VOL.212秋の受験生心理と対策

その他場合の数

秋は受験生及びその関係者にとって、精神的に最も厳しい時期かもしれません。

直前になれば、なるようにしかならないと開き直れるケースが多いので、精神的には多少楽になっているように感じます。

また、9月から12月にかけては毎月のように模試があり、その結果によってはさらにダメージを受けるようなこともあるでしょう。

本人はモチベーションを下げないようにすること。

親御さんについては平常心を保つこと。

これらをやり切れれば、志望校合格が見えてくることも多いと思います。

ということで、今回は親御さんが平常心を保つにはどうしたらよいかを考えてみたいと思います。

成績が「上がった」「変わらない」「下がった」の3つに分けて解説します。

1.上がった

成績が上がれば、大抵の場合良い方向に向かいます。今後下がらなければ、今の成績で合格できそうな学校に入れる公算が大です。

VOL.90で紹介したお母さんは、成績が上がってもその内容に納得がいかず、むしろ悲観的に捉えていたかもしれません。その不安を解消するために私が呼ばれたわけです。どちらかといえば楽観的な私からすれば、「何も心配いらないのになぁ」という印象でした。

成績が上がっても油断しないような手堅さが勝利を呼び込んだとも言えそうですが、成績が上がっても全然親に褒めてもらえず、モチベーションが下がってしまった受験生も知っているので、必要以上に悲観的なのも考え物です。

成績が上がった場合はまず大いに本人を誉めてあげてください。そしてご自身も前向きな気持ちで「信じて待つ」姿勢を貫いてもらえればと思います。

そこに我々のような専門家がサポートできれば、理想的な体制と言えましょう。

2.変わらない

成績は変わると「不安定」、変わらないと「安定」ととることもできるので、そんなに悪くない状態かもしれません。

秋は夏休みに頑張った後なので、「伸びて欲しい」という願望も加わるので、「変わらない」成績に不満を持っても不思議ではありません。

まわりも頑張っているので、「変わらない」というのは「他の人と同等に頑張っている」と捉えることもできます。

つまり、決して悲観することはないのですが、期待のあまり現状に不満を持ってしまうかもしれないということですね。

そして、悲観をすればするほど、本人に対してプレッシャーを与えかねない、そのようなリスクが発生してしまいます。

やはり、成績が「変わらない」というのは、「よく頑張っている」という認識を持つべきでしょう。

我々のような専門家がついている場合は、秋のはじめに成績が「変わっていない」場合、直前期に伸びる可能性が非常に高いのです。特に志望校に特化した指導ができていれば、合格可能性は確実に上がります。

成績が変わらなければそれは冬に大きく伸びる予兆と捉え、モチベーションをしっかりと保つようにしてください。

3.下がった

問題はここです。

夏にあれだけ頑張ったのに、なぜ成績が下がるのか。

よくあるのが、夏期講習でやった内容を重視し過ぎて、テストに対応できなかったケースです。

この場合、やればやるほど下がる関係にあるので、多くの悲劇を生んできました。

このような傾向はかなり前から感じていたので、私の担当する生徒さんには夏休み中に全体の復習を勧めるようにしています。

全体の復習をやっておけば、模試の前半での得点が期待できます。後半はその場勝負なので、それは夏休み中の勉強とはあまり関係ないかもしれません。

復習をきっちり出来た生徒さんは、秋以降の模試の成績が良好であることが多いです。

不幸にも頑張りすぎて成績が不振であったとしても、頑張りの方向を修正すれば成績は向上すると思われますが、気持ちが切れてしまえばそこまでとなってしまう可能性もあります。

大切なのは、モチベーションだけは守り抜くことです。ですから、保護者の方は「マイナス」になるような対応は控えて頂きたいのです。

むしろ積極的な「プラス」の声掛け等を行って欲しいですね。

成績が下がったとは言え、良かったところもあるでしょう。そういうところをしっかりと褒めてあげると、お子さんのモチベーションも上がると思います。

次に、本当にやるべき時にやっていないケースです。

この期に及んでまだ遊んでるなんて、親御さんがブチ切れてもなんら不思議ではありません。

ただし、ブチ切れてもお子さんの成績が上がることは決してないでしょう。

その場では反省したとしても、目を盗んでゲームや漫画に走ると思います。

大手術が必要なのは明白なのですが、どうするか。

やはり、我々のような専門家が影響力を行使するしかないと思います。人と人の関係を通して本当に大切なことを伝える。本人が気付きさえすれば、大きく変わる可能性があると思います。

どの場合でも、「信じて待つ」姿勢を持ってもらえれば、良い方向にいくはずです。
そして、我々がフォローできれば、言うことはないでしょう。

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今週の1題場合の数

難易度:★★★☆☆

〈図1〉はすごろくです。

〈図1〉

最初スタートに駒があり、サイコロ(1~6の目がある)を振り、出た目の数だけ矢印の方向に進みます。
例えば(3,3,3)の順に目が出るとゴールとなりますが(3,3,4)だとゴールから折り返してゴールの1つ手前で止まります。次に「1」が出ればゴールとなります。

〈図1〉のアの位置で「6」を出すとゴールで折り返してイの位置で止まります。アでは「2」イでは「4」が出れば上がりです。

(1)3回サイコロを振って上がりとなるサイコロの目の出方は何通りありますか?

(2)サイコロを振る回数が6回以内で上がるような眼の出方は何通りありますか?

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解答が表示されます
<答>(1)31通り (2)5026通り
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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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