VOL.152【入試問題を解いての感想】 -(7)桜蔭-
先日教室での指導でフェースガードをつけて授業をしました。
これがなかなかのスグレモノで、飛沫が飛び散るイメージは全くありませんでした。
マスクもしていますからかなり安心です。
また、目のあたりも覆っているのですが、視界も良好でした。
これはあくまで私見ですが、教室では消毒・換気の徹底、飛沫対策が十分に行われていますから、感染のリスクは限りなくゼロに近いと思います。
続いて、【入試問題を解いての感想】です。
今回は桜蔭です。
まずはVOL.29を読んでみてください。
本校の特色は本質的な難易度の割に、正解することが難しいということがあると思います。
ですから、基本的な学力の充実はもちろんのこと、正解する力を身に着けなければなりません。
この正解する力ですが、別の言い方をすれば、
「自分の出した答が本当に合っているかどうかを客観的に判断する力」
となると思います。
この力がついたかどうかはテストの点数でみることができるので、今後のテストでは必ず全力で挑むようにしましょう。
さて、今年の入試問題はいったいどうだったのでしょう。
◎桜蔭
Ⅰ小問集合
(1)計算
過去問演習の際は計算問題をいつ解くのかや、正解率はどうなっているかに気を配ってください。
(2)消費税の税率の差に関する問題
8%と10%という2つの税率がもたらす結果を問題にしたものです。
問題自体はやさしかったですが、消費税について考えるきっかけになったかもしれません。
(3)柱を立ててロープを張りちょうちんを吊るす問題
規則性ですが、数の性質の要素が強いと言えます。
本校の特徴として、このような問題も数字がすっきりしません。
そこまで難しくないですが、本問が本校の煩わしさの最低ラインだと思って差し支えないでしょう。
Ⅱ総合問題
(1)2人がトラックを輪を転がしながら進む問題
2人の競争に輪の回転という要素を加えた問題です。
本問も本質的にはそんなに難しくないのですが、②の答からもわかるように、数字の煩わしさは存在します。
(2)円柱形の積木を重ねる問題
立体図形」の問題ですが、「規則性」の要素を加えてあります。
このように算数の総合力をみるような問題が好まれることも本校の特徴なので、しっかり対策をしておきましょう。
Ⅲ立体の切断→体積・表面積を求める問題
珍しく普通の問題でした。
男子トップ校でやや差がつく問題というイメージでしょうか。
女子の場合は本校の志望者といえども完答は厳しかったかもしれません。
本質的な算数の実力を本問が正解できるレベルまで引き上げておけば、合格レベルといえましょう。
Ⅳ3種類のおもりに規則的に番号が書いてある問題
オリジナリティたっぷりの面白い問題ですね。
本年度は複数の分野にまたがったものが多かったですが、その締めくくりと言えましょう。
(2)①が本校頻出の不定方程式でした。
最後の②は「余りの処理」がテーマのスケールの大きな問題でした。
以上見てきたとおり、本年度も一筋縄ではいかない、本校らしい出題だったと思います。
対策ですが、いくつか考えられます。
①やさしい問題はなるべく手数をかけずに解く
本年度の問題ではⅡ(2)(b)①は数秒で正解できます。逃さないようにしましょう。
②「規則性」では絶対正解
「規則性」は頻出ですが、そういう狙いではなく、普段の学習における姿勢の話です。
「規則性」は途中の考え方もさることながら、最終的に正解することが大切です。
その正解するということを普段の学習から徹底することにより「正解力」を高めましょう、という意味です。
③分野をまたいだ問題に慣れる
全体を通じて「数の性質」の力を高めておく必要を感じました。
どの分野と組み合わされても不思議ではありません。
①~③までは指導者にチェックしてもらうことによって更に効果が上がると思われます。
もう少し休みが続くかと思いますので、この機にしっかりとベースを作っておきましょう。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。