VOL.196規則性で間違えない(2)
「植木算」は規則性の中でも早めに習う分野だと思います。わざわざ「植木算」として1分野が確立しているわけですから、重要な内容を含んでいるとみることができます。
生徒を指導していて感じるのは、今一つ伸びない受験生には、上記のようなことを一切考慮しない姿勢が多くみられることです。
これは「植木算」に限ったことではなく、「流水算」なのに流速を考慮しないとか、「方陣算」で周りの個数を「1辺×4」とやってしまうとか、どれも根っ子は同じです。
名前がついているということは、大切なポイントがあり、逆に言えばそこに気をつければほぼ正解できるはずです。それを無視してしまうのですから成績が伸びなくても文句は言えないでしょう。
ここに学習のヒントがあり、効率の良いやり方として「言葉」と「解法のイメージ」を結びつけることに気付くことができます。
私にとっての「植木算」は「植木と間隔ずれてる(かも)算」なのです。
ですから、「植木算」に出くわしたときは、「植木」の数に対して「間隔」の数が
①+1
②-1
③同じ
のどれかをまずはチェックすることが大切になります。
その際、非常に便利なのが「小さな数で実験する」というやり方です。
例えば
「3桁の整数の中に3の倍数は何個ありますか。」
という問題は、
999-100+1=900 ←間隔の方が1少ないので1足している(②)
900÷3=300(個) ←3の倍数がどの場所にこようが間隔の数と一致(③)
と解くことができます。これを実験するときは、
「1~3の中に3の倍数は何個ありますか。」
に置き換え
3-1+1=3
3÷3=1(個)
とやり、「合ってるぞ!」となるわけです。
ちなみに、「3の倍数」ではなく「17の倍数」の場合は
900÷17=52あまり16 ←この場合は②
52+1=53(個)
となります。
安全策は
999÷17=58あまり13
99÷17=5あまり14
58-5=53(個)
です。こちらは「規則性」ではなく「集合」のイメージで解いているという違いはあります。
今回取り上げた問題を通して、
・「植木算」を使う場面は意外に多い
・上記①~③のどれかを見抜くことが肝心(もちろんそれ以外ということもありうる)
・自信がないとき(方針決定)、あるいは余裕があるとき(確かめ)は「小さな数で実験」するとよい。
といったことを感じてもらえれば幸いです。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題規則性
最初「1」があるところに以下の「操作」で数字を書き加えていき、桁数を増やすことを考えます。
◎操作
①すでにある数字と同じものを書き加える。
②最後に加えた1桁の数よりも1大きい数を書き加える。
この①と②を順番に1回ずつ行うことを「1回の操作」と呼ぶことにします。
例えば「3回の操作」を行ったあとは
112112311211234
という15桁の数字ができます。
(1)10回操作を行うと何桁の数になりますか。
(2)この操作を5進法の決まりの元で行います。
20(これは10進数です)回操作を行うと何桁の数になりますか。
桁数を2進数で答えてください。
※5進数・2進数を1から小さい順に並べると
1,2,3,4,10,11,12,13,14,20,21…
1,10,11,100,101,110,111,1000…
となります。
解答が表示されます
(2)1000010000100001000001桁