VOL.243もし算数の勉強方法を囲碁・将棋に例えたら・・・

もしもシリーズ


「もしもシリーズ」ということで始まりました、今回の企画。
2回目にして早くも真打登場となりました。

江戸時代から続く「名人」制度からもわかるように、「囲碁・将棋」の達人は人々から尊敬の眼差しを向けられてきました。
「ゲーム」に過ぎないはずなのになぜ人々から尊敬されてきたのか。
それは「囲碁・将棋」の達人は最高の頭脳の持ち主と認められてきたからだと思います。

ということは「囲碁・将棋」の上達法には「算数」ができるようになるヒントが満載のはず!
実は私の指導にも「囲碁・将棋」の上達法を取り入れていたのでした。
そのあたりのことをこれからじっくりと書いていきたいと思います。

まず、囲碁と将棋の違いについて少し書きます。
将棋は「王様を取られたら負け」と目的がはっきりしています。
囲碁も「地が多い方が勝ち」と明確なのですが、そこまで単純ではありません。
囲碁のルールに「まわりを全部囲まれたら取られる」というものがあるので、このことにより「量」の問題だけではなく「質」の問題が発生してくるのです。

将棋はルールを覚えれば比較的すぐに勝負を楽しめるのですが、囲碁は一通りルールを教わってもすぐに実戦とはいかないことが多いようです。
将棋の方が囲碁より直線的に読む力が必要とされるのに対し、囲碁は感覚やバランスが大切と言われることもあるようです。
また、将棋には駒の動きがあるのに対し、囲碁の石は置いたらそのままという違いもあります。
私は囲碁も将棋も両方やるのですが、囲碁の方が長手数頭の中で並べやすいような気がしています。

ここで、一つ重要なことが出てきました。囲碁・将棋は「手を読む」わけですが、その時に頭の中に盤があり、その盤上を石や駒が動いているのです。
この頭の中で「動かす」ということが算数でも重要で、これがスムーズにできれば解ける問題の範囲が格段に広がると考えられます。

「読み」の練習に適しているといわれるのが「詰碁」や「詰将棋」です。
そして、これらの勉強法が「算数」にも応用が効くのではないかと金田は睨んでいるのです。

※中学受験を見据えた習い事としておすすめなのは「ピアノ」等の楽器と「囲碁」「将棋」です。礼儀作法を身につけるのにも良いと思います。

話を単純にするために今回は「詰碁」について書いていきます。
まず、「詰碁」とは何かということですが、「部分的な死活の問題」と考えれば良いでしょう。
実はまわりを全部囲まれて取られることが確定することを「死」、絶対に取られることがないことを「活」と呼んでおり、その部分の結論を出すのが「詰碁」というわけです。

実はこの形は「死」、この形は「活」という結論は狭いスペースではほぼ解明されており、基本形は私のような初心者でもある程度は頭に入っています。
「算数」でいうと「この問題の答はこうだ」ということがあらかじめわかっている状態ですね。

ですから、「詰碁」の第一歩は基本形の結論の「暗記」から始まります。
もちろん「丸暗記」はだめで、たとえ結論を知っていても実戦でその形が出たときに正しい手を打てなければなりませんから、相当大変です。

※「6死8活(生)」や「4死6活(生)」という言葉があり、これは生き死にをあらわしています。

実際は、変化手順まで全て覚えるというのは至難の業ですから、その場で読んで正着が打てるような手順は、覚える必要はないと考えられます。
これって「算数」にそのまま当てはまりますよね。
『基本中の基本はなぜそうなるかも含めしっかり覚える。
しかし、色々な要素が加わって複雑になってきたものまで覚える必要はない。
その場で考える力を鍛えておき、その力で解けるようにしておくべき。』

私が普段から言っていることと全く同じですね。

「詰碁」の学習法に、似た形をいっぺんに学ぶ、というものがあり、微妙な違いがどのような影響を与えるかをしっかりと読む、良い練習になるのですね。
「算数」でも微妙な違いで様相がガラッと変わることがあります(特に場合の数)。
そのような良質な練習問題があれば実力アップ間違いなしと言えそうです。

さて、「詰碁」の問題集を手に入れたとして、どのように進めていけばよいでしょうか。
よく言われることを並べてみます。

・集中的に沢山解くより毎日少しずつ解く

・(最初のうちは特に)少し考えてわからなければすぐに答をみる

・解説を読んでフンフンとなればそれでOK

・同じ問題集を何回も繰り返す

・問題をチラッと見ただけで、変化手順も含め頭の中を駆け巡るようになればその問題は卒業

全て「なるほど」と納得なのですが、驚くべきことに、「算数」の基本的な問題集(1行題)の取り組み方にそのまま当てはまるのです。
私がおすすめしてきた学習法が、「詰碁」の取り組み方とほとんど同じということは、多分間違ってはいないんだと自信を深めました。

さて、ここで、「将棋」についても書こうと思います。
今、将棋界を席捲しているのは言わずと知れた藤井五冠です。
藤井五冠は詰将棋の名手としても有名で、プロになる前の小学生時代に、プロも参加する詰将棋選手権で優勝しています。
私は藤井五冠の将棋のファンで、たまに対局を観るのですが、詰将棋の実績からもわかる圧倒的な終盤力で、時間さえあれば負ける気がしません。

これも「算数」に当てはめると、
『基本的な問題を圧倒的なスピードで解ける受験生は実際の入試でも高いパフォーマンスを発揮できる』
ということになると思います。

最後に、オンライン対局について少々。
囲碁の第一人者井山四冠も藤井五冠も修業時代にオンライン対局を利用していたようです。
特に井山四冠は師匠と相当な数の対局を行ったといわれています。

いかにも現代的なエピソードですが、勉強にもオンライン授業がありました。
私もオンライン授業で遠方の生徒さんを指導しています。
算数界の井山四冠や藤井五冠を育てることができれば、そんな幸せなことはありません。

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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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