VOL.162【入試問題を解いての感想】 -(17)筑波大附属駒場-
今回取り上げるのは筑波大附属駒場です。
偏差値的には国内最高峰の男子校です。
先日、東大の現役合格率が1位というような記事を読みましたが、トップ中のトップ校であることは間違いありません。
入試問題はというと「筑駒ワールド」と言われる独特の内容であり、対策をしっかりやっておかないと痛い目にあう蓋然性が高いでしょう。
その特徴は「規則性」によく表れており、直感を信じて突き進んでいく思い切りの良さが求められます。
今年は一体どんな問題だったのでしょう。
◎筑波大附属駒場
[1]3種類の品物で決められた代金をつくる問題
(1)は取らせてくれる問題でした。
(2)は少し手間がかかりますが、頻出の問題です。
(3)が主眼でしたが、本校の受験生でしたら、大してストレス無く解けたと思います。
[2]もとの数から合計数をつくる問題
本校らしい問題でした。
こちらも(1)は取らせてくれる問題、(2)は「全て」となっているので少し不安が生じる問題、(3)がメインでした。
「合計数」が3個の合計と6個の合計の2種類の可能性があるのですが、3個の方を見落とした受験生もいたと思われます。
6個についても「0」が使えるかの検討が必要だったので、差がついた問題となったかもしれません。
[3]タクシーの料金に関する問題
(1)は簡単、(2)は少し複雑ですが問題文がきちんと読めれば正解できる問題でした。
(3)は、はじめて3700円になるのが何m走ったときかを見つける問題でしたが、計算が煩雑なだけで、罠のようなものはありませんでした。
この問題もできれば完答したかったですね。
[4]長方形の面積を差が等しくなるように4等分する問題
(1)が易しめで、(2)から頭を使う必要がありました。
色々な解き方が考えられますが本校の受験生ならば何とかなったでしょう。
(3)は作図の問題でしたが、極端な例を考えれば解決で(直線で結べば良い)、対称になることを忘れなければ完答できたでしょう。
ただ、正答率は今年度の問題の中では最も低かったと思われます。
注)この手の問題はなぜそうなるのかは本来非常に重要だが、時間のない試験では直感的に正解と思われるものを書くのが得策となる。
なぜそうなるのかの検討は時間があるときにすれば良い。
ということで、本年度は(1)(2)は全て正解できたと思うので、その上で(3)が3問できれば合格といった高レベルの争いだったと思われます。
この問題で40分という短い時間で1、2問しか間違えないというのは立派だと思います。
皆さんもこのような高いレベルを目指して頑張ってもらいたいと思います。
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