VOL.208夏休み特集(3)
夏の日本(特に太平洋側)は太平洋高気圧に覆われ、暑い日が続くはずです。
入道雲が出来たとしても、短時間に強い雨が降るだけです。
また、台風が発生しても、進路が日本よりも南を通ることがほとんどです。なので、8月は台風の発生数の割には被害は少ないと考えられます。
以上は理科でも習う、かなり常識的な話なのですが、近年はそれが覆っているように感じます。
まるで梅雨の長雨と、台風の豪雨がミックスされたような雨が続き、全国各地で被害が生じました。
ネットでは人工的な雨ではないかという説が囁かれ、それもあるかもしれないと思わせるほど不自然な雨でした。
どのようなメカニズムでこのような雨が発生したのか、まだ完全には解明できていないと思います。一刻も早く対策が確立されることを願ってやみません。
さて、「夏休み」もそろそろ終わりです。
皆さんはどのように過ごされましたか?
「夏休み」は「受験の天王山」と言われることもある位重要なのですが、私は「夏休み後の考え方」で、その成果もかなり変化するのではないかと考えています。
どういうことか説明します。
夏休み後にほとんどの受験生がテストを受けます。そうなると、結果が必ず付いてきます。成績が良い人もいれば悪い人もいるのです。
ほぼ全ての受験生が必死に頑張っているのに、下手すると半数近くが不本意な成績を取る、これが必然なんですね。
ですからここで重要になってくるのが「考え方」だと思うのです。
一番いけないのは「あれだけ頑張ったのに成績が上がらないのだから自分はもう駄目だ。」とあきらめたり、テンションが下がってしまうことです。
本当に大切なのは、「夏休み」に獲得した頑張りを継続できる力なので、それを早々に放棄してしまうのは本当に勿体ないです。
このあたりの事情についてはVOL.122に詳しく書いてあるので、是非参考にしてください。
今回は平常心を保つためのヒントについて書いていきます。
①怒り
怒りそのものは100%悪いわけではありません。頑張りや挑戦するエネルギーの元ともなるからです。
なので問題となるのは、「度を越した怒りのためにストレス等が大きくなってしまう」か、「怒りを抑えすぎてやる気そのものが失われてしまう」かのどちらかだと考えられます。
前者の場合は怒りを鎮める方法を知っておくことが重要でしょう。
このブログでも書いた「目を閉じて腹式呼吸を意識しながら30数える」というお勧めの方法があります。
※「30」という数字は私が小学生の時に先生に教わったもので、特に根拠はありません。怒りを鎮める効果だけを考えれば6秒で良いという説もありますので、自分にあった数をみつけてください。
また、自分が何に対して怒っているのか書き出してみるのも良いでしょう。例えば「いつも同じミスばかりする」自分に対して怒っているならば、それを書き出すことによって次は気を付けるキッカケになるでしょう。
後者のケースは意外と多いかもしれません。
本当は、はらわたが煮えくり返っているのに何事もなかったように振る舞い、「どうせ受験なんてうまくいかないんだから」と現実逃避をしている受験生は一定数いると思うのです。
こういった受験生は「人と話す」ことが解決のきっかけになる可能性があります。
会話をすることで本人の不安等が解消されると考えられます。特に成績のことを話さなくても、人と人の触れ合いの中で、気持ちが落ち着けば良いのです。
こういった状況は個別指導が強いですね。私の担当した生徒さんでこのような状態になったケースは記憶にありません。
では「何を話したのか」というと、特に変わったことは話していません。いつもと同じです。
この「いつもと同じ」というところが肝心で、私の肝の据わった態度が伝搬してるのだと思います。このことは受験の結果に直結するので、私は特に重要視しています。
②悲しみ
よく聞く話に「模試の成績が悪くて大泣きした」というものがあります。
何か、危機的な状況のような気がしますが、実は危機となることはほとんどありません。実際私の前で模試の結果が悪くて涙を流した生徒さんは一人もいませんし、むしろやる気が増していることのほうが多いぐらいです。
そもそも「泣く」という行為には自浄作用があり、内に溜まっていたドロドロとしたものが外に出たと考えられます。
そうなると、悲しみの感情をストレートに表に出せない受験生こそが問題なのかもしれません。
「悲しみ」が厄介なのはなかなかプラスのパワーに変えることができないことだと思います。
やはりまわりの大人が「悲しみ」に気付いてあげて、プラスの「声掛け」をしてあげる必要があるでしょう。「肯定的な姿勢で話を聞いてあげる」ことや「泣いてもいいと思わせてあげる」ことが「悲しみ」の感情をプラスに変えることになります。
③あきらめ
よく「あきらめたらそこでゲームセット」とか「あきらめなければ可能性はある」なんて言葉を耳にしますが、全くその通りだと思います。
例えば偏差値70の学校を志望している受験生が模試で偏差値50をとった場合、「さすがに無理だな」と思ったとしても不思議ではありません。そして、そのような受験生が合格することがほとんどないことも事実です。
20ポイント足りなくても前向きに考えることができること自体相当にタフなメンタルの持ち主と言えるので、この状況に負けない受験生がいたとしたらかなり有望といえるかもしれません。
ただ、現実問題として50でもまだ受かる可能性があると心の底から思えるでしょうか。普通に考えると無理があるのですが、私の担当した生徒さんの中には「20ポイント以上の逆転」を達成した受験生が複数いるのも事実です。
実は全員に共通している事項があります。それは、「模試の主催者からある程度距離を置いていた」ことです。
自分が距離を置いているところで成績が悪かったとしても、あまり「関係ない」と思えますよね。こうすることによって「あきらめ」の感情が湧くことを予防するのです。
成績を真に受けると「あきらめ」につながりやすくなるので、以下のように考えることをお勧めします。
1.夏休みの頑張りの効果が出るのは秋以降で個人差がある。場合によっては10月なんてこともある。
2.模試の成績はあくまでも「参考記録」。大切なのは試験本番で「合格点」を取ること。「参考記録」に一喜一憂してもしょうがない。
3.本当に大切なのはまだ先。今は調子が落ちている位がちょうど良い。あとは上がるだけ!
4.(私の生徒さん・このブログの読者の皆様の場合)金田がついているんだから安心しなさい。
夏休みの頑張りは無駄になりませんし、これから先も夏休みのように勉強することこそが肝心です。9月以降もオンライン授業をやる学校もあるようなので、ここでの過ごし方も重要になってくるでしょう。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の復習3題数の性質・規則性・平面図形
難易度 ★★☆☆☆
- 1~Nまでの整数の中で、4の倍数の数と5の倍数の数がそれぞれ何個あるか考えます。その差が30個になる整数Nは何個ありますか。
- 三角形を10個描いたときの辺と辺の交点は最大で何個ですか。
- 同じ大きさの正方形3個を並べて縦と横の比が1:3になる長方形を作りました。長方形の対角線が10cmのとき、正方形1個の面積は何cm2ですか。
解答が表示されます