VOL.246もし算数の勉強方法をカレーの作り方に例えたら・・・

もしもシリーズ整数

当たり前なのですが、私たちはほぼ毎日食事を摂っています。
通常は調理されたものを食べるのですが、いつも「おいしい」と感じながら食べています。
数年前から「まずい」と感じることがほとんどなくなりました。

これは調理の技術や食材の改良でそうなったのか、私の舌が何でもおいしく感じるようになってしまったのか、不明ではありますが、調理技術レベルの底上げがあったのは間違いないと思います。
私も料理はそんなにする方じゃありませんが、なぜか「カレーライス」を作るのは好きで、親戚が集まる時に大量に作ったことも何回かあります。

好みは分かれると思いますが、「濃厚で味が複雑」なカレーが好みです。
辛さはスパイスで調整可能なので、ベースにいかに味を凝縮するかを考えながら作ることが多いです。
今回は金田流カレーのつくり方を紹介しながら、受験算数について考えてみたいと思います。

①下準備
根本的な問題として、市販の「カレールー」を使うかどうかがあります。
実はスパイスを調合して作ったこともあります。
とてもおいしいカレーができましたが、コストと手間という意味では厳しいかもしれないと感じました。

先日も有名なご当地カレーを作っている人がテレビで「市販のルーを使っている」と言ってました。
ただしその際「複数のルーを混ぜる」とおいしくなるとのコメントがありました。
実は私も最低でも3種類のルーを混ぜて使うことが多かったので、その話に納得しました。
種類が増えると味が複雑になり、おいしくなるんだと思います。

この根本的な方針は「受験算数」においては志望校の設定にあたると思います。
もしもまだ志望校が決まっていないという受験生がいたら、なるべく早く、少なくとも「第一志望」は決めるようにしましょう。
その際、「受かりそうな学校」や「なるべく偏差値の高い学校」というような決め方をするのではなく、「本当に通いたい学校」「6年間そこで頑張りたい学校」を選択できると良いと思います。

次に考えなければならないのは「具材」をどうするかです。
私はお肉が好きなので「ビーフカレー」を作ることが多いですが、この肉に関しても鶏肉や豚肉を混ぜるとおいしくなる気がします。
ひき肉を使って「キーマカレー風」というのも良いですが、今回はシンプルに肉は「牛肉」、野菜は「玉ねぎ」だけでいきたいと思います。
カレーと言えば「ジャガイモ」「ニンジン」が定番ですが、私はあまり好きではありません。
これらの野菜は他の調理法で食べた方がおいしいと感じるからです。
金田流の味の複雑さは別の食材で出していくことにします。

さて、「食材」の決定は何に通じるかというと、「教材」の決定ということになるでしょう。
私はこちらも「シンプル」が良いと思っています。
繰り返し用の「基本書」と力を育む「応用問題」の2本柱で「算数力」を高め、過去問等の「セット」になった問題を通して「得点力」を養う、というのが私の「勝ちパターン」です。

このあたりの話は本ブログで何回もとりあげてきたので、お時間がある時にでも熟読していただければと思います。
食材が決まれば下準備にいきましょう。
まず玉ねぎをどのように切るかですが、長時間煮込むことを想定して繊維に沿って切ることにします。
肉はカレー用を買えばカットしてあるのでそのまま使います。
今回は何かに漬け込んだり、カレー粉をすり込むといったことはせず、塩コショウをまぶすだけにしておきます。

②炒める
昔、玉ねぎは「きつね色になるまで炒めろ」と教わったのですが、きつねを見たとがあるわけでもなく、どうやって判断していたのか、記憶がありません。
要するに何となくのフィーリングでやっていたのだと思いますが、特に問題は無かったです。

ところがこれが「受験算数」となると話は違います。
「何となくのフィーリング」はまずいことが多いです。
特に普段の学習で「なぜそうなるのか」は明確にしておかなければなりません。
「図形問題」で多いのですが、何の根拠もなく「これはこうだ」とやってしまうのを見かけます。これで正解すればまだ良いのかもしれませんが、大抵の場合間違ってます。
※試験の時は結果オーライでも構いませんが、普段の学習では仮に正解したとしても運が良かっただけなので、絶対にやってはいけません。
私のような者が隣にいていつもチェックできるのが理想です。

