VOL.163【受験お役立ち情報】 -中学受験算数の基本とは-
最近は暗いニュースが目に付きますが、その中にあって個人的に明るいニュースだと感じたのが将棋の「藤井二冠」の誕生です。
先日、「棋聖」奪取で最年少タイトル獲得の記録を打ち立てたばかりなのですが、同時進行中だった「王位戦」でも4連勝でタイトルを獲得しました。
従来の記録が羽生九段の「21歳11か月」なので、藤井二冠の「18歳1か月」は驚異的としか言いようがありません。
※ ここから先は将棋に興味のない方は飛ばしていただいてかまいません。
二冠達成の一番となった「王位戦第四局」は封じ手が話題になりました。
誰もが「飛車」を逃げるしかないと思うような局面をAIで検討したところ最善手が「飛車を切る手」だったのですが、果たして封じ手がその手なのかどうかで大いに盛り上がりました。
その際、「△8七同飛成」という符号をもじった「同飛車大学」がネットでトレンド入りするというまさかの事態に、私も大うけでした。
封じ手で「同飛車大学」は実現し、その生みの親である豊川孝弘七段はご満悦の様子でした。
直後にこれまたお得意の「両取りヘップバーン」も飛び出し、絶好調でしたね。
日本人の駄洒落好きを再認識するとともに、現在のような危機的状況こそ「笑い」が必要なのだとも思いました。
さて、今回は夏休みも終わるということで「基本」について書きたいと思います。
私は「中学受験の算数の基本とは何か」という問いには
✓合格に必要な最低限の知識
✓それを運用する力
と答えてきました。
その考えは今も変わりなく、夏休み終了までに上記が達成できていれば相当な確率で志望校に合格できるという感触を得ています。
ざっくり言うと「知識」と「力」なのですが、これを「1+1」を習った頃から途切れることなく継続するのはかなり大変なことだと思います。
志望校によって要求されるレベルが異なるので、
「基本」=「簡単」
という訳ではないことにも注意が必要です。
当然ですが、難関校ほど要求されるレベルが上がる傾向にあります。
また「知識」は基本的に努力で何とかなる分野なので、この部分は「最低限」の見極めが重要になります。
その見極めが正確にできる指導者の下で学習することが、合格への近道と考えてよいでしょう。
問題は「それを運用する力」の養成をいかにするかだと思うのです。
そもそも「力」とは何なのか?
算数で言えば「問題」を「正解」の方へ向かわせる作用ということになるでしょうか。
私の「力」のイメージは「頭を働かせるエネルギー」になります。
ですから、私が日ごろ心がけているのはこの「エネルギー」をいかにして大きくするかということです。
このように考えるとこの「力」の養成というのは、総合的に考える必要があることに気がつきます。
✓モチベーションを保つ
✓体調を整える
✓積極性を身に付ける
✓算数を好きになる
✓問題を解くことを楽しむ
上記は全て「力」の養成に関係します。
また「ストレスを感じない」ことや「気持ちで負けない」こと等も重要であり、このような土台の上にいかに積み上げをおこなっていくかが大切なのです。
皆さんは「基本」が固まっているでしょうか。
まだの方は最優先で取り組んで欲しいと思います。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の基本問題整数・速さ
難易度★☆☆☆☆
次の問いに答えてください。
- 整数Aと78と462の最大公約数は6で最小公倍数は30030です。
Aとして考えられる整数は何個ありますか。 - ある池のまわりをAとBの二人が一定の速さでまわります。
反対方向に同時にスタートすると二人は4分で出会います。
Aが速さを2倍にして同じ方向に同時にスタートすると5分でAがBに追いつきます。
この池をBが1周するのに何分かかりますか。 - 3辺の長さが5cm、12cm、13cmの直角三角形の板が6000枚あります。
これらを組み合わせてなるべく大きな正方形を作ったときに、余る板は何枚ですか。
解答が表示されます