VOL.2622023年度入試に出題されそうな単元 月の満ち欠け
11月8日の夜、皆既月食が観測されました。
来年の入試問題は秋ごろから作成されることが多いので、もしかしたら月食の出題が増えるかもしれません。
一応対策として知識の整理をしておきましょう。
今回の皆既月食は月が天王星を隠す「天王星食」も同時に起こりました。
皆既月食と惑星食が同時に起こるのは442年ぶりということで、今回の月食はかなりの盛り上がりを見せました。
次にこの「ダブル」が起きるのは322年後らしいので、見逃した人は残念でした。
ただ、私も月食は見たのですが、天王星は見つけることができませんでした。
天王星は6等星なので肉眼で見ることのできるギリギリの明るさということでしたが、私には無理でした。
天王星食に関しては見た目がどうこうというわけでもないので、「ああ、今隠れてるんだな」といった気持ちが重要なのかもしれませんね。
地球と月では公転面が少しずれているので、そのずれが天王星に達するころには相当大きくなっているはずです。
なのに、一直線に並ぶということは、これはもう奇跡としか言いようがありません!
月食+惑星食の前回は「土星食」で次回もまた「土星食」だそうです。
月食は日食と違い、月が見える場所であるならばどこから見ても月食を観測することができます。
日食の場合は日食が観測できる場所が刻一刻と移り変わります。
なぜそうなるのかは要確認です。
太陽、地球、月のそれぞれの動きを理解すれば大丈夫でしょう。
それに対して「惑星食」は観測場所に対する条件は緩くなります。
月に対して惑星がかなり小さいからです。
以上のようなことをひとつひとつ理解するのが勉強のこつです。
月食でよく出題されるテーマについて少しやっておきましょう。
①皆既月食で月が赤く見えるのはなぜ?
②月食は右からかけ始める?それとも左から?
③皆既日食と皆既月食、長い時間欠けているのはどっち?
〈答え合わせ〉
①
太陽の光は、赤や青など色(波長)の異なる様々な光を含んでいます。
太陽の光が地球の周りにある大気を通過する時、波長の短い青い光は散乱します。
しかし、波長の長い赤い光は散乱されにくく、大気を通過することが可能です。
これが大気中で屈折することで地球の影の中に入り込み、赤い光が月を照らします。
これによって月食の時の月は赤く見えるのです。
※夕日が赤く見える原理と同じです。
② 左
月は、北極の方から見て反時計回りに公転しているので、地球の影に右から入り、左に抜けていきます。
ですから、月食は左から欠けていきます。
これに対し日食は右から欠けます。
なぜならば月が移動するよりも太陽が移動する方が速いからです。
既に上がっている新月に太陽が追いつき、右から欠けていきます。
③ 皆既月食
月食の最長継続時間は約1時間47分に対し日食は約7分30秒なのでかなりの差があります。
月食は地球の影に月が隠れるので長時間そこから抜けられませんが、日食は太陽と地球の間に月が入り込んで隠すので少しのズレで太陽が見えるようになります。
そもそも日食が観測できる地点は月の影が地球に写っているところですから、ある点がそこから外れるのにそんなに時間はかからないということで理解できると思います。
以上月食について見てきましたが、理科は実際に観察することが大切です。
そしてなぜそうなるのかの理解を大切にするようにしましょう。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題継子立て
難易度★★★★☆
N枚のカードに1からNまで1ずつ大きくなる整数が書いてあります。このN枚のカードを円になるように時計まわりにならべます。
1,2,3,4、…Nと並べNの隣は1です。
並べ終わったら1,4,7,10…と3枚おきに1枚取り除いていきます。
これを最後の1枚になるまで続けることを考えます。
ただし1,2,3の3枚でこれを行った場合、最後に残るのは3であるものとします。
(1)N=27のときの最後の1枚に書かれている整数は何ですか。
(2)N=2023のときの最後の1枚に書かれている整数は何ですか。
解答が表示されます