VOL.168【受験お役立ち情報】 -基本の完成-
前回は「難問対策」について書きましたが、ほとんどの受験生にとってはそれよりも大切なことがあります。
このことについてはもう何回も書いていますが、非常に大事なことなので、ここでもう一回念を押しておきます。
どこまで行っても大切なのは「基本」です。
これまた何回も言っていますが、受験算数における基本とは
「志望校に合格するために必要な最低限の知識と、それを運用する力」
のことです。
ですから、志望校が変わればその内容も変わりますし、人により知識によってカバーすべき範囲が異なるので、同じ志望校でもその基本は異なったものとなります。
そして、大抵の受験生は個々における「基本」が完成したときに「合格レベル」に達したとみることができます。
よって、今受験生が最優先で取り組まなければいけないのは「基本の完成」であり、それが合格への最短コースなのです。
ただ、ここで問題なのは、その「基本」を明確に示してくれる人がいるどうかということです。
個別に考えてみましょう。
①自分
小学生が自ら過去問を分析し、翌年に出題の可能性がある問題に対してどのような準備をすれば良いかを判断するのは相当難しいと考えられます。
そんな暇があったら、普通に勉強したほうが良いかもしれません。
ということで、独学はまず無理ということを結論とさせていただきます。
②父母
これも本人と大差ないかと思います。
特に問題なのが、父母が最後に経験した試験が大学入試で、それが文系だった場合、その勉強法が算数では全くと言ってよいほど通用しないことです。
理系はまだましですが、「算数」は「数学」とは別物なので、その壁をどうやって乗り越えればいいかという問題が立ち塞がります。
③塾
○○特訓というような志望校別の講座がある塾も多いですが、基本的に過去問演習です。
過去問を経験することにより無意識に合格レベルの力を獲得する受験生もそれなりにいるでしょうが、それは今論じている「基本」を明確に意識することによって効率よく合格レベルの実力を獲得することとは違うような気がします。
また、塾の場合は「個人差」に対応することはなかなか難しいので、「基本の完成」を最短距離で成し遂げるのには向いていないと考えるのが自然です。
④金田
私個人は距離感をはかることに関してはかなり自信があります。
実際、「志望校に押し込んだ」といえるような経験が多々あります。
このような受験生の場合、「基本の完成」しか合格の可能性はほぼありませんから、そこに全力を注ぎます。
それがうまくいったとき、一定の確率で「合格」という結果を手にすることができます。
ただ、残念なことに、それをこのブログ上で皆さんに提供することはできません。ここまでに書いてきたように、個々の事情を反映することができないからです。
もしかしたら、今までは伝えることができなかった皆さんのお手伝いができるようになるかもしれませんが……
ということで、「基本の完成」についても信頼できる指導者の指示に従うしかないような結論になりましたが、これは当たり前のことかもしれません。
なぜなら、私は「個別指導」こそが受験生に最も良い影響を与えると信じているからです。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。