VOL.201比を利用しよう(1)
この1年ほど毎日のように体温を測っています。こんなに頻繁に体温を測るのは入院している時を除いては、生まれて初めてのことです。
ひとつ分かったことがあります。それは私の体温は自分が思っていたよりも低いということです。
低い分には構わないではないかと思うかもしれませんが、病気にならないという観点からは、体温が低いことは大問題なのです。
色々なお医者さんの話などをきくと、体温が下がると免疫力が下がり病気を発症することがあるようです。
また、がん細胞もある程度体温が高ければ死滅するという話を聞いたことがあります。
東洋医学の考え方も冷えを解消して体調を整えるということがありますし、冷え症で苦しんでいる方も多数います。
せっかくなので、まずは0.1度体温を上げることを目標とすることにしました。
具体的には
・冷たい飲み物や食べ物をなるべく避ける
・熱い風呂にゆっくり入る
・適度な運動→筋肉量の維持
・ストレスをためない
・1枚多めに服を着る
といったことに気をつけることにしました。
結果はまだ出ていませんが、以前と比べれば少し体温が上がったように思います。
実は上の対策は、今問題となっている流行り病の対策でもあるわけで、場合によってはがんの予防にもなるかもしれないので、私は続けていきたいと考えています。
今回から新シリーズをスタートしたいと思います。タイトルは【比を利用しよう】です。
中学受験での最重要テーマは何かと尋ねられたら、私は「比」と答えることにしています。文章題の1分野としての「比」ではなく、全体に影響を与えるという意味での「比」です。
ですからこれから書く「比」は算数全体に及ぶ話になるかもしれません。お楽しみに!
◎比と割合
「比」は「割合」を習った後に習うのですが、正直なところこの2つの分野を明確に分ける必要はないような気がしています。
「割合」のほうが制約があるというか、「比」に含まれているように思います。中学の数学で「比例」を習った後、「1次関数」を習うのと似ていますね。「関数」の場合、「1次関数」を習った後は「比例」を特に意識することは無くなっていると思います。
ところが「割合」と「比」に関しては、習うのが小学生ということもあり、どこまでいっても別物という感覚が残っているような気がします。
「割合」にこだわることがやや危険な理由は、「元にする量を1とする」ことが多い点です。必然的に「比べる量(割合にあたる量)」が分数になることが多いので、それだけでもやや危険です。
また、割合の考え方を貫くと還元算などの線分図を描くときに、段違いの複数本の線分図になります。
それに対し「比の線分図」は1本で済ませることが可能です。
ひとつ例を挙げましょう。
〈例題〉
A君は持っているお金の3分の1でボールペンを、次いで300円でノートを買いました。さらに残ったお金の11分の8で筆箱を買ったところ、最初に持っていたお金の7分の1が残りました。
A君が最初に持っていたお金はいくらですか。
〔Ⅰ.割合の線分図〕
〔Ⅱ.比の線分図〕
※3と7の最小公倍数の21を全体におけばシンプルになる。
〈解説〉
Ⅰ.残りが3/11であり全体の1/7なので
1/7÷3/11=11/21
1-(1/3+11/21)=1/7
300÷1/7=2100(円)
Ⅱ.線分図の③が□3と等しいので
21-(7+11)=3
より
③=300円
よって
300÷3×21=2100(円)
(答)2100円
いかがですか。比を使えば計算らしい計算が無くなったと感じませんか。
私は正解率を高めるためにはなるべく整数で処理することが肝心と考えているので、その意味でも「比」を使いたいのです。
次回以降も「比」を使うことの有効性を示していきたいと思います。
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