VOL.2721問全力解析 2023麻布中学校

1問全力解析過去問麻布中学校数と規則性

2月に入ってから今年度の入試問題を解いています。
素晴らしい問題が多く、楽しい時間を過ごせています。
今回の「1問全力解析」は強く印象に残ったものを取り上げます。
2023年度麻布中です。

基本テーマ

①分母と分数の関係

②10=2×5

③誘導に乗る

④規則性を見抜く

この問題では以上のような基本テーマが潜んでいると考えられます。
ひとつずつ見ていきます。

①分子が1の分数の分母が2倍になると、分数自体の大きさは半分になります。
ですから、小数であらわされたものは÷2すればよいことがわかります。
問題中の表の1番上の段は、左の数の10倍を2で割ったものの下4桁が右隣になっています。

②2を何回掛け合わせたとしてもそれを分母とする分数は有限小数となります。
平たく言えば「割り切れる」ということです。
それは
10=2×5
100=2×2×5×5…
ということから説明できます。

また、問題中の表を縦に見た時、1番上の数を2倍した数(1番上の1つ左の数の10倍)が公差の等差数列になっていることがわかります。
ただし、下4桁までなので、ある程度のところから先は繰り返し(群数列)になります。
繰り返しは公差を何倍すると10000の倍数になるかがわかれば判明します。

結論としては、縦に入る数字は一番上の数が決まれば、それによって1つに決まることがわかります。

③誘導に乗る
ここまで書いてきたことは、一度問題を解いてから振り返ったようなところがあるので、初めてこの問題を解くときはいきなりはわかっていないはずです。

ですから、なるべく早く上記の内容に気付いた方が良いのですが、それは小問を解きながらということになります。
(1)と(2)を書き出していく過程の中で気付きたいところです。

④規則性を見抜く
出発点は2を掛け合わせた数を分母とする分数なので、筆算で求める方向になりがちですが、数表を完成させるという目的があれば違ったやり方が得策と気付くはずです。
縦に見てそれぞれが等差数列で、公差は初項の2倍。また、1番上に横に並んでいるそれぞれの初項は、公比が5の等比数列になっている、とここまで見抜ければ解けたも同然です。

ただし公差も出来上がった数も下4桁だけなので、そこは柔軟に対応しましょう。繰り返しが発生するので大きくみれば群数列ということになります。

以上を踏まえて問題を解いてみましょう。

(1)
縦に見れば等差数列でその公差は初項の2倍です。ただし下4桁だけ。以上から
ア=6875+625×2=8125…(答)
イ=8125+1250=9375…(答)
ウ=4375+3125×2=10625→625…(答)
エ=625+6250=6875…(答)
オ=6875+6250=13125→3125…(答)
カ=3125+6250=9375…(答)

(2)
分母が64のところがどのような数列になっているかを考えます。
初項が5625
公差は5625×2=11250より1250
また、1250×8=10000なので8個周期で同じ数字が並ぶことがわかります。
5625+1250×3=9375
5000÷1250=4
3+4=7
7×2+1=15
より最初が15,以降は
2×8=16
ずつ増えるので
15+16=31,31+16=47,47+16=63
分子は63以下なので
(答)15,31,47,63

(3)
横に見て等比数列(ただし下4桁)はどこも同じです。
分子が9のところを横に見ると以下の数列になっています。
5625,8125,625,…
625から先は分子が1のところを見れば良いので、625の次からは
3125,5625,…
5625と同じ数字が出てきたので4個周期ということがわかります。
625が最初にでてきたときの分母が64なので、次は
64×2×2×2×2=1024
(答)64,1024

(4)
縦に見て2048のところの1番上を調べます。
2048は2を11個掛け合わせた数なので64(2を6個掛け合わせた数)の列より5個右になります。
4個周期なので64のひとつ右と同じです。
それは5625の隣なので、分子が9のところを見ることによって8125ということがわかります。
公差は
8125×2=6250
です。

8125+6250=14375
なので、
6250×4=25000
より
分子が
2×(1+4)+1=11
の時、9375になることがわかりました。
ここでも8個周期は変わらないのは
62500×8=50000
からも明らかでしょう。
小数で表した時の小数第一位の数字が1なので「う」は
2048÷10=204.8
より205以上の奇数ということになります。
11以降は16ずつ増えるので205以上で16で割って11余る最小の数が答です。
208=16×13
なので、
208+11=219…(答)

いかがでしたでしょうか。
1÷2048のような割り算を筆算でやるようなことは回避したいと思いますが、それが実現できる解法になっていたと思います。
皆さんが解くときは、ある程度の範囲まで表を完成させると全体像が見えてくると思います。

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今週の1題数と規則性

難易度★★★☆☆

 1  5  、  3  25  、  9  625  のように5をA(Aは整数)個かけ合わせてできる数を分母とし、B(Bは25以下の整数)を分子とするような真分数を考えます。
このような分数Nを少数で表したとき、小数点以下に現れる数字のうち右端の2個をそのままの順で並べてできる整数を〈N〉で表します。
また、NをAとBで表すときはN=(A,B)とします。
例えば
A=1、B=1のときN=  1  5  =0.2なので〈(1、1)〉=2、
A=2、B=3のときN=  3  25  =0.12なので〈(2、3)〉=12、
A=4、B=24のときN=  24  625  =0.0384なので〈(4、24)〉=84、
です。

(1)〈(2,M)〉と〈(3,M)〉を比べると前者が後者の2倍よりも大きくなりました。
Mとして考えられるものを全て答えてください。

(2)〈(3、□)〉となるもの25個と〈(15、□)〉となるもの25個の差を求めて下さい。

クリックすると
解答が表示されます
<答>(1)13,14,16 (2)290
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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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