VOL.2771問全力解析 2023渋谷教育学園幕張中学校

1問全力解析過去問渋谷教育学園幕張中学校


今回の1問全力解析は2023年渋谷教育学園幕張です。
まずは問題を見てください。

基本テーマ

①とりあえずやってみる

②繰り返しが発生する

③全部は書き出さない

④計算を利用する

⑤類題との関連付け

この問題では以上のような基本テーマが潜んでいると考えられます。
ひとつずつ見ていきます。

①とりあえずやってみる
この問題の(1)はほぼ全員が続きを書くことでしょう。
そして正解するはずです。
例さえ見逃さなければ間違いは考えられません。
(2)までを視野に入れた場合はもう少し書かなければなりませんが、「さて、どこまで書けば良いのでしょう?」というのが、作者からの問い掛けという気がします。
なるべく書く量を減らすことを考えるべきでしょう。

②繰り返しが発生する
(1)の答が出るまで書くのはほぼ必然なのですが、そこから先は書いた結果として何か良いことがなければ、書く甲斐がありません。
ただし、前2つの和の1の位の数は有限ですから、周期性が生じることは明白となります。
繰り返しが発生するのであれば、1周期分書けば良いので、書く甲斐がありますね。
そのことが最初から解っていなければ書くことを躊躇してしまうかもしれないので、本問では規則性が発生することを早い段階で認識していることが大切でした。

③全部は書き出さない
(2)は1から9の全部について、周期が発生するまで書き出せば正解できることになります。
しかし、1が60個周期なので全部書き出すと量が膨大になってしまいます。
60個周期を円状に並べれば、どこから始めても60個周期ですから、15個ごとに現れる「0」の後の数字に着目すれば、「1」を書き出せば「3」「7」「9」も調べ終わったことになります。
結果的にはあとは「2」と「5」を書き出せば終了です。

④計算を利用する
全部書かないので、計算を利用する必要があります。
具体的には2023番目は何番目と同じなのかを計算で求める、ということです。
一般的に周期がわかっている場合は、周期で割った余りと同じなので、本問でもそれを利用します。

⑤類題との関連付け
前2つを足す数列といえば「フィボナッチ数列」ですが、本問との関連性はそれほどでもなかったですね。
似ていたのは「フィボナッチ数列を6で割った余りの数列(6のところはいくつでも良いです)」で、本問は「6」ではなく「10」だったというわけです。
「6」で割った余りを経験していれば周期が発生することを事前に知っているので、本問もすんなり解けたものと思われます。
今後も類題が出ることは考えられるので、本問の経験を活かせるよう、しっかりと頭に入れておきましょう。

以上を踏まえて問題を解いてみましょう。

〈解説〉

(1)ルール通りに書き出します。(2)を視野に入れ、0,1が現れるまで書くことにし、後のことを考えて1段を15個にしておきます。
〈書き出し1〉
0,1,1,2,3,5,8,3,1,4,5,9,4,3,7,
0,7,7,4,1,5,6,1,7,8,5,3,8,1,9,
0,9,9,8,7,5,2,7,9,6,5,1,6,7,3,
0,3,3,6,9,5,4,9,3,2,5,7,2,9,1,
0,1,…
2回目に0が出てきたのは16番目なので
(答)16

(2)a=1のときの周期は〈書き出し1〉より
15×4=60(個)
です。
a=3,7,9のときも同様に60個周期であることは〈書き出し1〉からわかります。
a=2を書き出します。

〈書き出し2〉
0,2,2,4,6,
0,6,6,2,8,
0,8,8,6,4,
0,4,4,8,2,
0,2,…
a=2,4,6,8の時の周期は
5×4=20(個)
です。
最後にa=5を書き出しておきます。

〈書き出し3〉
0,5,5,0,5,…
3個周期ですが本問では関係ないことがわかりました。

続いて(1,2023)を求めます。
2023÷60=33…43
より、〈書き出し1〉の43番目の「6」であることがわかります。
10-6=4
より、(a,2023)が「4」となるようなaを求めればよいことになります。

ⅰ)a=1,3,7,9のとき
43番目が「4」なので
15×3-43+1=3
より、〈書き出し1〉が15個で1段になっていることから、右から3番目に4が来ればよいことがわかります。
1段目の右から3番目が4なので、aは上から3段目の左から2番目の「9」ということになります。

ⅱ)a=2,4,6,8,のとき
2023÷20=101…3
より、左から3番目が4になっている段の左から2番目の「4」がaとして考えられます。
ⅲ)a=5のとき
4は出てきません。
以上より
(答)4,9

以上見てきたように書き出せば答が出るタイプの問題でも、書き出しの量を減らすという姿勢が大切だと思います。
そのためには過去の経験を活かす必要があったでしょう。
過去問を解いたなら、その貴重な経験を本番で活かすことを絶えず考えておきましょう。

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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