VOL.153【入試問題を解いての感想】 -(8)聖光学院-
神奈川の人気校です。医学部進学実績が素晴らしく、偏差値的には県内で頭ひとつ抜けた存在になっています。
私が感じる本校の入試問題の特徴は以下の2つです。
①普通に難しい
②合格者平均点と受験者平均点の差が大きい
①はどういう事かというと、塾のテキストに出ているような問題にもかかわらず、解いてみると意外と歯ごたえがあるということです。
②は見事としか言いようがないのですが、これによって学校側の求める生徒が本校に集まり大学の合格実績につながっていると考えられます。
では今年の問題はどのようなものだったのでしょうか。
◎聖光学院
[1]小問集合
(1) 計算問題
本校の受験生にとってはウォーミングアップといったところでしょう。
(2) 規則性
西暦2020年ですから2020番目をきいています。
トップ校でよくきかれますね。
(3) 時計算
これは普通の問題ですね。
ただ、「すべて答えなさい」となっています。
[2]3を加えるか3を掛ける→後ろからたどる問題
よくある問題かもしれませんが、場合の数の要素が強いのが本校らしいところでしょうか。
(3)はAの個数が奇数個なら偶数が表示されます。
(4)はBのタイミングに留意して書き出せば良いでしょう。
[3]2船の流水算→グラフを描くのが良さそうな問題
本校の「速さ」の問題は複雑なものが多いですが、本問もそれなりでした。
このように「流水算」をはじめとする複雑な問題はどのように情報を整理するかが鍵となります。
おすすめは「グラフ」で、本問も「グラフ」が描ければ解けたも同然といえましょう。
[4]立体の切断・投影図から考える問題
「立体切断」を出すか出さないかは受験対策の上で非常に重要です。
本校のように、最高難度まで出す学校に対しては「男子トップ校」の過去問を一通り当たる必要があると思います。
「男子トップ校」の具体例ですが、「立体切断のマスター」ということであるならば
・灘
・開成
・駒場東邦
あたりが必須だと思います。
当然、女子・共学校にまで手を広げるならば
・渋幕
・豊島岡
もやっておいたほうがよいでしょう。
ただし、本問に関しては、「立体図形」の得意な受験生にとっては解き易かったかもしれません。
[5]正三角形内部に6つの三角形をつくる問題
一番は台形でしょうが、正六角形も比較的好まれているようです。
本問の最大のポイントは、正六角形の向い合せの辺をそれぞれ底辺とする2つの三角形の面積の和は一定であるということです。
このように「平面図形」の場合は気がつくか気がつかないかで差がつくことが多いので、日頃からしっかりと対策を行いたいですね。
以上見てきたように本年度も良質な「普通の問題」が並びました。
本年度も「普通」ということで甘く見ると痛い目にあう、ピリリと辛い問題だったと言えましょう。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。
今週の1題確率
難易度★★★☆☆
〈図1〉のように、A、B、C、Dの4つの部屋があります。
まず、2人が自由に部屋を選びます。
どの部屋を選ぶかは全くの自由です。
次いで、5人が部屋を選びます。
部屋Aに複数の人がいる確からしさを求めると、
2人のときは、(あ)
5人のときは、(い)
となります。
このことを基にすると、人出を5人から2人へ60%減らすと、
人々が接触する可能性が(う)%減ると考えることができます。
(1)(あ)と(い)に当てはまる分数を答えてください。
(2)(う)に当てはまる整数を答えてください。
解答が表示されます