VOL.167【受験お役立ち情報】 -難問対策

受験お役立ち情報整数

今回は難問対策について書きます。

本来、難問を取ることよりも、誰もができる問題を確実に正解し、差がつきそうな問題は極力できる側にまわる、それが大切だと思います。

「難問を正解しようと頑張ったが、結局できませんでした」
というのが一番まずく、負けパターンと言えるかもしれません。

一般的には難問は「まず逃げる」のが肝心だと思います。

しかし、受験生の中には他教科との兼ね合いから、どうしても算数で稼がなければいけないケースもあるでしょう。

過去にも「満点狙い」を徹底し、本番もうまくいった受験生がいます。

難問を分類し対策を考えてみます。

Ⅰ.数値が煩雑

規則性がわかりやすいですが、10番目と100番目と1000番目ならば1000番目を求めるのが難しいのは当たり前でしょう。

また、分数も整数に比べると煩わしさを伴います。
計算の過程で分数が出てくる場合や、分数の分母が大きくなる場合も正答率は下がります。

私は常日頃「分数が出てくるだけで頭が働きにくくなる」と主張しています。

「時計算」が苦手な人が一定数いるのは、答が分数になることが多いことと無関係ではないでしょう。

難関校の多くが「数値の煩雑さ」によって難易度を上げているので、基本が完成した後は厳しい数値に慣れる練習も必要です。

気をつけなければいけないのは、解法を習得する段階では数値の煩雑さは極力避けたほうが良いことです。
本質的でない部分に時間を取られると効率が悪くなってしまいます。

Ⅱ.複数の分野にまたがっている

「速さのつるかめ算」や「図形の場合の数」などがわかりやすい例でしょう。
そもそも「図形の移動」は複数の分野の要素があります。

ただ、上記の問題はすでに受験生にとっては「常識」となっているでしょうから「難問」とは言えないかもしれません。

では、本ブログのVOL.86の今週の1題はどうでしょうか。
食塩水の濃度に関しては「割合」の分野ですが、水槽に水を入れる設定は「立体図形」に分類されます。
この2つの融合ですからそれなりの「難問」といって良いと思います。
両分野とも得意でなければ完答は苦しいでしょうから。

こちらの対策ですが、苦手分野をなくすことが重要となります。
苦手分野があると「当たる」確率が上がってしまいます。

Ⅲ.問題文が何を言ってるのかわかりにくい

本ブログの今週の1題はこの傾向が少なからずあると思います。
一読しただけでは何をいっているのかよくわからないというタイプです。

例えばVOL.147の買占めの問題は、問題文に書いてあるヒントをどのように使えばよいかという意味でそれなりの難問だと思います。
この問題がすんなり解けるようなら「問題文の読み取り」に自信を持って良いと思います。

「問題文の読み取り」は「国語力」に依存することもあるかとは思いますが、なんといっても一番大切なのは「他のものに置き換える」ことだと思います。

一番わかりやすい例は文章題を解くときに「線分図を描く」ことです。

私の場合も、問題文を読むだけでは全くといって良いほど頭に入ってこないのですが、「線分図」を描くとスーっと入ってきます。

もっと突っ込んだ話をすれば、問題文の内容が頭に入ってくると
「その問題の世界に自分が入っていける」
と捉えることができますし、場合によってはその問題を自分のフィールドに引っ張りこんでくることも可能です。
そこまでいけばもう解けたも同然と言えるでしょう。

対策は算数の本質に関わることですが、「線分図」「面積図」「グラフ」「ベン図」「表」「情景図」等をしっかりかけるようにすることです。
また、その選択を誤らないようにすることも大切ですが、それはこのテーマとは直接関係がないかもしれません。

Ⅳ.深さがある

「罠がある」と言い換えることができるかもしれませんが、正解に至るまでの手順が多い問題がこれに当てはまります。

単純に答が複数個あるケースや、問題文が長いような場合もあります。

どちらにせよ正解にいたるまでの過程が長いので、気が抜けません。

VOL.78が「深さのある問題」としてわかりやすいでしょう。
よくある問題の“逆”を聞いているだけなのですが、終わりの見えない泥沼に引きずり込まれます。
(2)が完答できるならば、相当な実力者といってよいでしょう。

さて、このタイプの問題の正解率を上げるためには、普段からしっかりと書く練習が必要でしょう。
見やすい位置に適切なサイズで丁寧な文字を書くことを心がけてください。

Ⅴ.発想の飛躍が必要

本質的に難しいのがこれです。ただ、実際の入試問題ではほとんど見かけることはありません。

近年は学校側はこれを狙っているのに、塾等の対策が行き届いていて、「知っている」で片付けることができてしまったケースが多いと思います。

また、気付けば簡単になるとも言えます。VOL.7は私の自信作ですが、(2)はわかってしまえばあっさりと答が出ます。

正直に言えば、このタイプの対策は特にやる必要がないでしょう。

小手先のやり方では効果がでるとは考えにくく、また、普段から高い志の元勉強していれば、自然とこの力は鍛えられていると考えられます。

現実的な対策としては、その場で何か新しいものを編み出すということをしなくてすむようにするのが良いでしょう。
つまり、できる限り「知識」を充実させておくのです。

たとえば、本ブログでも取り上げたことがありますが、
「1番目からN番目までの三角数の和」=「N×(N+1)×(N+2)÷6」
で求められることを「知識」にしてしまうのです。

私は、「図形」では特に「知識」が大切であると考えています。

難問対策についていろいろと考えてみました。自分にとって必要な部分を参考にしていただければと思います。皆さんが試験当日に1題でも多く正解できることを願っています。

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今週の基本問題整数

難易度★★☆☆☆

次のに当てはまる整数を答えてください。

(1)(4× +306)÷+5
※3つのには同じ数字が入ります

(2)本のえんぴつをA、B、C、Dの4人に配ることを考えます。
少なくとも1本はもらえるように配るとM通りの配り方があり、1本ももらえない人がいても良ければN通りの配り方があります。
N-Mを計算すると130になります。

(3)次のような数列があります。
1,7,19,37,61,91,127,169,217,271,・・・
この数列の1番目から100番目までの数を全て足すと   になります。

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解答が表示されます
<答>(1)17 (2)8 (3)1000000
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プロフィール

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執筆

金田雅昭 講師
【名門会家庭教師センター】

受験算数指導のエキスパート講師、男女御三家や早慶附属中など難関校への合格実績多数。

合格実績

灘中、開成中、桜蔭中、慶應義塾中等部、女子学院中、麻布中、栄光学園中、聖光学院中 他

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