「算数」は論理的思考の科目ですから、「なぜそうなるのか」は学習のキモです。
しっかりと取り組みましょう。
「飴色」や「キャラメル色」と呼ばれることが多いようですが、要はペースト状になるまで玉ねぎを炒めるということです。
その際、焦がさないように丁寧に炒めなければなりません。
カレー作りの中でこの工程が一番の手間となります。
ここで焦がしてしまうと味が大きく損なわれてしまうので、気を使うところです。

「算数」ではこれと似ているのが「計算」です
単純作業に近く誰でもできるはずですが、意外と間違えることが多いですね。
気持ちが焦るとミスがでるので、落ち着いて正解できるように練習しましょう。
牛肉は別のフライパンで強火で焼き色をつけ、赤ワインでフランベしてから鍋に加えます。

③煮込む
煮込むのは基本的に2段階です。
最初はルーを入れる前で、2番目の段階はルーを入れた後です。
1段階目の煮込みは先ほどの玉ねぎや牛肉、それ以外に炒めたショウガやカシューナッツ等を加えることが多いですが、今回は鶏ガラを加えてみます。
具体的なやり方は今回は省きますが、鶏ガラでとるスープは本当においしいです。
ぜひためしてみてください。

第2段階は、いったん火を止め沸騰がおさまったあとにルーを割り入れていきます。
なぜ火を止めるかというと、ルーに含まれるでんぷん成分が固まってダマになってしまうのを防ぐためだそうです。
理科の問題ででるかもですね。
さて、ルーを入れたら弱火で煮込みますが、焦げないように時々かき混ぜるのが肝心です。

この工程も「算数」にたとえるとこうなります。
第1段階→1行題攻略
第2段階→応用問題への対応
ちなみに「時々かき混ぜる」は「忘れないように復習する」に相当します。

④隠し味
巷でいわれる隠し味は大抵試しました。
「コーヒー」「ソース」「チョコレート」「醤油」「はちみつ」「ケチャップ」「ヨーグルト」全部入れちゃいましょう。
フルーティーな味わいは辛さを引き立てるので「バナナ」や「リンゴ」を入れることも多いですし、そもそも煮込む段階で「トマト缶」や「野菜(フルーツ)ジュース」を加えることも多いです。
このあたりはチャレンジ精神で色々試すと面白いですよ。

「算数」もチャレンジ精神が大切です
今までの解法に満足せず、新しい考え方、解き方にどんどんチャレンジし、新たな可能性を切り開いてもらいたいと思います。

⑤盛り付け・薬味
料理の味を左右する要素のひとつが盛り付けです。
子供の頃は金属製の器に別盛りにされたカレーに高級さを感じていましたが、今は別だとめんどくさいのでかけてある方が好みです。
ルーのかけ方もごはんと分けてかけるのが普通だと思いますが、こちらも真上にかけてもらった方が楽なのでありがたいです。
自分のカレーは味に自信があるので堂々と真上にかけます。足りなければおかわりはたっぷりありますし(笑)
気を付けるのは「綺麗に」盛ること。
そのあたりは感性の問題ですね。

「算数」でも大切なのは「自信」です
そして、普段は綺麗に解くことを目指しましょう。
カレーを食べ始めたら綺麗にとかそんなことは気にせずに思いっきり味わう。
本番の入試では解き始めたら綺麗になんてことはおいて置いてとにかく正解する。
おいしいカレーを思いっきり食べるように、本番の試験も思いっきり楽しんで全力を出し切ってください。

最後に私のお勧めの薬味を紹介します。
それは「ゆで卵」です。
みじん切りにしてかけて召し上がれ!

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今週の1題整数

難易度★★★☆☆

〈3〉=1×2×3
〈6〉=1×2×3×4×5×6
のように〈N〉を1から整数Nまでの積とします。
また、〈N〉を12で次々と割っていくとA回まで割り切れる事を
=A
とあらわすことにします。 例えば4=1、6=2です。

(1)106を求めてください。

(2)NN+1N+2を求めたら
N+1Nより2大きく、N+2N+1よりも1大きくなりました。
そのような整数Nとして考えられるものの中で最も小さいものを求めてください。

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解答が表示されます
<答>(1)50  (2)134
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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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