VOL.245もし算数の勉強方法を車の運転に例えたら・・・

もしもシリーズ


最近 車を運転する機会が増えました。
自分が、というよりも周りの人達を送ることが多いです。

個人的には「歩く」ことが健康維持の秘訣だと思っているのであまり車を利用したくないのですが、人のためになることは積極的に行いたいので、前向きに捉えています。
自分は何やかんやで相当な距離を運転してきました。多分地球15周以上は走っています。

ところで、地球1周はおよそ何kmかわかりますか?
19世紀に、メートルは、地球の子午線の赤道から北極までの長さの1000万分の1と定められ、実際の測量に基づきその長さを表すメートル原器が作られたそうです。
ということは地球1周は
1000万×4÷1000=4万(km)
です。
ちょっとした単位換算の問題でした。
現在の1メートルは真空中の光の速さを299792458 m/sと定めることによって定義されているそうです。
自分の中では光速はおよそ30万km/s(1秒で地球7周半)です。

さて、車の運転に話を戻します。
車の運転は多くの人が行っていて、皆さん上手だと思います。
この状況は勉強と似ていると感じ、今回の「もしも」は「車の運転」にすることにしました。

①目的
「車の運転」にも目的があります。
単なる移動手段だったり、ドライブを楽しんだり、レースに出ることもあるでしょう。
当然、その目的によって運転の仕方も変わってきます。

「受験算数」もそれと同じです。
受験勉強の目的が「志望校合格」であるならば、それを達成するためにやるべきことを優先すべきだと思います。
今振り返れば、自分にとっての受験勉強は結果として「頭のトレーニング」や「基礎知識の習得」に繋がりました。
そしてそれがその後の人生において大いに役立ちました。
これは副産物なのであって、志望校合格というモチベーションがなければ何も始まらないでしょう。

ところが昨今の中学受験をみていると、「志望校合格」以外の負担が大きいように感じることがあります。
負担が大きい割に合格可能性が大して上がらないようなことは極力避けていただきたいと思います。

②これだけはダメ
「運転」の場合、わかりやすいNG事項があります。
「事故」と「違反」です。
「事故」は本当に悲惨な結果しか招かないので、絶対に避けなければいけません。
そのために、運転免許をとる際に、視力検査等が行われます。
あたりまえですが見えなければ運転できませんよね。

ところが、「算数のテスト」では問題が見えていない人が続出しています。
聞かれていないことを答えたり、別の場所だと思い込んだり、なぜこんなことがおきるのでしょうか。
1つはまだ幼いことが挙げられます。
ただ、同じような現象は大学受験でも起きているようなので、幼さはそこまで大きくないのかもしれません。

因みに幼さがマイナスに作用するとどうなるかと言うと「視野が狭くなる」のです。
これが爆発的な集中力となればプラスの力になるのですが、大抵は「思い込み」や「確認をしない」といったことに繋がっていきます。
少なくとも「問題を読む」ことだけは絶対に出来るように練習しましょう。

「違反」をしないためにはまず「ルール」を覚えなければなりません。
実際はそれ以前のモラル・道徳心といった問題もあります。
自動車免許試験にも学科試験があり、中には苦戦する人もいるようです。

「受験算数」にもルールは存在します。
「約分はする」「比はなるべく簡単にする」など色々あります。
当たり前のことばかりなのですが、細かいところまできっちりと分かっているかと言うとそうではないかもしれません。
こういったことは日頃から指導者にチェックしてもらうのが効率の良い方法だと思います。

③おもいやり・譲り合い
運転をしていていつも思うのが、色々な人がいるということです。
とても乱暴な運転をする人や、煽ってきたりする人、親切に譲ってくれる人など様々です。
私は極力譲れるときは譲るようにしていますし、歩行者の保護には特に気を配っています。
また、煽られたりしたときもなるべく心を平静に保ち、自分を見失わないようにしています。
穏やかな気持ちでいないと、ぶつけたり、事故を起こす危険が増大することが経験上わかっているのです。

このことは「受験勉強」にも当てはまり、とにかく心を穏やかに保つことが重要となります。
テストの点数が悪くて怒られるというのが悪いパターンの典型です。
怒られた後、まともに勉強できるはずがありません。
このあたりのことは本ブログでも何回か書いてきたので、よかったら参考にしてください。

④安全運転
安全運転のメインとなるのはスピードのコントロールだと思います。
速すぎるのは論外ですが、あまり遅いのもいただけません。
流れに乗るのが重要です。
速さは走るスピードだけでなく、判断のスピードも大切です。
瞬時に相手の動きを予測し、自分がとるべき行動を決定しなければなりません。
ここで困るのが、運転に自信がない人の行動です。
弱気になりがちですから決断が遅い上に、予想外の行動をとることも多いです。

さてこれらも「受験算数」にぴったりと当てはまります。
走るスピードは計算のスピードとほとんど同じです。
普段の勉強では自分が間違えない最速を追求し、テスト等でもそのスピードで解くようにするのが望ましいと思います。
あまりゆっくりやるのはリズムが悪くなるのでお勧めできません。
また、算数に苦手意識を持ってしまうと思考停止に陥りやすくなるので、「自信を持つ」ことが大切です。

私がいつも思うのは以下です。

「我々の仕事は受験生に自信を持って試験に臨んでもらえるようにすることだ」

「車の運転」からも色々と参考になることがあったと思います。
あと数回、この企画をやっていきたいと思いますので、お付き合いいただければと思います。

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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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