VOL.154【入試問題を解いての感想】 -(9)フェリス女学院-
神奈川の女子の難関校といえば本校です。
算数の難易度もある程度高いところでキープされており、受験者平均点は毎年5割前後でコントロールされています。
このへんの出題者の匙加減はさすがといえましょう。
本年度はどんな問題だったのでしょうか。
◎フェリス女学院
1小問集合
(1)計算
分数と小数の混合計算ですが、特に問題なかったでしょう。
(2)角度
数字から二等辺三角形が浮かび上がってくる問題でした。
(3)数の性質
整数を何回も掛け合わせる問題です。
3の倍数(個)に調整するのですが、しっかり書き出すのが得策だったでしょう。
(4)比の文章題
若干の差がついたと思われます。
この手の問題は比の式を立てれば解決することが多いです。
(5)7本の矢印を並べる問題
樹形図を描けば良いでしょう。
ただし、全部描くわけではなく、利用することを考えます。
2図形上の2点の移動の問題
「図形上の点の移動」は
①図形的要素
②速さ的要素
③規則性(整数)的要素
のどれかが強く出ることが多いです。
この問題は③の要素が強いと見抜ければ、表に整理してしっかり正解できたと思われます。
3円が関係する面積を求める問題
(1)は超基本、(2)は受験の基本ともいえる問題でした。
絶対に落とせない問題だったでしょう。
この問題があったので、受験者平均点が例年よりも少し高めだったと考えられます。
4前の数を基にして数列をつくる問題
2 3 倍して10を足すということを繰り返します。
分母が大きい分数が出てきますが(2)が誘導になっているので、気がついた人は正解にたどりついたでしょう。
ただ、完答は厳しかったかもしれません。
54人の所持金の「差」を推理する問題
4人のうち3人の所持金はわかっているので、残りの1人を線分図上に描くなりして全ての可能性を調べきれば終了です。
この「全て調べきる」というのが重要で、
①調べると決めたら躊躇しない
②規則正しく抜けがないように調べる
という姿勢が大切です。
以上見てきたように3以外の大問はそれなりに差がつきそうな問題が並んでいました。
特に4と5は解いていて楽しかったです。
入試問題としては良くできていたと思いますが、私個人としては以前のようにもう少し骨のある問題(特に図形)を入れて欲しかったかなとも思います。
いずれにしても、毎年新たな発見を与えてくれる学校であることには変わりありません。
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