VOL.2701問全力解析 灘中学校
寒い日が続いていますが、皆さん体調管理は行き届いていますでしょうか。
寒さに負けず頑張っていきましょう。
西から受験もスタートしましたので、ホヤホヤの問題を取り上げたいと思います。
今回の「1問全力解析」は、令和5年灘1日目3です。
基本テーマ
①十進法
②等号の性質
③文字の扱い
④確かめ
この問題では以上のような基本テーマが潜んでいると考えられます。
ひとつずつ見ていきます。
①十進法
私達が普段使っている数の表し方が十進法です。
ただ、これは大発明と言って良く、たった10個の数字(記号)でどんな大きな数字でも表せてしまうのは、本当に素晴らしいと思います。
何故10なのかについては手の指の合計が10本だからということで良いと思います。
さて、10進法が少ない記号でも大きな数字を表すことができる理由は、「位」の概念が存在するからです。
「位」は要するにポジションで、一つ左にいくと10倍のサイズになります。
これが2倍なら「二進法」、3倍なら「三進法」というのは皆さんにもおなじみでしょう。
十進法の「234」は
234=100×2+10×3+1×4
ということですね。
②等号の性質
等号は天秤が釣り合っている状態と同視できます。
ですから両辺に同じものを足したり引いたりしても等号は崩れません。
※中学の数学ではこのことを利用して「移項」を行います。
更には同じものを掛けても等号が保たれるので、それを利用して方程式を解くことが考えられます。
当たり前ではありますが、非常に重要な性質です。
しっかり理解するようにしましょう。
③文字の扱い
小学校では文字の扱いを習わないと思います。
しかし、中学受験では、ある程度文字を扱えることが前提の問題が見受けられます。
私も「不定方程式」は文字を置いて式を立てた方が分かりやすいと感じていますし、比例・反比例も式で理解した方がスムーズでしょう。
ただ、あくまで「算数」なので、式を立てて機械的に解を求めるようなことに極力ならないように、私たちのような専門家が見張っておく必要があるかもしれません。
文字は便利ですが、算数の解法のバランスを崩すところまで影響力が大きくなってしまうのはやや危険と言えるでしょう。
④確かめ
答が出たからといってそれで安心はできません。
回答欄に正解を書き込まない限り、時間をかけた損だけが残ってしまいます。
確かめて「絶対に正解」という確信を得ることは、皆さんの想像よりも大きなことである可能性が高いのです。
この問題のように6つも文字がある場合は、適当な数字を入れて確かめるだけでもかなり違うと思います。
以上を踏まえて問題を解いてみましょう。
位を揃えて筆算のように文字を書きます。
上と下でそれぞれの位で共通するものを消すと
A=E, E=D, D=E
が浮かび上がってきます。
よって答は
ウ エ ス
※確かめ
A=D=E=1,B=2,C=3,F=4
とおいてみます。
1+23+114=138
123+11+4=138
で等号が成り立ちます。
意外とあっさり解けましたが、本格的に
ABC→10×A+10×B+C
のようにやるとむしろ見えにくくなったかもしれません。
なるべくシンプルに解くのが良いということを再認識することができました。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題計算問題
難易度★★☆☆☆
(1) 1 25×25-1 + 1 27×27-1 + 1 29×29-1 + 1 31×31-1 + 1 33×33-1 + 1 35×35-1
(2)( 1 1×2×3 + 1 2×3×4 + 1 3×4×5 + 1 4×5×6 + 1 5×6×7 + 1 6×7×8 )×(8×9+9×10+10×11+11×12+12×13)
解答が表示されます