VOL.2781問全力解析 2023女子学院中学校

1問全力解析過去問女子学院中学校立体図形

今回の1問全力解析は2023年女子学院1.(3)です。
まずは問題を見てください。

基本テーマ

①四捨五入の範囲

②小数→分数、割り算→掛け算

③不等式の性質

④連立不等式

⑤計算力・正解力

この問題では以上のような基本テーマが潜んでいると考えられます。
ひとつずつ見ていきます。

①四捨五入の範囲
概数を習う時期に問題があり、四捨五入の範囲に関しては混乱したままの受験生を多々見かけます。
6年生でも間違えていることがあるので、そういった受験生は一刻も早く正しい認識を身に着けてください。

②小数→分数、割り算→掛け算
計算は誰もがやっていますが、正しく計算できているかというと、疑問が残ります。
そのあたりの事情はVOL.44VOL.45に詳しく書いてあります。参照してください。
大切なのは「小数か分数か」「仮分数か帯分数か」という選択を正しく行うことと、基本的には「割り算は逆数の掛け算にする」ことだと思います。

③不等式の性質
小学生が扱う不等式は等式の性質とほぼ同じなのでわかりやすいでしょう。
具体的には以下になります。
・両辺に同じものを足しても引いても不等号は成立
・両辺に同じものを掛けても、同じもので割っても(ただし0で割るのは不可)不等号は成立
これらを利用して本問を解くわけです。

④連立不等式
ゆとり教育の頃は高校にならなければ扱わない分野だったかと思います。
中学受験は範囲があってないようなものですから、特に驚くことはないです。
ゆとり教育を推し進めた人の見識には?ですが…
連立方程式は未知数が2つ以上ですが、連立不等式は未知数は1つで範囲が複数です。
その範囲を特定するためのツールとして「数直線」が有力です。
書き方に決まりがあるのでこの際身に付けてしまいましょう。
高校まで使えますよ。

⑤計算力・正解力
以上を背景として計算を行い答えを出します。
そんなに難しくないですが、計算の工夫をするのとしないのでは少なくない差がつくでしょう。
正解率にも差がついたものと思われます。
本問は基本問題ですから、合格の為には正解が必須だったと思います。
本問は、中間層の受験生には少し怪しいところのある問題、難関校受験生にとっては基本の確認問題という位置付け相当だと思います。

以上を踏まえて問題を解いてみましょう。

〈解説〉
①小数第二位を四捨五入して5になる数の範囲を答える問題です。
基本の基本ですね。
小数第二位で繰上りが生じることによって5になるので、小数第一位までは
5-0.1=4.9
これに繰り上がりとなる最小の数5が少数第二位である0.05を足したものが最小値です。
4.9+0.05=4.95
同じように切り捨てとなる範囲は5よりもほんの少し小さい数まで(5未満と表現するしかありません)なので
5+0.05=5.05
以上より
(答)4.95以上5.05未満

②0.4=  2  5  なので「÷0.4」は「×  5  2  」と同じです。
ある整数を□とすると2つの不等式を立てることができます。
→連立不等式
4995≦□×  5  2  <5005・・・(あ)
333.5≦□÷6<334.5・・・(い)
(あ)は  2  5  倍、(い)は6倍します。
(あ)×  2  5  
1998≦□<2022・・・(う)
(い)×6
2001≦□<2007・・・(え)
一応、数直線に範囲を書き込みます。

2つの範囲の共通部分に含まれる整数は「2001」だけです。
(答)2001

今回は基本問題を取り上げました。

今の時期ですと6年生でも怪しい受験生も一定数いると思われるので是非確認してみてください。
また、「すべてあげろ」と言いながら答は1つだけというのは少しだけ意地悪でした。
精神力の強さも試されているので、同時にそのあたりも認識するようにしましょう。
今の時期は、このような基本がしっかりしているかどうかを全ての分野についてきちんと確認することが重要だと思います。

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今週の1題立体図形

難易度★★★☆☆

2つの四角すいAとBがあります。
AとBの底面は共に正方形で高さは等しいです。
PとRはそれぞれ底面の対角線の交点でOP、QRはそれぞれ底面と垂直になっています。

〈図1〉
四角すいA

四角すいB

線分OPと線分RQが一致するように四角すいAと四角すいBを重ねることを考えます。
重ねた後の状態を上から(Oの方から)見ると〈図2〉のように見えました。
〈図2〉

四角すいAの底面積は180cm、OPは12cmです。
四角すいAと四角すいBの共通部分は平面で囲まれた立体になります。
この立体をXとするとき、以下の問いに答えて下さい。

(1)Xの頂点の数と辺の数を答えて下さい。

(2)Xの体積は何mですか?

クリックすると
解答が表示されます
<答>(1)頂点10個 辺16本 (2)120m
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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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