VOL.193【入試問題を解いての感想2021】 -(7)ラ・サール

入試問題を解いての感想


先日「白毛」の馬が大きなレースを勝ちました。

3歳牝馬限定のレースですが、コースレコードだったそうです。

また、彼女は世界初のGⅠ勝ちの白毛馬のようです。今回は2回目のGⅠ勝利でした。

父は芦毛(一般的に灰色だが加齢により白くなる)で母が白毛(ただし、ブチがありました)でした。母の母も白毛で、彼女が突然変異の白毛だったようです。

白毛には「白毛遺伝子」が存在し、突然変異→遺伝→遺伝と白毛が紡がれてきたのですね。白毛遺伝子は他の毛色に対して優性で、この遺伝子を持てば白毛になるようです。

芦毛は肌が黒いのに対し白毛の肌の色はピンクという違いがあります。白毛が最も白く見える毛色といえます。

白毛になるメカニズムも解明されていて、「アルビノ」ではなく、メラニン細胞の数が少ないことによって起こっているようです。

突然変異で白毛になる確率は非常に低く、1万頭から2万頭に1頭だそうです。ただし、白毛馬の子は50%の確率で白毛になる(メンデルの法則)ので、今後日本で白毛のサラブレッドが増えるかもしれません。

これからも白毛の活躍馬が出てくることに期待したいと思います。

さて、今回の【入試問題を解いての感想2021】ラ・サールを取り上げたいと思います。灘2日目は今後のお楽しみです。

本校は昨年も取り上げましたが、九州でも屈指の男子校です。

良質な問題で定評のある本校ですが、今年はどんな問題だったのでしょうか。

◎ラ・サール

1.計算

(1)小数の計算
括りだして簡単にしていくのですが、多少工夫が必要でした。作意通り解ければ鮮やかに答が出ます。

(2)小数・分数の計算
よくある小数・帯分数・仮分数の選択が問われる問題でした。中学受験生としては出来て当たり前の問題です。

(3)小数・分数の逆算
逆算ですが、数字がそれほど煩雑ではないので、地道にやっていけば確実に正解できたことでしょう。

2.小問集合

(1)台形+二等辺三角形×2の図形中の角度を求める問題でした。
平行線における錯角が等しいことが使えれば、後は二等辺三角形の底角を求める問題に帰着しました。

(2)よくある、得点表が与えられたつるかめ算で解く問題でした。
0~3点が一人もいなかったところに、生徒に対する愛情を感じました(出題者目線)。基本レベルの絶対に落とせない問題でしたね。

(3)ある分数をかけても、ある分数を足しても整数となる最小のものを求める問題でした。
1/5を足しても整数になるというのが変化球で、一瞬戸惑った受験生が多かったと思いますが、落ち着いて考えれば分数の部分が4/5の帯分数であることにたどり着いたと思います。

(4)全体の加入率を分数で表す問題でした。
2つの中学校の部活動への加入率が分数で与えられているのですが、加入者数が等しいことから分子を揃える解法が考えられました。揃ってしまえば、分母同士と分子同士を足せば答です。このやり方は分数の計算で「やってはいけない」とアドバイスする奴で、解いている時、ニヤリとなってしまいました。

3.2人の速さ・出発地点・出発時刻が異なる速さの問題

問題のおまけに線分図が付いていました。これは「線分図で解け」ということなのでしょうが、私は慣れているグラフを描きました。つの出しして相似を利用する、グラフのメリットを活かした解法が有力でした。
もちろん、線分図を利用する解法もあり、むしろそちらの方が普通かもしれません。
この問題では差がついた可能性が高かったと思います。

4.5角形を2つに分ける問題

正三角形部分と長方形部分の面積が等しいという設定です。

(1)正三角形の面積を④とおけば、小さいほうが①で全体が⑧ですね。

(2)今度は正三角形を⑧とおきましょうか。小さいほうを2分割して④と③とわかればフィニッシュです。

(3)(2)の数値をそのまま使えば、大きいほうを①と⑧に分けるという発想が考えられます。⑧を①と⑦に分ければ全体を半分にできます。

5.立方体から直方体を取り除いた形・平面で切る→体積を求める問題

(1)は引き算すればOKでした。

(2)は側面から見た平面図を描くべきでしょう。立方体の半分から三角柱を引いたものが大きいほうの体積となります。三角柱の高さが4cmは明白なので、底面がどうなっているかがわかれば正解が見えてきます。

ここでもある程度差がついたと思います。本校を志望するならば、この問題を「簡単」と感じるレベルまで、「立体図形」を鍛えておきましょう。

6.1から順番に数字を並べる→2021が何個現れるかを求める問題

(1)1桁の数を並べている間はこのようになることはありません。2桁だと、「20」「21」と並べると「2021」になりますが、それしかありません。ひとつしかないので、正答率は高かったと思います。

(2)ここからが本番です。3桁以降が(1)の結果に加わるのですが、どこで区切るかで分類して、丁寧に調べる必要があります。
3桁→ナシ
4桁→2021
 1202,1203
 2120,2121
という要領です。

(3)5桁はさらに複雑で、正解は厳しかったかもしれません。ただし、(2)を利用するという姿勢があれば

□2021□→19回
1□202→10回
21□20→10回
から、正解できたと思われます。

書いて調べるという算数の地力が試された問題でした。(3)は満点の障害となる問題でしたね。

以上みてきたように、今年も無理な難問もなく、程よく味付けがされた、差がつきやすい良質な問題が並びました。

本校を志望するならば、過去問演習を早めに開始し、「できる側にまわること」を意識して普段の学習を進めることが大切だと思います。

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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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