じました。
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