VOL.173【受験お役立ち情報】 -受験生の3つのタイプ-
米国の大統領選挙がもつれているようです。
私が注目したのは、ある州で開票率が94%から95%になるところでした。
その州は人口が約600万人なのですが、開票率が1%増えた際、12万票が一方の候補に入りました。
600万 × 0.01 = 6万
なのですが・・・
これは一体何を意味するのでしょうか。
同じようなことが別の州でもあり、他にも投票率が100%を超える州が複数あるなど、おかしなことがたくさんあります。
我々が正しい判断をするに当たって、「算数」の力は不可欠だと思います。
頭のやわらかい今のうちにしっかり鍛えておきましょう。
今回は4教科のバランスについて書きたいと思います。
算数の観点から、受験生は3つのタイプに分類することができます。
①算数で引っ張りたいタイプ
②算数が足を引っ張らないようにしたいタイプ
③バランスタイプ
私が過去に担当した生徒さんは、入会時には②だったのが最終的に①や③になってくれたケースが多く、これが私の主な勝ちパターンになっています。
もちろん①をさらに強化したり、③がさらにグレードアップなんてこともありましたので、個別に解説したいと思います。
①算数で引っ張りたいタイプ
「算数」でドカンと稼ぐ、最近は珍しくなりつつあるタイプです。
ただし、算数が得意なことは大きな武器であり、「算数単科」の試験が増えているので、その意味では選択肢は多いですね。
とは言え、最難関校は基本的に4科受験ですから、穴があるのが痛いのは確かです。
焦点はその穴を算数で埋められるかどうかということになります。
埋めやすい | 「合格者平均点よりも大幅に上回ることが可能」 ある程度平均点が低く、本人の相性が良いことが必要。 |
埋めにくい | 「合格者平均点を大幅に上回ることが難しい」 平均点が高いとそれでアウト。低くても本人が上回れなければ駄目。 |
ということで、当日の問題に左右される可能性が高い意味があります。
このタイプの受験生で痛い目を見たことがあります。
E学園で「算数」が異常に難しかった時がありました。
7割取るのが至難の業、0点続出の可能性があった年です。
私が担当していた受験生は算数が得意で、SAPIXの模試でコンスタントに偏差値70を超える実力がありました。
ところが、大問4問の第2問で躓いてしまった。
本来なら半分程度は解けていたのでしょうが、第2問で終わってしまいました。
結果は不合格。
実はこの学校は第二志望で、第一志望に合格したので、事無きを得たのですが、私が期待していたチャレンジ校の受験を断念せざるを得なくなったので痛い思い出として残っています。
この経験の後は、どんなにできる生徒に対しても、想定よりも難しい問題に出くわした際の心構えを伝えるようにしています。
②算数が足を引っ張らないようにしたいタイプ
比較的早い時期に担当し、算数が得意となった場合は最も結果が出やすいのがこのタイプです。
問題は受験が押し迫ってもまだ、苦手を克服できていないケースです。
「最後まで諦めずに実力アップを目指す」というのが果たして得策かどうか。
私個人は上の方針を最後まで貫きたいのですが、現実的にはどこかで方向転換を図る必要があるでしょう。
そして、そのタイミングが難しいのです。
私は「算数」に苦手意識を持つ生徒さんには、
「自分は算数が得意でないことを知っていることは武器になる」
と諭しています。
具体的なメリットは
✓「場合の数」、「立体」という皆が不得手な分野を捨てやすい
(時間をかけないことが可能)
✓自分ができそうなところに多くの時間を割くことが可能
✓難しい問題が出たとしてもショックを受けにくい
などが考えられます。
ですから、「場合の数」、「立体」という難関分野の修得には目をつぶって、検算や戦略の強化に力を入れることによって合格の確率を上げることができるでしょう。
そして、この方針転換のタイミングは信頼できる専門家の判断を仰ぐしかないと思っています。
③バランスタイプ
バランスが良い場合はまずは一安心です。
できれば今のバランスを保ちながら、全体的に底上げできれば理想的です。
私は弱点科目がない生徒さんの場合は、算数を思いっきり伸ばすことを心がけることが多いです。算数が抜群で穴が無ければ、自分の好きな学校を受けることが可能です。
他教科が得意な生徒さんにもコメントしておきます。
国語 | すべての科目の基盤となるので、この科目が得意な受験生の将来は明るいでしょう。 |
理科 | 理科ができる受験生は、受験に強い体質を持っていると思います。 結果が出易い科目NO.1です。 |
社会 | 最も差がつきにくい科目かもしれません。 男子で顕著なのですが、最終的に集団に飲み込まれる可能性が高い科目です。 |
色々と見てきましたが、「算数」が受験に影響する割合は「4分の1」よりは大きいことはほぼ確実でしょう。
その影響力の大きい科目を中心として受験の戦略を練るのは当たり前のことと言えましょう。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題条件整理
難易度★★☆☆☆
ある中学校で役員4名を決める選挙が行われました。
A、B、C、D、E、F、Gの7人が立候補し、有効得票数466票の内407票が開票された時点で、7人の得票数は〈表1〉のようになりました。
(1)〈表1〉の時点で当選が決まっている人は何人いますか。
(2)〈表1〉の時点から残りが23票のところまで開票したところ、Dの得票数は4票しか増えませんでしたが、4名の役員が決まってしまいました。
最後まで開票し、更にチェックしたところ、Dに入っていた1票が、実はFに入れたものだったことが判り、逆転でFが当選しました。
Fを除く6名の最終的な得票数は全て素数になりました。
A~Gの7名の最終的な得票数を求めてください。
ただし、全員〈表1〉から得票数が増えています。
解答が表示されます
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