VOL.2801問全力解析 2023桜蔭中学校
今回の1問全力解析は2023年桜蔭中Ⅰ(2)です。
まずは問題を見てください。
基本テーマ
①歯車の基本
②軸が同じ
③逆比の利用
④計算は「しない」のが極意
この問題では以上のような基本テーマが潜んでいると考えられます。
ひとつずつ見ていきます。
①歯車の基本
当たり前ですが歯車が嚙み合っている場合、1つ歯が送られれば、噛み合っているもう一方の歯も1つ送られます。
これを利用して解くこともできるのですが、もう少し飛躍することができれば、それを狙いたいですね。
②軸が同じ
軸が同じ歯車同士は1回転するのにかかる時間が同じになります。
この問題で言えばBが1回転するあいだにCも1回転するということですね。
そうすると一定時間に送る歯数の比は、それぞれの歯数の比に等しくなります。
このあたりのことをはっきりとさせておきましょう。
③逆比の利用
結論から言えば、歯数と回転数の関係は逆比になります。
AとBの回転数の比は歯数の比68:48=17:12の逆比で、12:17です。
④計算は「しない」のが極意
本来ならば基本問題なのですが、本問は数字の関係で計算が煩雑になりそうです。
まともにやると面倒なことになりそうなのですが、割り算を分数の形にし、途中の計算は極力やらないという方針を徹底しましょう。
そのようにすればそれほどでもないと感じるはずです。
以上を踏まえて問題を解いてみましょう。
〈解説〉
AとBの回転数の比は12:17です。
また、BとCの回転数は等しいので、AとCの回転数の比も12:17になります。
Aが11回転するとCは
11× 17 12 = 11×17 12 (回転)
します。
その時のDは
7 19 24 = 187 24 = 11×17 24 (回転)
します。
歯数の比は回転数の逆比なので
11×17 24 : 11×17 12 =1:2
よって、Dの歯数は
27×2=54…イ
BとCの歯数の比は
48:27=16:9
なので、送られる歯数も16:9です。
Aが1秒で送る歯の数は
68×5 3
で、それによってDは
68×5 3 × 9 16 = 17×5×3 4 …①
だけ歯が送られます。
D12回転分の歯数は
54×12
なので、これを①で割れば答が出ます。
54×12÷ 17×5×3 4
= 54×12×4 17×5×3
= 864 85
=10 14 85 (秒)…ウ
いかがですか。
ほぼ基本問題と感じることができたでしょうか。
本問を通してテキストに載っている問題と実際の入試問題の違いを肌で感じてもらえればと思います。
今回も基本のチェックを目的とした問題を取り上げました。
今の時期はこの地道な作業が特に大切だと思います。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題比
難易度★★☆☆☆
名門君と目白君の所持金の比は「4:5」です。
今、名門君がおこづかいを2000円もらい、目白君が定価A円のペンケースを買うと2人の所持金の比は「3:2」になるはずでした。
実際には目白君はペンケースを定価の2割引きで買うことができたので2人の所持金の比は「10:7」になりました。
(1)目白君がペンケースを買わずに□円おこづかいをもらうと2人の所持金の比は「4:5」のままです。□に当てはまる数字を求めてください。
(2)名門君は最初いくら持っていましたか。
解答が表示されます