VOL.150【入試問題を解いての感想】 -(6)豊島岡女子学園-
緊急事態宣言が発令されました。
対象都道府県かどうかによって対応も変わるでしょうが、我々がまず考えなければいけないのは、一刻も早い新型コロナウイルスの収束だと思います。
不要不急な外出を避け、勉強する!
これを徹底すれば国に貢献することができ、自分の為にもなる。
早くも入試の勝負所が来たのかもしれませんね。
それでは「入試問題を解いての感想」です。
女子校のトップバッターは「豊島岡女子学園」です。
女子御三家に迫る狭き門で、進学実績も伸びている人気校です。
入試問題は塾で実施されている模試に似ていて、オーソドックスと言えるかもしれませんが、「立体図形」の難問は毎年のように出題されています。
今年はどんな問題だったのでしょうか。
◎豊島岡女子学園
1小問集合 1
(1)計算問題 小数と分数を扱えればOKです。
(2)倍数の基本問題 ほぼ計算問題です。
(3)既約分数の個数 公式で解けるので、数十秒で正解したいですね。
(4)約束記号 逆からたどるのですが、確かめを確実にしないと間違えそうな問題でした。
2小問集合 2
(1)和差算 線分図を描くのが普通でしょうか。
(2)場合の数 2を2つ含む数を正確に数えましょう。
(3)時計算 少し珍しい問題ですが、特に問題なかったでしょう。
(4)ヒポクラテスの三日月 5秒で正解できます(気が付けばですが)。
3速さと比の問題
私はこの手の問題はグラフを描くようにしていますが、線分図でも問題なかったでしょう。比をうまく使えれば割とあっさり解決します。
4平面図形 三角形の面積比を利用する問題
台形内部に3本の線が引かれているのでそこそこ複雑です。
必要な線だけピックアップできれば、線分比を求めることは容易だったでしょう。
最後は面積比を求める公式を使うので、それが実現できるような工夫が求められます。
52点がさいころの目によって正方形の頂点を移動する問題
設定が細かいので問題文をよく読まなければいけませんが、聞いていることは意外なほど簡単なことでした。
簡単すぎて不安になった受験生もいたかもしれません。
6立方体を切断して作った立体に内接する立方体の問題
ここまで点数を取らせてくれる優しさが感じられる問題が多かったのですが、最後は少し骨がある問題が用意されていました。
(1)はそれほどでもないのですが、(2)、(3)は厳しかったと思います。
特に、(2)は平面図形の典型問題に置き換えられるかどうかがテーマなのに対し、(3)は「立体感覚」が必要で、少し解き味が異なるところが難易度を上げる要因のひとつだったと思います。
本校の対策は、1、2をノーミスで切り抜け残りを半分正解すれば、なんとかなる」
と言ってきました
(VOL.39を参照してください)。
そして、今年もそのようにして7割を確保すれば合格者平均点を上回っていました。
合格者平均点が68.95点に対し、受験者平均点が56.52点としっかりと差がついていました。
正直な感想を言わせてもらえば、この難易度にしては点数が少し低いと感じました。
原因としては、1、2での失点があったか、3~5の中に苦手分野があったことが考えられます。
そうすると、日ごろから考えておかなければいけないのは
①ミスを防ぐ
②苦手分野をつくらない
以上の2つということになります。
本校の志望者は基本をしっかり固め、ミスをしない体質をつくり、苦手分野がない隙のない態勢作りを目指してください。
中学受験・算数の問題などに関する疑問、お困りごとや
金田先生に聞いてみたいことなど、なんでもお気軽におたずねください。