VOL.170【受験お役立ち情報】 -ミスを防ぐ-
今回は、前回でお約束した
「ミスを防ぐにはどうしたら良いか」
について、書きたいと思います。
ミスについては何回かこのブログでも取り上げました。
特に、VOL.99で「計算ミスを防ぐ」というテーマで書いたものは是非参考にしていただきたいと思います。
「計算ミス」を全ての分野に拡張してもらえば、ほとんどのミスは防げると思いますが、今回は他の注意すべき点を書いてみたいと思います。
①計算問題は何回解くべきか
大半の学校で計算問題が出題されます。
いちばん最初に配置されていることがほとんどですが、ここで間違えてしまうと点数をまとめるのが困難になってしまいます。
ですから絶対に正解しなければなりません。
私は
「1回解き、それに対して検算(逆算等の最初とは異なる解法)を行い合っていればよし」
とすべきだと考えています。
中には
「最低3回解け」
という意見もありますが、少し丁寧過ぎるかなと思います。
問題は
「検算したら違っていたときにどうするか」
なのですが、これは少し悩ましいですね。
仮に、前2回と違う解法で解けるならそれで解き、前の2つのどちらかと一致すればそれが正解である可能性はそれなりに高いと思います。
3回目も違う結果になったら、頭を冷やすために一旦飛ばしましょう。
同じ解法しか浮かばない場合は深追いしないことをお勧めします。
少し時間をおくと冷静になれたり、頭が温まってきたりして正解率があがることが多いです。
このことから、計算問題は最初に解かずに、後から解くことをお勧めした生徒も過去にはいました。
②最初と最後が肝心
文章題で顕著なのですが、問題が何を言っているのかの読み取りがポイントになります。
ここで勘違いのようなものがあるとこの後が全てアウトになります。
ですから最初の入り方が非常に重要となります。
ここでの対策としては
i) 集中力のスイッチを入れる
ii) 大切なところにアンダーラインを引く
が考えられます。
ⅰ)に関しては、日ごろのトレーニングが肝心となります。
「ONとOFF」の切り替えを意識する練習をするのが良いでしょう。
私はこの練習として「時間制限のあるミニテスト」を行うことが多いですが、意識的に集中力を高めることができるようになっていることを感じます。
ⅱ)は大切な情報、例えば問題を解くために必要な条件や、何を聞いているかの部分に線を引くことによってミスを防ごうというものです。
線を引くことによってしっかりと確認ができるので、最初の読み取りの正確性を高める助けになるでしょう。
ここで大切なことは、ただ線を引くだけでは駄目なことです。
最後が肝心ということに繋がるのですが、アンダーラインを引いた部分と自分の出した結論との間で整合性がとれているかどうかを確認することが大切です。
特に
「何を聞いているのか」
の部分に関しては必ず確認しなければなりません。
これをやるだけで、単純なミスは減ることが多いでしょう。
③見直しをいつやるか
ほとんどの指導者は
「試験終了の5~10分前には個々の問題を解くことは中止して、全体の見直しをしなさい」
と教えていると思います。
私はこの意見には賛成できません。
なぜならば、貴重な「5分~10分」がほとんど点数に変わらないと考えられるからです。
そのあたりのことはVOL.34に書いてありますので、是非参考にしてください。
「スピード」を上げることについても書いてあるのでとても貴重な情報ですよ。
見直しは答を書き込むときにしましょう。
もちろん、きっちりした検算をすると時間がなくなってしまうので、簡易的な確認が可能ならそれで十分です。
④図形の影響する範囲を拡げる
今までも機会があるたびに書いてきたことですが、
「図形」⇔「数量」
を適宜行えるようにすることが
「スピードと正確性の両立」
に最も効果を発揮します。
わかりやすい例として、「速さ」の問題で「グラフ」を描き「三角形の相似」を利用するものがあり、これは既に「定石」になっています。
「図形」を利用することのメリットとして考えられるものは
・計算が簡単になることが多い
・おおよそのサイズ(大きさ)が見た目でわかる
・「相似」→「比」を使うことが多いので文章題の重要分野である「比」に強くなる
等があります。
VOL.77で紹介したように「図形」に強くなることには多くのメリットがあります。
そのメリットに「ミスを減らす」ことも当然のように含まれます。
以上見てきたようにミスを防ぐための策は色々あります。出来るところからしっかりと取り組んでいきましょう。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。