VOL.169【受験お役立ち情報】 -量より質-
よく、「量より質」という言葉を耳にしますが、中学受験における「量より質」とは何を意味するのでしょうか。
ただ単に机の前に座っているだけでは駄目で、何を学ぶのかが肝心というのは当たり前のことなので、今回はさらにその先を考えてみたいと思います。
まず、「量」は絶対に必要だと思います。「0」では無理です。
当然個人差はあるので、標準を「100」としたら「50」で大丈夫な人もいれば「150」必要な人もいるでしょう。
このことには様々な要因がからんでいるので、単純な能力の差ということにはならないと思います。
そして、「量より質」を主張しているのは、自らが「50」で達成できた体験を元にしている方である可能性があります。
さて、我々が考えなければいけないのは「量」を確保するのは当然として、いかにして「質」を高めるかということです。
この「質」の考え方については「切り替え」が必要な時期にきていると考えられます。
今までは、より「本質的な学習」を質が高いと考えるべきだったのでしょうが、今後はそれに加えて「志望校対策」「得点力アップ」を念頭に置かなければならなくなります。
◎志望校対策
試験当日に出題されるものだけをやれば一番効率が良いですが、それは不可能です。
かと言って、今からヤマを張るわけにはいきませんから、範囲については頻出分野を中心に満遍なくやるのが無難になります。
学習の深さについては過去のデータからある程度はつかめるので、合格最低ラインの1割増し、あるいは合格者平均あたりを目標にすれば良いでしょう。
これらの調整は、信頼できる指導者の下で行うのが最も効率が良いと言えるでしょう。
◎得点力アップ
得点の最大化を実現するには
①時間を得点に変えるという観点から時間当たりの得点が最も高いものから手をつける
②正解できる範囲を広げておく
③時間を短縮できる解法がある場合はそれが使えるようにしておく
④ミスをしない
といったことを実践する必要があります。
上記の②③は普段の学習で心掛けておくべき事項ですが、①は試験特有の観点です。
試験の時は必ず問題をサラッと見て難易度を見抜き、解答順を組み立てるという練習をして下さい。
一番厄介なのは④で、これは中学受験における「永遠のテーマ」かもしれません。
ということで④は次回じっくりと取り組むこととさせていただきます。
ここまでみてきた通り、「量より質」は2者択一と捉えるのではなく、
「量を確保したうえで質を高めていく」
という認識が望ましいというのが私の考え方です。
そしてその「質」の高め方が、今後の結果に大きく関係するわけです。
実は「量」を増やすことによって必然的に「質」が下がってしまうケースがあります。
この場合は文字通り「量より質」です。
それはどのような場合かと言うと、「睡眠不足」に陥ってしまうケースです。
高校生の一夜漬けならまだしも、「中学受験」では絶対に「睡眠不足」は避けなければいけません。
ここでは「何時間寝ろ」なんてことは言いませんが、明らかにパフォーマンスが落ちている場合は「睡眠」が足りているかどうかのチェックを必ずおこなうようにしてください。
受験生の皆さんの「学習の質」が高まるように、このブログでもお手伝いをしていきたいと思います。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の基本問題時計算・図形
難易度★★☆☆☆
(1)〈図1〉のように、2時と3時の間で、短針と文字盤の4がなす角と文字盤の4と長針がなす角の比が「4:7」になりました。
このときの時刻を求めてください。
(2)〈図2〉のように、平面M上に半径が5cmの大円Pと半径が2cmの小円Qがあります。
今、大円P上の点Aと小円Q上の点Bは重なっています。
小円Qが矢印の方向に大円Pと滑らないように接しながら回転するとき、
〈図2〉の後、初めて点Aと点Bが重なるまで、小円Qは平面Mに対して何回転しますか。
(3)〈図3〉は台形ABCD(AB//DC)を表しています。
AE=3cm、AC=18cm、CF=6cm、BF=8cmのとき、
台形ABCDを軸ℓに対して1回転させたときにできる立体の体積を求めてください。
解答が表示されます